HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

湖畔の秘密基地(リンLin)

警察や地元の若者たちからの連絡や、ティラーナの友達が何かしら動いてくれるかもしれないので、下手に動くのは避けて、村に滞在する。カフェの席に座ってゆっくり作業。というか、ほとんど自分なりの瞑想っぽいことをしていた(見た目はただパソコン見てる人だけど)。

いろいろな自転車旅人の話を聴いていると自転車が失くすることはざらにあるし、失くしてからから新しい自転車を手に入れる体験談もいろいろ耳にしている。

自転車がないまま旅を続ける選択肢もある。自分には歩いて東京から淡路島までの550kmくらいの旅をした経験もある。ここのところ密かに「どこかのタイミングで歩いて旅をしてみたいなあ」と思ってもいた。

なので、自転車を失ったというこの状況そのものはそんなに悪いわけではないことを頭では理解している。

けれど、それでもやっぱり「大きなものを失ってしまった感」は大きく「カメラもパソコンも、いろいろと失ったらどうしようか」と起こっていない事態のことまで考え始めてしまう。そのまま「何も無くなってしまったらどう生きていこうか」というところまで意識がいった。昔からよくそういう思考をする癖が自分にはある。

自分は、何を失おうが、何も大したことも誰かの役に立つことも為すことができなかろうが、今は応援してくれている人こそいるけれど、そういう人たちを全員失望させてしまい、一人になり、誰からも愛されも尊敬されもせず、認識すらされず、人知れず惨めにこの身が朽ち果てて逝ってしまおうとも、または、私が生きた結果他人に害を与えることになってしまおうとも、いまこの時、自分の魂が納得する選択を、、いや、納得なんてもの、はっきりわからないことの方が多い。だから、わからなくても納得できそうな気がする選択を死ぬまで重ね続けていくことが、今世でできる私のベストなんだと、改めて気を入れた。

カフェでゆっくり過ごしたあとは夜に村の若者たちのパーティに招いてもらい、なかなか恵まれない機会を楽しませていただいた😊

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結局この日、自転車に関する進展は何もなし。

自転車がないなりの動きをイメージし始めた。

 

〜〜〜〜〜

 朝起きてふらふらカフェに向かう。Wi-Fiがとれないと通信ができないので行かざるを得ない。

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初日から世話になっているカフェ。

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自転車を失くした日本人は何かと村内で有名になっているらしく、店内でゆっくりしていた名も知らぬおじさんからコーヒーやパンをいただいた🙏

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一昨日この村に辿り着いた時から自分のことを支えてくれている看護師志望のフィオルディ(写真右)とその弟マテオ(写真左)。よく似ている。二人ともここでアルバイトをしているようだ。

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また別の友人からバナナやハンバーガーをいただいた🙏

みんな本当に心配してくれているのがすごく伝わってきた。

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夕方になって、昨日ぼくを夕食会に誘ってくれたクリスティアンと一緒に出かける。

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湖のすぐそばの狭い道を行く。いったいどんなところで食べるんだろう?

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茂みの奥へ進むと、子供たちが秘密基地として喜びそうな建物が現れた。自分たちで建てたそうだ。やるなあ〜!

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中はこう、男らしく宴を開いた跡がありますね。笑

薪ストーブまでついて冬でも過ごせるようになっている。

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メンツが揃ってバーベキューを始める。

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そういえばアルバニアっていつもこういう集まりに女の子がいないから、クリスティアンに尋ねてみるとやっぱり「女の子は基本家に居るようにしている。そういう文化」なのだそうだ。カフェとかレストランでもほっとんど見かけないガールズ。トルコでもそうだった。イスラム教の影響があるとそういう文化になるのかなあ。

ちゃんとしたキッチンがなくても器用に仕込み。水洗いはオフリドの湖で。

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こちらの方は中継でユベントスを応援中。サッカーのイタリアリーグはアルバニアでは大人気。試合に動きがあるたびに燃えるような大声が湖に響き渡った。

