HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

怒られ耐性皆無(Dakar)

時々高校球児だった頃の夢を見る。もう20年近くも前になるのでうろ覚えだけど事実がどうというよりも自分の受け取り方として覚えていること。自分の所属していた部は監督が大学時代にプロ野球選手と一緒にプレーしていたこともあるほどの背景を持った人で、学校にスポーツ推薦などのシステムはないものの、その指導は超本格的甲子園志向校のそれだった。自分はそこを気に入って入部したのだけど、その中での自分はものすごく不器用かつ、のろまで、いつも監督さんからドヤされて、数ヶ月間活動に入れてもらえず干されていたこともあり、部員達にも煙たがられ、そんな中でもなんとか在籍し続けるために気を張り続け、ビクビクしていた。楽しみなんか微塵もなくてただ穏便に任務を遂行するためだけに生きていた。その心の内ではいつも「自分は何かやらかしてしまうから気をつけろ」という強迫感で満たされ、常に緊張し、やらかして凹んで自信を失い、悪循環となっていた。いつもネガティブ感で満たされていた。夢の中では色々な場面が出てきて時に今の出来事とミックスになっていたりしてバリエーションがあるけれど、共通して当時のネガティブ周波数で満たされる。

今もそれに近い環境である。野球から離れて以降はそういう圧から離れて今日まで来ているので、久々感がある。

ロニーは理不尽なことを要求するような人間ではないが、機嫌の良い時と悪い時の差が激しく、悪い時はただの鬼軍曹になっていた。とにかく説明する口が早く、問い直すとあからさまに嫌そうな顔をする。それに気を遣ってしまって半端な理解のまま仕事に取り掛かるとミスがあってそれをまた強い口調で突かれる。

これは世間一般的に見れば弱さと分類される情けないことなのだろうが、自分は強い口調は滅法ダメである。頭に中では別に大したことはない、ロニーも仕事として言ってきているだけで人格まで否定してきている訳ではない、失敗をしてもそこから学んで次に活かせば良いだけだ、そういう大人スキルを唱えているのだけど、どうしても心身が萎縮してしまう。まるで発汗とか涙のような生理現象のようだと思った。自分がもっと有能であればお互いにストレスもないのに、と自分サゲも併発してしまい、もうとにかくエネルギーが下がりまくり。

機嫌が悪い時の彼の背景にあるのは主に資金不足が原因で自分の船の維持が困難になることへの強迫感だと感じた。それは困難は全て自作自演であり自分の捉え方ひとつでいかようにも解決できる、という今の自分が信じている考え方とは真逆の価値観であり、彼の抱える葛藤に対しては察することはできても共感しかねた。しかしまあそんなことをハリネズミ状態の彼の前で英語でプレゼンするなんてことは到底できる気がしない。とりあえずこの付き合いはカーボベルデに到着するまでの間だ、とどこか割り切っている。

昔の自分と対面する瞬間が続いている。タリべのボランティアでは大学時代の自分が、今は高校時代の自分が。新しい価値観で生きる自分がそことどう向き合っていくのかを確かめる、そういう内的な冒険の様相を呈している感がある。

デッキの床の錆を落とす作業

海鳥たちがよく船上に魚を落とすので鶏の餌になる。「海鳥たちは俺たちを餌付けしているのか」とロニー。

ディンギーを引き上げて船底を掃除、藻や小石がたくさん張り付いた船底を綺麗にするとスピードが一気に上がるという。

ロニーのパンもカレーも申し分ない美味しさ

「Bowline(もやい結び)」の練習をした。