HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

パイプ破壊(Dakar)

ディンギー(小舟)の運転を習い始めた。これができるようになれば人の送り迎えにわざわざロニーが出向かなくても済むようになるのでお役立ち度アップ。操作は意外とシンプル、とにかく最初は落ち着いて、ゆっくり、慌てない。「Nice and slow」である。とはいえロニーは注意する時の口調が強いのでそっちにビビって落ち着けない。口調の方を「Nice and slow」にしていただけないだろうか。

アクセルの操作をミリ単位で行わないとすぐにスピードオーバーしてしまう。波が強めの時にあまりスピードを出すと乗客に水がかかってしまう。ロニーは上陸前に濡れたくない人なので気をつけてゆっくり移動。ナイスアンドスロー。それから他の錨を下ろして停泊しているボート近くを通る際、錨と繋がっている鎖や縄にディンギーのプロペラが引っかかってしまわないように距離をとらなければならない。金銭的に余裕がないこともあってかロニーはめちゃくちゃ神経質でうっかり近くを通ると彼の怒号が響く。難しいのは停泊する時。減速が遅すぎて桟橋に勢いよく船体をぶつけてしまった。やっぱり怒られる。「I'm always too fast(常に速すぎる)」というマントラを唱えるくらいで良いという。とりあえず初めてなのでわからないことだらけなのだが、この男には叫ぶのをやめていただきたい。それと自分は必ず一度では覚えられないので同じ失敗も寛大に見てほしいと思ったがそれは難しそうだ。

排水パイプの補強作業を任された。ゴムチューブを巻き付けるというフリースタイルなのだけど、以前にもゴムチューブを巻きつけた形跡があり、改めてこの船の設備の古さを感じさせられる。

力強く巻きつけなければならないのでググーっとゴムを引っ張っていたら突然パイプが凹んだ。中の真っ黒な汚水がドロドロ流れ出てきて壁や床に落ちていった。ヘドロ臭がすごい。トイレの排水ってこうなっていくのねと妙に学習する。とにかくやっちまった。すぐに船長を大声で呼んだ。

ロニーは一言「マジかよ」という感じで漏らしていたけど速やかに対応に当たった。もう慣れっこという雰囲気だった。「これが停泊している間の出来事で良かった、海上だったら冗談じゃすまないぜ」と前向きだった。この男がこの船を手に入れたのは5年前。造船は100年前だから、手にいれた時から既に古くずっと格闘してきたのだろうなと。「I broke everything(全部壊したことあるぜ)」という言葉はガチだと思う。

とりあえず応急処置を済ませて明日以降に修復することに。出発までにやらなければならない仕事が増えてしまった。

船の前方にある鐘を景気よく鳴らして近くを通った知り合いの船に挨拶したりする。

ロニーが製作したガーデンで母鶏は今日も卵を温める。

買い物の際に通りがかった大工場。環境汚染の進行速度って圧倒的なんだろうなあと連想する。

ポンプの補強をレクチャーするキャプテン

ポンプの補強に取り掛かる見習い船員

ここが最終的に破損した箇所。既にずいぶん老朽化していた。

下から上に順々に巻いていって例の場所に差し掛かり

壊れた。

壊れたパイプ。

とりあえず今日のところはこぼれたヘドロを拭き取るところまで。

魚を下処理して

焼き魚とピラフをロニーが作ってくれた。