HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

お茶に招待していただく(Choum شوم→Atar أطار)

バイクパッカーとヒッチハイカーたちはみんな列車で移動により疲れてしまい、車で次の目的地であるアタールAtarまでの100kmと少しを移動することに。自分は全然余裕があったので、同じく自転車で走る気満々だったイタリアのフェデリコと2人でサイクリングで現地に向かい、合流することになった。

走るところはほとんど砂漠地帯。途中、数軒の藁の家が立っていて、そこの暮らしている子供が「カドー!(Cadeau=贈り物、「ギフトをくれ」という意味)」と道路近くまで走り寄ってくる子供たち。中には子供にそうするように指示している母親らしき女性の姿も確認できた。

途中、休憩のために藁の建物の日陰で止まった、そこに女性が数人歩いてくる。フェデリコは持っていたみかんを彼女らに渡した。

すると彼女らを僕らを自らの家に招き入れてくれた。6畳くらいの広さ、嵐が来たら吹き飛んでしまいそうな家の作り、布を垂らしただけの壁、砂に絨毯を敷いている。お母さんらしき人と近所の住人の男性らしき人たちも一緒だった。

そこで何かの乳飲料(フェデリコ曰く「ラクダのミルクじゃないかな?」ということ)と甘いお茶をご馳走になった。

モーリタニアでもフランス語が第一外国語として一般的だけど彼女らには通じない。翻訳アプリでアラビア語を見せてもぎりぎり、わかっているのか。。?いないのか。。??

僕が少し席を外している間にやりとりをしてフェデリコから聞いた話によると彼女らはモロッコが何処なのかもしらなかった。持っているスマホの時計は3時間遅れていた。

明らかに生活は楽じゃなさそうな人たちだったけれど、その雰囲気からは少しの毒気もなく、終始穏やかにおもてなしをしてくれた。この数時間のひとときが印象深い。

フェデリコという男も印象的だった。先のようにすぐに現地の人に果物を差し出したり、町から離れたところで道端を歩く人に進んで自分のコップを取り出し水を分けてあげたり、自転車で追いかけてくる子供と自転車を取り替えっこしたり、夜に合流したみんなとのミーティングで昨日のみんなの電車でのチームワークの素晴らしさを素直に伝えていた。ぼくの投稿に素直な賞賛の言葉をくれた時から何処かこの人物の深みが光っている。

みんなは自転車をワゴンタクシーに積んで先に行く。

ぼくはフェデと一緒に走り出した。