HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

祈って辿り着いたガソリンスタンド(Lamsid لمسيد→Boujdour بوجدور)

クリスマスだけど平常運行のモロッコ。日本や欧州とギャップのあるモロッコの平熱感を楽しみながら今日も行く。

ボジュドゥールBoujdourに到着。次国モーリタニアまでにある大きめの町はここを含めてあと2つ。

ここでは先日出会ったアフメッドさんが住んでいる。向かい風の中走り抜く80kmの道中、ずっと「きっと泊まらせてくれる」と期待に胸膨らませていた。

街に入る直前、道路に張り付いている警察官に引き止めらる。パスポートを見せて「今日はどこに泊まるの?」と尋ねられた時、アフメッドさんの顔写真を見せると「ああ、この人知ってるよ」と納得してもらい通していただいた。

日が暮れる直前。人がたくさん出歩いている。

2人、町の人に尋ねたらアフメッドさんに家にすぐ辿り着くことができた。案内してくれた若者はファンキーでちょっと怖かったけれど良いやつらだった。

アフメッドさんの家の扉をノックすると奥さんや娘さんと思しき女性が窓から顔を出す。ギリギリ英語が通じる娘さんにアフメッドさんの写真を見せ、状況を説明して納得してもらうも

「父さん今タンタンTan-Tan(自分が1週間くらい前に通過した街)にいるよ」

というわけでタイミング合わず。アウトー!

・・・

仕方がないので寝場所を相談すると砂浜を紹介された。そのまま笑顔で別れ、通常通りどこかカフェを探すことにした。砂浜はよく紹介されるけれど自転車を走らせにくいし砂がテントに入りやすいし風が強くてあまり好きじゃない。

1時間近く探索。Wi-Fiのあるところは町の中心にしかなくテント泊は厳しい。町外れのカフェはWi-Fiがないし寝場所相談への応答も消極的だった。ネット環境どころか、野宿も難しそうだ。もうすでに真っ暗。だんだん焦ってくる。

いったん座って休む。買っておいたホブズ(パン)にケチャップをかけて頬張る。

ふと、今ならできるかなと思い、引き寄せにトライしてみた。イメージに思い描くことで望むものを手にする技術という程度の理解だったけれどここまでの色々な心の中のプロセスを経てできるような気がした。

室内で温かい人たちに守られ快適に作業ができる環境、美味しいご飯、もちろん安全に眠れる場所。10分間くらい、何もしないで座りながらそのイメージした。

そして瞬間的な思いつきで自分でも新鮮な方法を試した。リラックスして幽体離脱感のようなちょっとした浮遊感を感じる。この時自分は透明になっていて、そこへ先ほどの理想のイメージをすうっと入れて融合する。そして現実に戻る。この時のちょっとした浮遊感のあるリラックスがなんとも言い表し難い塩梅で、ちょっとした異次元にいるような面白さがあった。「祈る」というのはこうやるのではないかなと直感した。

それから、休んでいる間に地図上で海岸沿いのガソリンスタンドを見つけたのでそこをアテにすることにした。立ち上がって出発する時には体力が回復して頑張れそうな気がしてきた。

たどり着いたガソリンスタンド。目の前は海だ。

スタッフに寝場所を相談すると、すぐに空き部屋のマットレスを使わせてくれると言ってれた。

対応をしてくれたのは慣れないながらも頑張って英語で話してくれるハサンHassan。ひょろっとした体型とひょろっとした声で何度も歓迎の意を示してくれる優しい印象の青年だった。28歳。

ハサンは夕食を買い出してくれるということで、彼の車に乗り込んだ。

ハサンには奥さんと小さな子供が二人。彼らの為と思しきアッラーの文字が書かれたもふもふのサイコロが飾ってあった。前が見づらそうだけどほっこりする。

魚料理の食堂にて。

一つ一つなんの魚なのかはわからない。

いただいた魚料理。全てがフライになっていて、油が簡素な箱に染み込んでいる。オリーブも入っているのがツボ。40ディルハム=560円だという。

魚料理なんて滅多に食べられない。太い骨を取り除きながらゆっくりゆっくりいただいた。

二層目にもまた大きめの魚二匹。

ガッツリと揚げ物を食べるのは久々。無性にコーラが飲みたくなった。

けれど頑張って抑えた。油ってこんな風に炭酸飲料への需要を誘発するようにできている。ほとんどホブズばっかり食べていたここ数週間は別に欲しくはならなかった。

食欲って不思議だなあと思う。食べると食べたくなり食べないでいると食べたくなくなり、でも思ったよりも全然平気。そういう感じがある。

使わせてもらった広い部屋とマットレス。ここに電源とWi-Fiまである。今日はピンチだと思ったけれど、最高の場所に行き着くことができた。引き寄せ上手にできたのかな?もちろん、あたたかく迎えてくれたスタッフのみんなに心から感謝である。

・・・

<道中>

大西洋がすぐそこ

前方から自転車旅人!こんな何もない場所だからかなり遠くもう話をする気満々なのが分かる。

アルベルトさんというオランダ出身のメカニック。

仕事の長期休暇をとってもう一年半旅をしているとのことだった。

久々に自由に英語を話せる人と会って話すのが楽しい。それにアルベルトさんが溌剌とした雰囲気が心地良い人だ。

このままお住まいのオーストリアまで自転車で向かうらしい。一年半の旅もあと数ヶ月くらい。でもまたいずれ南米を旅すると言っていた。気をつけて!