先日、コリーナとジャカリヤが一緒にカーボベルデに向けて出航する仲間となったことをロニーから聞かされた。彼らはそれぞれ500ユーロを支払い、船員としてのトレーニングを経て一緒に旅立つらしい。そのことを船上でロニーから聴いたのだけどやっぱりどうも金が入ったと言うところで妙にテンションが高く、そこからカツカツ感が滲み出ていることが目についてしまってあまり好印象が持てなかった。
今日はそのためのトレーニング日となった。コリーナとジャカリヤは楽しむ気持ち満々でぼくとは「イエーイ!ナカマー!」とワンピース仕込みの日本語とともにハイタッチを交わし、いつも窮屈な船上が明るくなり、ロニーの目も自分から少し離れるので随分気が楽になった。
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ブリーフィングタイム
キッチンの掃除をやってくれているジャカリヤとコリーナ。
ジェット水噴射機の修理をしているアンドレアスさん。
ランチ。
この動き、ロニーって感じ。肉食獣的なの。
昼寝する男子たち。
それから青銅の掃除。
航海練習を実施した。帆を張らずにエンジンだけで少しだけ移動する。
錨を上げるのに慎重に鎖を観察。
引き上げられた錨
自分は初めて操舵を教わった。
舵取りではこちらの3つのメーターを頼りに方角を決める。
一番上から
・船尾についているラダーの向き
・風向き
・船の進行方向
がわかるようになっている。ロニーから指示された数値になるように舵を回した。今回は海が穏やかで数値もロニーが教えてくれたので簡単だったけれど実際の航海になるとたくさん頭を使わなかればならなさそう。
舵のすぐ目の前にはアナログのコンパスも装備されている。
コリーナとジャカリヤは見張りを担当。トランシーバーでコミュニケーションをとる。
見張り組。
休憩中に素敵な笑顔のおじさま。
数十キロを進んで適当な場所で錨を下ろしてセイルトレーニングは終了。夕食をコリーナとジャカリヤの二人で作った。
ぼくがメイン料理を任され、失敗しないかとそわそわしながらまた日本風カレーを作った。悪くない評判だった。
この後、調理をしていたために夜の巡回をすっぽかしてしまい、ロニーにこっぴどく怒りをぶつけられた。「船を降りるか?」とクビをちらつかされた。調理がうまくできるかどうか緊張していたとはいえ、任された仕事をすっぽかしてしまった自分に非がある。やっぱり自分の鈍臭さは昔から変わってないなとしばらく本格的に凹んだ。
それからふと「どんなに気をつけていても失敗するものは失敗する」と思い直した。ずっと自分を貶めているのではなく、こころが上向くように開き直る、これは私的には随分と大きな成長。
ここまできたら、カーボベルデに行けるかどうかは運次第だ。やれるだけのことをやるが、結果がどう転ぶかはもう制御できるものではない。そう割り切ることにした。