HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

旅人達と合流する(Dakhla الداخلة)

月明かりでほんのり明るい夜のキャンプ場。今日の一日を共にしたイタリアのフェデリコが別れ際「君の投稿が好きだよ」と伝えてくれた。「君は自分が感じたことをちゃんと書いている」と。彼は繋がったインスタグラムの投稿を見てそう言ってくれた。ぼくはいつも週一回分、日本語でSNSの投稿を書いているが、彼はその日本語を翻訳機能でなんとなく読み取ってくれたのだろう。

書いていることなんてもうほとんどの人は読まない。でも自分はそれをやりたいのだから、たとえ読んで喜んでくれる人が0人でもやろう、という感じで、やることはやるけれど反応の方は半ば諦めていた。そんな中、日本語が分からない人からこんなことを言われる日が来るとは思わなかった。

とても嬉しかった。もちろん彼がどの程度の重さでその言葉を伝えてくれたのかも、彼の感動の度合いも、彼にならない限り分かりかねるのだけど、完全なる自分の趣味を発揮してそれを楽しむ人がいるということはやはり心が満たされる思いがするものだ。自分の趣味とは自分の本当の部分、自分のそのまんま、そこで繋がれるということはとても貴重なことだと思う。多くの人からのなんとなくな支持より、ごく少数の強い繋がりの方がぼくは満たされる思いがする。

感動と賞賛の意を素直に伝えてくれたフェデリコの凄さも際立った。一日一緒に過ごして彼の立ち振る舞いや佇まいにはとても惹かれるものがあり「こんな人間になりたい」という憧れを感じさせてくれた。その彼から伝えてもらった一言の威力はとても大き方。イタリアの古城のレストランに勤めていて、4年前からキャンプングカー暮らしを続けている40歳の旅人。良い出会いだった。

・・・

朝、30分間限定で使えるガソリンスタンドのWi-Fiを開くと大晦日に出会ったラトビアの旅人クリスタからメッセージが入っていてた。「近くのキャンプ場でテント泊をしていて、これからダクラDakhlという街まで友達の車で観光するから合流しないか」と誘われた。これはとても嬉しい。ダクラというのはこの辺りで大きめの町なのだけど、場所はこんな位置にある。

モーリタニアへの道から外れた半島の先端であり、正直観光的に見るものも何もなさそうなのでスキップしてもいいのではないかと思っていた。そこを車で見に行けるのだからありがたい。

まずは彼らと合流すべくキャンプ場へ。砂漠の景色が相変わらずすごい。

海が見えてくる。

キャンプ場に到着。

この、PK25という場所はテントやバンがあれば無料で宿泊できる。温水のシャワーも浴びられる。それ故か多くのキャンパーバンやサイクリストが集っていて、もはやみんなで「ここだけアフリカじゃなくてヨーロッパだね」と笑ってしまうような場所だった。

晦日に出会ったメンバーに加えて、見知らぬ人も一緒にいる。旅人同士は挨拶だけですぐに輪の中に入れるので寡黙な自分にとってはとてもありがたい。

キャンプ場からダクラの街までキャンパーバンで乗せて行ってくれるイタリアの旅人フェデリコは先日ぼくに食べ物を分け与えてくれた人だ。この場所で再会。

車内には彼の愛おしいグッズがたくさん飾ってあって居心地が良い。「あ、素敵な人だな」と一瞬で察した。

ダクラの街ではイヴァンの自転車の修理のために一緒に付き添う。仲間のトラブルの解決に付き合うのも複数人旅の楽しみであり醍醐味である。

ダクラの街ではしばしの散歩と、食べ物の調達をしておいた。

別行動をしていたジュリアン、そしてフランスからの女性自転車旅人、21歳のジェドとは初めまして。食堂のテーブルを囲み、ぼくはジュリアンが残した野菜を頬張った。

クリスタは30歳の女の子。10歳の頃から住んでいたスコットランド仕込みの英語で喋る喋る。

日が暮れる頃にキャンプ場に戻ってのんびり、みんな思い思いに過ごす。

手書きの日記を綴るのはウルグアイからの自転車旅の青年。

たくさん調達した食料品を並べて「これで店が開けるぞ、これは100ディルハム=1400円!」と笑うジュリアン。

大富豪は英名「プレジデント」。トランプも複数人旅で結構活躍する。

自分もテント設営。

何人かがここにいる8人分の夕食の支度を始めてくれました。

三人がそれぞれ異なるものを作ってバラエティ豊かに。

一人でずっと旅をしてきたからこうしてみんなと一緒になるのは楽しかった。明日からはここで出会った何人かと一緒に先に進むことに。心強いし、楽しみだ。