「さあヒロ、腕立て伏せ10回するんだ。これがギリシャの別れの挨拶だよ」という冗談をかましてマクロホリでの別れを和ませてくれたジョージさん。顔つきとか歩き方とか立ち方は戦士を思わせる厳しさがあるんだけど、その風貌からどんどんジョークが飛んでくる。そしてとにかくおしゃべり好きである。素晴らしい大学教授ってインテリジェントなんだけど、どこか頭のネジが外れているイメージが自分にはあって、ジョージさんはまさにそんな人だなあと思った。
ジョージさんの車に全ての荷物を載せてもらって1時間半ほど。高速道路の上、景色は大して速く流れていかないけれど、メーターを見ると150~160kmくらい余裕で出して走っていてびっくりした。これが豪速球投手の球のスピードかあ。
カストリアに到着。ジョージさんが普段一人で暮らしている家があるので、そこの余っている一室に滞在させてもらうことになった。マクロホリから引き続き、個室もベッドもある快適な空間だ。ここにはいつまで滞在するかは決めていない。10/15までには出国しなければならないので、そこだけ守って流れのままに行くつもりだ。
ジョージさんは現在休職中で基本はフリー。彼には友人が多いし色々案内するのが好きな人なので、彼に任せることにした。
カストリアに到着してすぐ一緒にサイクリング。ビザンティン様式の教会とかオスマン帝国時代のスタイルの建物ジョージさんの解説を聞きながら街を走った。夜も少し一緒に散歩して夜景を眺めた。
カストリアは湖畔にある街で、気持ちの良い風が吹いていた。標高600mくらいなのでベリアとかマクロホリよりも少し寒い。夜になるともう気温は一桁。でもその分空気が綺麗に感じられた。家のそばには時々クマがやってきたりする。クマなんて聞くとギョッとする人が多いけれどジョージさんは笑いながら話していたので大丈夫だと思う。
・
2ヶ月間、マクロホリでは全然歩いていなかった。ジョージさんの家の体重計に乗らせてもらってびっくりしたけどこの期間で10キロ近く増えてしまった。現在78キロ台。いきなりハードに旅するのではなく、出発する前に運動を重ねて行った方が良さそうだ。
カストリアは湖の周りが歩くと気持ちの良いコースになっているからちょうど良さそう。
・
カメラが変わってから初めての場所を撮る。レンズは50mmを主に使う、前の広角の時のような建物や部屋全体を撮ることには不向きだけど。こっちの撮れ味の方が自分の中で馴染み深いし、自分の目の使い方と合っていて満足いく。そういうことを確認していた。
・
マクロホリを出発したところ。遠くに見えるのはベリア
カストリアのパン屋さんのチーズパイの生地に蜂蜜が混ざっている。蜂蜜の甘さとチーズのしょっぱさの組み合わせはもうとんでもない美味さだった。ジョージさんのススメでコーヒーにはシナモンを混ぜてもらった。余談だけれど、奇しくも亡くなった友人が毎日のように飲んでいたコーヒーの組み合わせだった。
カストリアの中心街
湖の周りを少しだけサイクリングしに出かけた。
あちらはまた別の名前の村。
途中のカフェでお茶をご馳走になる。
古いボート。
この写真の奥の右側に建っているのがジョージさん宅。
人間の友人だけでなく、動物を発見すると必ず話しかけるジョージ氏。
夜にジョージさんと一緒に飲んだウイスキー。これは海水から作られている上に煙の味が染み込んで独特の美味しさがあった。彼は自分一人の時は全く飲まないからこの、自分がいる時が開けられるチャンスだと思っているようだ。