HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

ドラムの音に誘われ(Fatick→Mbam)

どんどんドンドコどんどんドンドコどんどんドンドコどんどんドンドコ、打楽器の音が聞こえてくる。セネガルにはサバールというジャンベに似た民族楽器がある。ジャンベは手で叩くのに対してサバールはスティックを使って叩く。

サバールのような音は大きなバオバブの木から聞こえてくる。大人数で演奏していてお祭りか結婚式か何かをしているのかと思った、ら、小〜中学生くらいの子供たちだった。叩いているのは半分くらいに切り取られたプラスチック容器だった。彼らは道路上のぼくの姿を見つけるなり手を振って声をかけてきた。ちょっと迷ったけど行ってみることに。

子供たちはめちゃくちゃこちらに注目してくるけどぼくはジェスチャーで「叩いてくれよ」と伝えるとまた叩き始めてくれた。素人耳だけと最初本物のサバールを打っているのかと思うくらいかっこよかったし、それがこんなガラクタから繰り出されてるのだからもう感動。こうやってセネガル人のの音感覚は養われてくのかと。もう写真やビデオを撮らせてもらいまくり。

そうしているうちに母親と思しき女性から家の中に招かれ、チェブジェンやお茶をご馳走になり、女性用の服をミシンで縫う仕事をしているところを見せてもらったり、子供たちと踊ったり、ドラミングを真似しようとして上手くいかずに笑われたりした。案の定カメラは人気になりすぎるので壊されないように気を使った。英語はみんな話せないので僅かなフランス語とジェスチャーのみ、何度も何度も繰り返し言ってくれるおかげでぎりぎり理解できた。

結局、家のお庭でテントを張らせていただくことに。大きなバケツに水を汲み小さなサイズの桶を使って身体を流す水道無しスタイル。夕食はクスクスにンブムという植物のペーストをかけた物をみんなで囲んだ。思わぬ嬉しい寄り道。

セネガルで村っぽいところに立ち寄るのは何気に初めてだけど改めてすごくあたたかい人たちだと実感した。良い意味で、時々悪い意味で全然壁がない、だけども壁を作りすぎて精神をこじらせた自分からすると、それが人の自然な姿ではないかと思いたくなる。

子供たちと踊っているうちに「ずっとこうしているだけで良い」という直感的なものを感じた。