HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

サハラ人(Dakhla الداخلة→Imlili إمليلي)

何人ですか?と尋ねれば「サハラ人」だと答えるガススタンド勤務の彼ら。今晩の野宿場所となったこのガススタンドのカフェで休憩していたらお茶やタジン鍋をご馳走してくれた。

この西サハラはモロッコが実質的に管理していて、モロッコからするとこの地域もまたモロッコである。しかしこれは完全に全世界で認められてはおらず、西サハラだともされている。

通常のWi-Fiでマップを見ると西サハラと表記があるが、モロッコSIMカードを入れてGoogleマップを起動するとその表記は消える。

左が通常のWi-Fで起動したマップ。右がモロッコSIMカードを入れて起動したマップ。破線で記された境界線はなくなり、「Western Sahara」の表記も消える(クリスタに画像をいただいた)

そんな状況なのだが現地に住む彼らは自分達を「サハラ人」と自己紹介した。話す言語はアラビア語のハッサニアという方言でモロッコアラビア語デリジャとまた異なるそうだ。

ネットでチラ見した情報では、ここから輸出される海産物は「モロッコ産」と表記されて方々へ回っていく。日本でもスーパーに並んでいるモロッコ産表記のタコはこのサハラ地域から輸出されているものも多いそうだ。そのことを彼らに尋ねてみると確かにそうだという。自分のことを「サハラ人」としている漁師さんが獲ったタコは「モロッコ産」として表記されている。

ぼくにはこの件について物申せるほど勉強しているわけではないけれど、目の前のサハラ人達からほんのり垣間見えた領土問題は心に留めておこうと思った。

キャンプ場の草

この場に居た人たちで集合写真。この中から5人で一緒に走り出した。スイスの男子ジュリアン、ラトビアの女子クリスタ、スペインの男子イヴァン、フランスの女子ジェド、そして自分。

日が登ってくる中を走っていく。

目の前の景色に友達がいると自然と写真を撮る回数も増える。

ジェドの自転車に何かちょっとしたトラブルがあったらしく、みんなで立ち止まる。

ジェドは難なく直すことができたようだ。21歳でアフリカ大陸自転車旅。たくましい。

クリスタは目が合うたびに微笑む旅人らしい元気女子。

4,50km走ったくらいのところにある食料品売り場で途中休憩。

他の旅人達と一緒になるとどうしてもこうなるのだけど、普段の自分の旅では基本節約のために少食を意識しているから本当にお腹が空くまで何も食べない、結果食べる時間は不規則になる。誰かと居る時は大抵定時に食べるみんなを待つことになる。だから大抵誰かが食べ物を分けてくれてそこに甘える。

イヴァンがホブズ(パン)にイワシ缶と卵を挟んだサンドイッチを分けてくれた。

途中の集合写真。

走行スピードはみんなぼくよりも速い。自分は彼らの中で旅の継続期間は一番長いけれど、普段からそんなに頑張って自転車を走らせてはいないので別に体力はついていないのだなあと実感する。

どんどん離される。まあそれでも全然気にせずマイペースで行けば良いのだけれど。

今日宿泊するガススタンドにみんな早々到着。遅れてきたぼくは一度通り過ぎてしまった。「ヘーイw」と迎えてくれるみんな。

中のカフェで居合わせたお客さんに歓迎していただきタジンを振る舞っていただいた。

漁業が盛んな大西洋沿岸らしく、魚のタジンだった。ご馳走様です。

クリスタの日記。スラスラ言葉が出てきて一行を二列使わないとあっという間に使い切ってしまうそうだ。ブログを毎日分書く身としてはその力を分けてほしい。

普段からサングラスをしていて集合写真を撮るときに外すように言っても「これがスイススタイルなんだ」と言って断るジュリアンの素顔の瞬間を狙った。

地元の人にターバンを巻いてもらうジュリアン。

今日も日が暮れる。

この日の宿泊は洗車場で。

ジュリアンとクリスタはテントを張らずに眠る。