HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

人の薬は人

明日旅立つ自分にコリーナは消毒薬やガーゼ、食料を持たせてくれた。ブレスレットや帽子もお土産に渡してくれた。オンラインで繋がっている広いネットワークを持っているのでこれから向かうガンビアセネガル南部のカザマンスの知り合いも紹介してくれると言ってくれたし、なんならアフリカ全土誰かしら友達を見つけられるかもしれないから都度連絡してねと言ってくれた。ウォロフ語の「Niit, niitay garabam (=Man is medicine to man)」という言葉を教えてくれた。コリーナは大学を卒業してすぐにセネガルに移って来た。理由はヨーロッパの空気が嫌いだったから。人種差別的だったり、感情を抑制しなければならない気運だったり息苦しい。もう17年にもなるセネガルでの生活は彼女に合っているそうだ。その理由は言わずともわかる気がする。彼女の自然体にこの国の人々は合っていると思う。近所の人とどんどん挨拶を交わして立ち話が長くなり、数10分で終わる買い出しは1時間に及ぶような、素直でエネルギッシュな女性がコリーナである。

出会ってもう2ヶ月。ぼくのことを見ていた彼女は「あまりシャイになりすぎないようにね」とアドバイスをくれた。はい、頭の中はいっつも仕事(報告)でいっぱい。寡黙なのです。今はとにかく書くこととか自分の感覚に集中してる時だからそれでも良いとしているけれど、いずれこの重さを無くしていけたら良いなと思う。

自分で言っていたけどコリーナってイタリアのお母ちゃん気質なのだ。曰く「すっごくお世話焼き」らしい。すっごくそう思う。日本のお世話焼きおばちゃんがまんまイタリアの顔と言葉になった的な。そこへ自分はいつも悩みがちで返事もはっきりとしない寡黙野郎かつ平和ボケみたいな顔で笑ってるだけなので心配させるだろうから余計に世話を焼かせてしまうのだと思う。ただ与えてもらうばかりの頼りない男でいるのはみっともない気がして苦しいし、旅先で困ることも少なくないけど、まあそれもそれでおれ自身だと思えるようになってきた感はある。

1ヶ月間、作業をするというところに注力してきたけれど、さらに大きな意図としては、何もやらなくて良い環境でより自分の感覚に集中するつもりだった。それができたのはこの一階のガレージであたたかく放っておいてもらいつつ「困ったらいつでも助けを呼んでね」と伝えて続けてもらえたおかげ。本当に心休まるあたたかいひと時だった。

コリーナと夫のジャカリヤと友達のイスマエルは日本へ行くことに特別な熱意をもっているので、彼女らが日本を訪れるときはどうにかしてサポートしてくれる方を紹介したい。

左からイスマエル、コリーナ、ジャカリヤ、寛久

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彼女のバンド『I-Science』のYouTube動画を貼っておきます。ページには他の曲もありますよ。