HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

セイルトレーニング2(Dakar)

テーブルの上には早起きしたコックのローラがコーヒーやお茶の準備をしてくれていて流石と思ったが同時にお膳立てをいただいているのだからその分働かねば、という緊張も出てくる。

お茶やコーヒーやパンをいただきながらみんな甲板中央のテラスに集まっていた。その状態で船長は納得できていなかったらしい。時間になると急に「お前ら7時に準備完了してるんだったよな!?こんなダラダラ座ってる状態が準備完了か!?」と突如吠え始め、超爆音で激しい曲をかけ始め運動を強制した。みんなで小刻みにジャンプジャンプ、それから腕立ても。いや準備ってミーティングかと思っていたら動ける準備のことか。ちょっとずるいなあ、不意打ち感がある。音はうるさいし、完全に船長の趣味でしかなさそうなウォーミングアップに不快さしか覚えない。

体操を終えると「俺は無経験者を6人も乗せて無事故で航海ができるかどうかとてつもなくナーバスになっている!」と切り出した。まあ、それならそうか。昨日からずっとこの男がピリピリしているのも頷ける。しかしこの軍隊的なやり方はもう全然好きになれない。理に適っているのだとしても全然好きになれない。

結局ベオママのような大きな船だから仕事のできる船員を複数人集めなければならないわけで、そもそも小さなボートに乗せてもらってアメリカに行きたいだけの自分にとってはここでのトレーニングは通らなくても良い道ではある。それはここまでロニーにどやされながら何度も思ってきたこと。ロニーはとにかく自分が納得いく水準まで自分なりのチームビルディングを為そうとしているようだった。それがこんなやり方だったら自分はついていけないなと思っていた。

今日は帆を張って数十キロを航海してまた同じポイントに戻ってくる。

午前中は出航の準備。主に揺れに備えてキッチンや居間といった船内の色々な設備に置いてあるものが落下したりしないように固定した。もうなんというか撮影をしている余裕がない。

自分はヤンと一緒に甲板の準備。全てのものをしまって二つある小舟を固定した。

準備が完了したジップセイル

準備が終わって再び集合する一行。

朝食のオムレットサンドイッチ

アルファベットごとに船員ネームというものがある。

例えばジャカリヤDiakariyaは「D」なのでDELTA、コリーナは苗字の「F」からFOXTROTT、自分はTajimaの「T」からTANGO、ちなみにロニーRonnyは「R」からROMEO。これをトランシーバーなどで呼び合う際に用いる。舵取りの時間を割り当てた。

昼食

セイリング開始。初めて帆を張ったところを見た。

プランクトン

そういえば最近船員が増えた。

セイルトレーニングは無事に終了。朝の一悶着以外は特に何も問題はなく、ロニーがあちこち駆け回って指示出しをして、時に障害物を避けるべく難しい運転を操舵中の僕に指示出しして、とにかく動き回ってエネルギーを使い果たした様子だった。この船で旅を続けることの大変さもそれ故にロニーの情緒の起伏が激しくなることもよく分かったが、それ故に自分の居場所ではないという感じも強まった。