移動は36.9km
〜〜〜〜〜
朝6時に起きたら全快。完全回復!
昨日、ヘロヘロになりながら進んだ距離分を一瞬で走り抜けた気がした。
やっぱり体調を万全にして臨むことが一番だいじ。これ一番大事。
なかなか古そうな教会だ。
農作業をしている人と山。すごい景色の中で生活しているなあ。
いくつか村を走り抜けて、急に坂がキツくなる。
本格的な登山。20mくらい歩いて立ち止まる。
すげえ疲れたところを撮りたくなった。笑
山のそびえ立ち具合がほんとにご立派だ。
すれ違う車に乗っている人から声をかけられた。
ぼくの名前を知っている。
「誰だ?」声の主を理解できないでいると
「カストリオットだよ、シュコダルの」
言われて
「あああ〜〜〜〜〜!!!」と思い出した。
カストリオットはアルバニア、シュコダルのエコソーシャルファームというゲストハウスのオーナーさん。
自分は2ヶ月以上前に彼のエコソーシャルファームでお世話になった。
エコソーシャルファームは本来宿泊料がかかるところを、カストリオットは融通を利かせてくれて1週間も無料で泊まらせてくれた。彼は恩人だ。
当時のカストリオットはコロナウイルスにかかって自宅待機中だったので、ろくに会うこともできず、メッセージだけでやりとりしていた。
カストリオットは子供たちを連れてセスに行ってたようだ。ボーイスカウトみたいな活動の最中だったのかな?
というわけで、記念写真を子供たちと😊
別れる前にパンとりんごをお裾分けしてくれた。
ろくなお別れもできなかった恩人、カストリオットと強く握手してハグして挨拶を交わした。
この時、この、握手とハグが、とても大切なもののように感じた。
物や情報のやりとりではない、感触で気持ちを伝え合うやりとりが、
何よりも深く命に刻まれていく。そう悟ったような気がした。
相手にとってはなんでもないやりとりだったかもしれないけれど、妙に印象的だったことを覚えている。
道はオフロードコースになった。
ここが山の頂上に当たるところで、これ以降は降っていく。
スマホで地図を確認するとあと9kmくらい。
雪が積もっている。
風はちょっと涼しくなったくらいで依然として暑い。
このくらいの気温でも雪って残るんだー
ブレーキを握りしめてガタガタ砂利で車体を揺らしながらゆっくりと進んだ。
すれ違う車からはクラクションが鳴らされて挨拶を交わす。
降り切ったあたりで一旦止まって休憩。
今何時になったかな、とスマホを確認しようとした。
が、いつも置いてある場所にスマホはなかった。
ポケットやカバンをいろいろと調べてもそこにスマホはなかった。
ない。
スマホはこの、前かごの荷物をまとめるバンドに挟んでいた。
坂を降りる前に地図を見るため確認したのは覚えている。
下り坂をガタガタ揺れながら走っているうちにどこかに落としてしまったのかもしれない。
やってしまった。。
いやあこれは、、どうしよう。
なんとなく見つかるような気がして、10kmの道のりを引き返すことにした。
自転車を押しながらだと流石にきついので近くの看板にくくりつけて鍵をかける。
歩き始めた
また雪が積もっている高さのところまで戻ってきた。
結局、最後の最後まで見つからなかった。
登り切るのには3時間ほどかかった。
どうしよう。とりあえず、自転車のところに戻ろう。
ヘトヘトになってしまったので車に乗せてもらった。
車の中で隣の人に居合わせた人に電話をかけてもらったりもした。
けれど自分のスマホにはSIMカードが入っていない。誰かが拾ってWi-Fiに繋げていてくれない限りこの手段でスマホをコールすることはできない。
絶望的だった。
山の頂上でスマホをみたのは覚えている。
確実にここまでの道のどこかに落としたはずなんだ。
それでも見つからないということは誰かが持って行ってしまった可能性が高い。
自転車の置いてあるポイントまで来た時にはもう暗かった。
そこからすぐにセスに到着。
が、スマホを落としてそれを堪能するどころじゃない。
美しい川、立派な山、せっかくせっせと山道を登り降りして、具合が悪くなって一日寝込んで辿り着いた気持ちのいい場所なのに。
とりあえず、宿泊できる場所を見つけないといけない。
建っている家のほとんどはキャンプ場を運営しているところばかり。
どこも5ユーロくらい。ここはアルバニアでも指折りの観光地。
なかなか許可をしてもらっての無料キャンプは難しいか。
その中で辿り着いた一件のレストラン。
お客様対応に慣れていそうな笑顔のスタッフにダメ元で
「タダでキャンプできるところを探してるんですが」と尋ねると
店の裏手の敷地に案内してもらうことができた。ありがてえ。。
さらにシャワーまで使わせてもらえることになった。ありがてえ。。。。
米とパスタを茹でながら自分の不注意を悔やむ。
ああ、スマホ。。。。。
明日も探してみようと思うけれど、絶望的かもしれない。
物を無くしてしまう癖はなくならない。
普通はみんなスマホなんて失くしたり壊したりしないものなんだろうけれど
自分は本当にどうしてもやってしまうみたいだ。
気をつけていても何かの拍子にやってしまう。
新しいものを買おうったってまともに使えるものは最低でも一万円以上はする。
せっかくいただいた投げ銭の多くを、また簡単に失ってしまうかもしれないスマホにかけるのはナンセンスに感じられる。
これはもう、スマホなしで旅を続ける方法を編み出すしかないか。
幸いラップトップパソコンはまだ生きている。
完全に通信ができなくなるわけではない。
昔の旅人なんてゼロインターネットで旅をしていたんだから。
気疲れと体力疲れでヘトヘトになった。
とにかく今日はもうだめだ。明日、考えよう。