仲間と走行を始めて3日目。自分はこれまで他人との接し方がとても緊張していたなあと思う。いつも何か気を回さなければならない。が、元来ぼーっとしていて気の効く人間ではないので、無理にやろうとしてもその気持ちは空回りして失敗して、たいてい自分は何か助けられたりしているだけの末っ子みたいな状態になる。そういうところが年甲斐もなくみっともないと思っていた。そうやって自己否定的になる瞬間がたくさん出てくるから団体行動に苦手意識があった。
このチームでも、ジュリアンからよくお菓子をもらい、クリスタからビスケットをもらい、イヴァンにご飯を作ってもらい、ジェドが道中の宿を調べ上げていたりする。到着予定地を決めるのも仲間の誰かであり自分はそういう団体の意思決定にほとんど関与しない。逆に自分はパーティに何か貢献しているかといえばそんな覚えはない。写真撮ってもなかなか送らないし。食べ物は元々ホブズ(パン)しか買わないから仲間の分まで何かを買ってあげるなんてこともないし、暇ができたらブログや投稿のための文章を書いていたり写真を編集したりしていて話に加わることも一番少ない。
でも、今はそれで大丈夫だと思っている。自分はただ自分に無理のないペースでこの場にいるだけであり、一緒にいるのが無理と思われるようであればそのような流れになっていく。自分がちゃんとみんなに貢献できているかどうか、というのは自分の小さな頭でいちいち気にしなくても良いようなことなのだ。常に目の前の瞬間、自分のやりたいことを選んでいるだけで良い。
昨年の一月、イタリアにいる時くらいから本格的に始めた自分のペースを保つ意識が活きている。ここまでは一人で実践する基礎練習。今は仲間と一緒の時でも同じことを続ける発展練習という感じかな。
こんなマニアックなことは仲間と共有したりもしない。自分の中で取り組んでいるだけのもの。みんなと一緒にいる時でも自分の一番の関心に焦点をあてていられるってことはこれまでの自分を鑑みると貴重な進歩である。とても居心地が良い。
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今日の出発は朝の7:30。月明かりと4人分のライトだけが見える。
月と海。
朝焼け
日の照り方次第で道路も妖しさを称えた写り方になる。
日の出
反対側では満月と月
また白い砂漠。
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今日の休憩場所に到着。最近はイヴァンがぼくの分とセットで調理をしてくれている。
クスクスと魚の缶詰を混ぜて塩で味付けしたもの。イヴァンの自己評価はめちゃくちゃ低いけれど、ぼくはこういう簡素なものでも美味しく食べられるので「美味い美味い」と言いながら食べる。ホブズ(パン)と一緒にいただいた。
ジュリアンはいつも遠慮なくレストランでタジンを注文する。そして分けてくれる。今日は2回も注文して、2回とも分けてくれた。値段を確認していないがぼくからすればスーパーリッチである。
タジンその1
タジンその2
ジュリアンとジェドはこの日はホテル泊、ぼくとイヴァンとクリスタはカフェの裏手でテントを張らせてもらった。
寝る前にお茶を注文。
クリスタにはモロッコのタンタンで出来た現地人の彼氏がいて、よく電話をしている。モーリタニアに入った後、モロッコへ戻ってまた会いに行くそうだ。良い旅をしているなあ。