HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

世界一長い列車(Nouadhibou نواذيبو→Choum شوم)

モーリタニアには鉄鉱石を輸送するための列車が走っていて、これが世界一長い全長1.6kmということだそうだ。この貨物車両には無賃で乗車することができて、この列車そのものがモーリタニアで体験できる定番アトラクションということで旅行者の間で有名。でも自分はそんなこと全然知らず、クリスタに初めて出会った時に誘われてその存在を知り、彼らに同行することにした。

バイクパッカーたちは自転車を含む全ての荷物を地上から3mほどの高さの列車に発車する前に急いで積み込むまなければならず、その作業ががなかなか緊迫して大変だった。そこに乗り慣れた若い地元の人たちが何も言わずとも手を貸してくれた。

自分達の荷積みが早急に終わって余裕が出来た旅人のみんなは地元の人が荷積みに苦労している姿を発見すると駆け足で素早く手伝いに行く。無事に全車両乗り込み完了。

砂漠の中を駆け抜けていく列車に降り掛かってくる砂埃が半端じゃない。みんな荷物を大きなビニール袋に入れて顔はターバンで覆い、サングラスやゴーグルを着用するのが標準装備。クリスタは同じ貨物に乗り合わせた何も着用していない地元の若者に布切れをちぎって分けてあげていた。

本当に注意しなければならないのは走り出し。この列車は別に人間を安全に載せるために設計されている訳ではないので、走り出す時にアナウンスの類は一切なしに「ガコン」という轟音と共に急発進する。この時に何にも捕まらずに棒立ちしていたりしたらよろけて転ぶ。この時隣の車両に乗ったフランス人のヒッチハイカーは転んで額に深い切り傷を負って同じ車両のみんなが総出で応急手当てに当たり、事なきを得た。

車両によっては走行中ずっと揺れ続ける車両があってそこに乗り合わせた人はとても大変そうだった。

列車は16:00に出発し、深夜の2:00に自分達の目的地に到着。10時間、砂漠の中を列車は走り抜けた。夜中に荷物をなんとか降ろし切って、よく列車を利用する人が利用すると思しき雑魚寝のできる建物の中に泊まり込んだ。

みんな、仲間にも知らない人に積極的に手を差し伸べる姿が勇ましく素晴らしかった。ぼくは自分の荷物が大丈夫かどうかずっと気がかりで周囲に気を配る余裕なんてなかった上に、現地の人が車両に投げ入れてきた袋にぶつかって、持ち主にしばらく怒ってしまった。荷物を上手く整理できていなくて地味に荷積みの足手まといになるし、自分のウスノロさとか心の狭さが土壇場で出てきてカッコ悪すぎると実感。あまり気にしなくなったとはいえ、流石に自分を責める気持ちがたくさん湧いてくるのだけど、それを返すことに徹した。

列車の様子をダイジェストでまとめた動画↓

踊り動画を撮るのが好きなラトビアのクリスタのお誘いで踊るイタリアのフェデリコとスペインのイヴァンと日本の寛久の同じ車両4人組。

Googleマップのルートでは表示できないので手描きで電車ルートを示しました。

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ホステルの屋上野宿の寝起き。ジュリアン。

今日からここで合流したイタリアのフェデリコが短期間、サイクリングのメンバーに加わる。彼はキャンパーバンで移動しつつ、積んでいる自転車でサイクリングに繰り出すという多彩な旅ができるスタイル。

みんな頭部を包んで列車搭乗準備完了。

列車の発着駅は街から10kmほど離れた場所。カオスな街並みを駆け抜ける。

街中には野良なのかどうかわからない山羊。

発着駅に到着。

本格的に準備。

列車が来る時間は13時~16時くらいの間とはっきりしなかったので時間に余裕が出来た。のんびり居合わせた旅行者も交えながら待機。フランスのヒッチハイカー、マエルはぼくが南アフリカまで行くという話を聞いてビザについて僕が知らなかった役立つ話をシェアしてくれた。

最終的にいろいろな国から旅行者が集ったのでパスポートを一箇所に集めて写真を撮ることに。男性が無粋に普通に並べようとしたらクリスタが「ちがうちがーう!」おしゃれにデザインし直してくれた。

日本、スペイン、イタリア、スイス、フランス、ドイツ、ラトビアのパスポートがここに集った。モーリタニアも並べたかったね。

線路。

例の列車が到着

素早く積み込めるように線路前に全荷物を待機させる。

列車到着積み込みの様子は動画にて。

積み込み終わり。自分はイヴァン、クリスタ、フェデリコと同じ車両になった。

自分の装備はこんな感じに。サングラスを事前に買いました。150ウギア=420円。

現地の人が荷積み時のアクシデントで食べ物を無くしてしまって困っていたのでみんなで持ち寄って渡した。自分は何も持っていなかったので何も提供していない。。

出発。

フェデリコ瞑想中。

クリスタも瞑想開始。

ただただ、砂漠を通り抜ける。

途中何やら村のような場所を通り過ぎる。

何のために使われているのかわからない小屋が見えたりする。

集合写真。ぼくは砂埃と荷台の壁についた鉄鉱石で汚れまくり

日の入り。ここから真っ暗になり、風も強いのでなかなか寒くなった。

途中、一箇所止まる場所があるが目的地は二箇所目。もちろんアナウンスなんかはかからないので誰かがGoogleマップの位置情報を確認してそれを伝達してくれたので降りる場所を把握できた。

午前二時、電車が止まって降りる。

周りに何があるのか何も分からないので同じく降りた地元の乗客に眠れる場所を尋ねて行ってみる。「レストラン」と買いてあるが大丈夫か。。?

怪我したフランス人のヒッチハイカー、マエルを解放するジュリアン。医療関連でも頼りになる男です。