カストリアの地図を見るとこうなっている。
この湖をジョージさんと自転車で一周した。およそ35kmほどの距離だった。ジョージさんは60歳だけど体力ある人で、自転車のスピードもとても速い。自分はすぐに息切れしてしまってジョージさんに離されかなり後ろをついていった。農家ではリンゴの収穫期が近いようで、赤黒い色が美味しそうなリンゴがなっていた。古いボートに乗った漁師さんとか、アヒルとか見て、カストリアの反対岸に到着したら「よし、ここからカストリアまで泳いでいくぞ」なんてジョークに笑ったりした。
走るのはとても気持ちよかった。物理的にも精神的にも、いろいろな憑き物が落ちていくような感じがする。ちょっとした筋肉痛も感じた。マクロホリでの2ヶ月間、ろくに運動もせずに食べすぎてしまったのでいきなりここから一人旅をドカッと始めるよりもこうして準備運動ができるのはありがたい。
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食べ物について。
自分は食べないでいることの「快」を身体で覚えている。
マクロホリでは毎日3食用意してもらっていた。マリアさんからもエヴァからも「家事をするのは女性の誇り」という雰囲気が感じられて、家庭のルーティンになっている食事の時間を断るわけにもいかない。自分にできる恩返しは彼女らの料理を美味しく食べることだとどこか割り切って食べていた。
美味しいのだけど、内臓が悲鳴をあげていることがわかる。身体の全ての肉の中に鉛が入ったかのように重い。血の巡りが悪い。気の巡りも悪い気がする。
でもこの不調にはっきりと気づけるのは大きい。
自分は日本で歩き旅をしていた時に1日1食程度で過ごしている時の方が心地よかったことをよく覚えている。結局65kgまで体重が減って見た目に華奢な印象が出てくるくらいになった。その時の感覚が研ぎ澄まされていくような感じ。余計なことも考えたりしなくなる感じ。それがとても心地よかったことを覚えている。
思ってたよりずっと食べなくて大丈夫なんだ。これはとても大きな発見だった。
付け加えて言うと、食べ物の嗜好にも変化が出てきた。肉でテンションが上がったりしなくなった。それよりもパンにオリーブオイルを漬けて食べる方がアガる。
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ジョージさんの勤め先の大学を見せてもらった。ここでもまたいろいろな人に会ってジョージさんは僕のことを紹介してくれた。
こちらはパナギオティスさん(「マリア」の男性形)。登山仲間だと言う。
サイクリング開始。
マクロホリでいただいた、ぼくとジョージさんへのお餞別はこんなにもたくさんあった。痛む前に全部食べようと思うのでもうしばらくたくさん食べる日は続きます。もちろん、ありがたや🙏