HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

自転車が盗まれた(リンLin)

テントから出て見ると自転車が無くなっていた。

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もしかすると昨晩雨が降っていたから村の人が気を利かせてくれて家の屋根の下に入れてくれたのかな

挨拶しに行った。

自転車のことを聞くと「知らない」と言う。

悟った。

ついにこの時がやってきた。

自転車が盗まれてしまった。

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盗まれたのは自転車と、タイヤと本体の間にくくりつけていた鍵と、自転車にくくりつけていた壊れた三脚。

それ以外はテントの中に入れていた。

自分の不注意だった部分が大きい。

穏やかな雰囲気の村だったからロックが甘かった。

本来は鉄棒とか動かせないものに鍵を巻きつけるものだけれど、昨晩は自転車のタイヤとフレームに鍵を巻き付けていただけだった。

そしてこの場所の場合、テントを張らせてもらった場所と同じ場所に自転車を置いておくべきだったけれど、この道路上に停めていた。

もう一度言うのだけれど村の雰囲気が穏やかだったので、油断した。

それと、ここ最近日々必ず良い人に助けられていたから、警戒心が薄れていたのもあるかもしれない。

警戒しながら旅をするのは自分の心身をすり減らすし、逆に危ない人を引き寄せてしまうような感じがしたから、行くところ平和であるという前提は大切にしたい心構えであった。とはいえその心構えが行きすぎてしまったのだと思う。

一応テントのすぐ近くに自転車を停めてはいたのだけれど、寝落ちしていて持っていかれる時の音や気配は何も感じなかった。夜の何時に持っていかれたのか分からない。

 

村の人に事情を話すととりあえず警察に電話するように言われた。

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simカードの使用可能期間はとっくに終わっているのに電話できるのかと思ったら、できた。アルバニア警察ナンバー129。警察との話は村のおじさんがやってくれた。

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警察官は最寄りの街であるポグラデツから向かってくるらしい(この村にはいないそうだ)。

待っている間にトルココーヒーとラキアをいただいた。朝からきつい酒

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やってきた警察官はパスポート見て自分の連絡先を求められたが、電話番号が使えないのでFacebookで検索できる名前だけ控えて立ち去った。

この程度でこの後もコンタクトなんかとれるのだろうか。。

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通訳のために駆けつけたらしい地元の若者たちも自分たちで自転車を捜索すると言ってくれた。インスタの連絡先を交換した。何日かこの村で待っていた方が良いらしい。

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とりあえず、Wi-Fiを求めて彷徨う。

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小さなホテルの看板を発見したのでそこでWi-Fiと電源をもらった。今後のことをいろいろと考える。

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自転車を無くした日本人の噂はすでに村中に広まっているらしく、「君がその人だね」という感じで迎えられた。

作業をしていると食事を用意していただけた。気の毒に思ってもらったのかもしれない。ありがたいです。

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オフリド湖には魚が泳いでる。

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漁に出発するオーナーさん。

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昨晩出会ったフィオルディと連絡をとった、彼は心配してくれて、今晩はもっと安全な場所に泊まらせてくれるとのことだった。彼の勤め先のカフェにまた向かう。

荷物を頑張ってまとめる。自転車がこのまま帰ってこないとすれば、歩いていくことになる。荷物は全部自分で背負うので、現実的に背負える重さになるまでカットしなければならない。とりあえず今は全てを持っていく。

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キャンプさせてくれた農家のご夫婦。ありがとうございました😃

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村は景色が良いのだけど状況が状況なだけにあまり楽しめない。笑

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カフェに着いたらフィオルディは心配してくれて食べ物を用意してくれた。

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食べさせてもらって、とりあえず作業を続けた。

いろいろな人が出入りするカフェ。やってくる人にどんどんこの自転車が盗まれた日本人の情報が共有されていった。

心配してくれたクリスティアンと言う若者もご馳走してくれた。英語で「アルバニアでこんな事件が起こってとても残念だ」と言っていた。

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クリスティアンは「明日、みんなでパーティするから良かったら来ないか?」と誘ってくれた。しばらく待っていた方が良いみたいだからちょうど良いかもしれない。

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ちょうどティラーナでしばらく滞在させてくれたカフェのご家族が連絡をしてきていたので、自転車を盗まれたことを伝えると、「別の自転車を用意できないか試してみる」と言ってくれた。ありがたいです。

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この夜は彼の友達の空き家で泊まらせてもらえることになった。

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空き家は鍵もかけられる安全な場所だった。殺風景ではあるけれど自転車を盗られてしまった後なだけに安心感がある。

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なぜかビリヤード台がある。笑

荷物の全てを置いて、ここにさらにテントを張って寝た。

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大きく状況が動いた。
心配したり不安になる必要はない。たとえ命以外の全てが盗られようと生きることが不可能ではないと日頃から意識しているからか思ったより落ち着いている。

が、やっぱり元々培ってきた心配性成分が強めなので、やっぱりどうしてもこの先が心配になる。

どうやって旅を続けようかといろいろシミュレートする。

警察や大使館は通報しても自転車が返ってくる確率はかなり低い気がする。

カードの保険も基本的にこんなスタイルの旅でサポートしてくれるような手厚いものではない。

もっとインフォーマルな流れで解決されるような気がする。

新しい自転車を買うのか、誰かからもらうのか、歩いていくのか。

なんにせよ何かしら助けてもらう必要がある。

できるだけ落ち着いて一つ一つ決定して進めていこう。