HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

自転車屋さんでお昼ごはん

もう2ヶ月半の間、本格的な自転車走行をしていないのだけど自転車の状態はホイールに裂けている箇所があったり、タイヤが裂けていたりしている。壊滅的な状態ではないが、この先コートジボワールまでの3〜5カ国間、このダカールほど品揃えの良いお店は無さそうであることを考えるとここでなんとかしたい。

家から10キロくらい、車通りの激しい道をゆっくり漕いで自転車屋さんに到着。ゆっくりと先客の自転車の修理作業をする若いお兄ちゃんに椅子を勧められて椅子に座る。先客は長い白髪を後ろで結ったラフな格好のドイツ人のおじさん。昔は自転車旅をたくさんしていたそうで、今はセネガルに短期滞在しているという。旅好きの歳上の人は自分の話をすることに関心のほとんどがあるのだけど、この人はわりとぼくの旅にも関心を持ってくれて、ぼくが10年という期間を投げ銭スタイルでやり抜こうとする計画を面白がってくれた。この自転車屋さんはおじさんのお墨付きだった。f:id:tajimax-tj:20230518155955j:image

お店には英訳してくれるドゥドゥというおじさんがいた。ドゥドゥ自転車修理をのんびり待っている間、小さなペットボトルにいれて凍らせたジュースを持ってきて「一本もってきな」と薦めてくれた。お金でも取られるかなと野暮な心配をしたけれど純粋なご厚意だった。赤色と白色。赤はハイビスカスジュース、白はバオバブジュース。どちらも砂糖たっぷりで甘く仕上がっている。ハイビスカスジュースをチョイスしてシャーベットを急激に取り込んで頭が痛くなって悶えて笑われた。

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先客の修理が終わってぼくの自転車に必要なタイヤやホイールをどこからか持ってきて修理完了。チューブとパンク修理セットも購入して用事が済んだところでちょうどお昼時。レストランで家族の手伝いをしていると思しき出前の少女が長めのアルミの皿を持ってきた。それを受け取ったお兄ちゃんはぼくを誘ってくれたので近所の友達4,5人と一緒に囲ませていただくことになった。お皿の中身はご飯の上に甘辛く炒めた玉ねぎと揚げた魚の「ヤッサ・ジェン」。ヤッサはこの甘辛い玉ねぎを含んだご飯料理の総称でジェンは魚。周りの人が魚を食べやすい大きさにちぎってぼくのところに置いてくれる。自分はこのヤッサがたまらなく好きでウォロフ語の美味しいを意味する「ネフナNeex na」を連呼して笑っていただきながら完食した。

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修理用のツールや何気に壊れていたハンドルグリップも最後に直してくれた自転車屋のお兄ちゃんの名前は最後に尋ねた。

ドイツのおじさん、英語翻訳を手伝うドゥドゥ、そして気のいい修理屋のパプ。自転車を直すために見せに立ち寄っただけだけどそれだけでいろいろ面白い出会いがあった。セネガルっぽいなぁと思う。たくさんの人達と入り乱れながら生きる中で自然と生まれている文化を感じる。自転車の修理の方は中古のパーツを導入したのでどのくらい持つかな。でもまあ良い人にやってもらった修理ならどんな結果も納得ものだ。