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こちらのボトルは

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自家製のワイン!酸っぱかったんだけど、製品化されなさそうなワイルドさが逆に美味しく感じられる😊

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いつもそうだけれどぼくは飲むペースが早い。水を飲むように酒を飲む。この時もそうだったのでみんなから「アワシュアワシュ(avash-avash ゆっくりゆっくり)」と宥められて、その言葉を覚えた。

ダンスチューンっぽい曲がスピーカーから流れている。

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こちらの彼が終始食べ物の準備を担当してくれた。手際良くやってくれて感謝😊

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準備をしながらクリスティアン(↓写真の中央)がいろいろと話をしてくれる。彼の気遣い方は日本人とよく似ている気がする。

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クリスティアンは日本のアニメをいろいろ知っていたり、日本人があまり感情を出さずに精神を病んでしまうことがあることも知っているくらい海外のことをよく知っている人だった。ぼくが3年前に行ったアルゼンチンの南の端っこの地域の名前も知っていた。

彼はいろいろと話をしてくれた。

アルバニア人は親切でフレンドリーな人が多いねという話。

アルバニア人第二次世界大戦の時、虐殺から逃げてきたユダヤ人を受け入れて保護したという歴史があるくらい伝統的にホスピタリティがある民族なんだと言っていたことが印象的だった。

アルバニアの政治はまだまだとても大変だという話。

特定の政治を支持しないと仕事が貰えない人がたくさんいるという話をきいた。この国はまだまだ民主主義になっていないよと言っていた。

ぼくはアルバニアを旅行している時、アルバニア人から「アルバニアはどうだい?」という質問をほぼ100%される。まあ「綺麗な場所、親切な人々、毎日楽しんでます」と本音ではあるが誰でも言いそうな受け答えをする。それを聴いた人はそれで納得するのだけど、どの人もその表情はどこか曇っている印象だった。

そのことをクリスティアンに話すと、「そうなんだよ」と。それはこの、アルバニアの政治状況に対するもやもやが大きく絡んでいるのだということだった。

旅行に訪れれば大半の人は楽し思い出を作れるアルバニア。自分もそこに漏れずに楽しませてもらっている旅行者だけれど、こういう事情を聴くとそんな自分なりにこの彼らの状況に協力することはできないだろうかと思ったりする。

自分は政治にも歴史にも社会情勢にも疎い。幼少の頃からニュースというものに触れても全然頭に入ってこない。大人になって多少社会のことを知ってからもその傾向は続いたし今でもそうだ。いくらネットで調べても情報は全然頭に入ってこない。あれ、なんでだろう。こうして旅をしても知らないことが途方もなくありすぎて、とてもお役立ち情報、お勉強情報みたいなことは発信できるようになる気配がない。

が、こうして友達になった人の気持ちを聞かせてもらうことでやっと印象に残っていく。クリスティアンのように英語が話せて、かつ話すことを楽しんでくれる人と時間を過ごせることはとても貴重だ。それも、こんな彼らの秘密基地みたいな場所で。

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肉が焼けてきた😊

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暗くなってからの部屋のライトはスマホで😆

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出来上がりー!野菜とザジキも一緒。本当は自分たちで釣った魚を食べる予定だったらしいけれど、この日は天候に恵まれず断念したので肉にしたそうです。

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三脚がない中セルフタイマーを頑張ったらこうなった。

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誕生日ケーキ。ちなみに、ここにいるみんな、おれより年下。笑

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歌は日本でもよく歌う「ハッピーバースデー」の歌だった。

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そのあとは眠くなってしまってよく覚えていないのだけれどわいわいやった😊

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「カメラ使わせて」と言われて使わせてあげるときにうまくピントを合わせるコツまで伝えられなくてこうなる定期。

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気持ちのいいオフリド湖での夜だった。空き家に戻る頃には日を跨いでいた。

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一日経っても自転車は見つからなかったので、もうこれはかなり厳しいだろう。明日から自転車がないなりの旅のイメージをした。