HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

買い物上手な海賊(Dakar)

朝から二人で食材に買い出しに出かけた。ここでの食費は全てロニーが持ってくれている。ただ、やっぱり初日にめちゃくちゃ厳しく詰められたのでやっぱり油断はできない。言われたわけではないけれど「その分働けよ」という圧を感じる。

ロニーは7ヶ国語を操れる38歳のスイス人でフランス語もお手のもの。セネガルの地元の人たちに「サラームアレイクム!」と景気良く挨拶してどんどん仲良くなっていく。内気な自分からするととても真似できそうにない運動量である。さすがは世界をインスパイアせんと目論む海賊である。野菜のショッピングでは値段を尋ねてとりあえず「高いぜ」とふっかけたり「おまけにもう一個」とコミカルに訴えて笑いを誘う。結局店の人から名前を覚えられていた。彼を見ているとエネルギッシュな人間って元気を与えていくもんだなあと実感する。

船で不要になったバッテリーを地元の男性に渡しお礼に魚をもらったりもしていた。細かいやり取りから他人と繋がっていくと助けをもらえるのだなと学ぶ。心を開いたコミュニケーションによって道を開くケースが、アフリカでは日本よりも圧倒的に多いように感じる。

ロニーは「アグルルルAgrrr」というライオンの真似をよくする。挨拶がわりにライオンの鳴き声。彼にとってそれは自由の象徴。社会の抑圧から脱して自分の意志で生きていくシンボルであり、よく子供たちに向かって吠えている。変わった人間の登場に印象付けられた子供も少なくなさそうである。

夕方からはモルやその友達が船に遊びにきて夕食を共にした。その中のカルメンという女性がロニーは大変お気に入りのようでぼくに対して「見ろよあの美女」と嬉しそう。船のことにとても興味を持っていろいろ尋ねてきてくれるのが嬉しいらしく、そのスタンスはアフリカの人々の黙ってついてくるだけの奴隷っぽさとは全く異なる自由に溢れていてそこも気に入っているという。カーボベルデへの航海にも無料で招待したいと言っていた。我輩は三週間働きまくってやっとトントンだ。羨ましい。

朝に小舟で出かけると色づく空に浮かぶベオママを拝める。

不要になったバッテリーを回収し、魚を譲ってくれたおじさま。

市場の様子

動画も置いておきます

キャプテン・ロニーを気に入って名前を覚えた八百屋の女性。

魚市場、写真撮影は一部の漁師たちから好まれていないようで、コソコソとしか撮れない。

先ほどのおじさまから魚をいただく。

ベオママに戻る。

テントを張って寝泊まりさせていただいているサルーン(下階の広いスペース)の掃除

昼食のパスタ。

モルたちが遊びにきた。

かつて彼もここでしばらくお手伝いをしたことがあるそうだ。「マストの上に登ったよ」と懐かしそうだった。

モルの友人に撮影を頼まれる。奥にいる女性がカルメン

ロニーのタトゥーは彼のこれまでの冒険の象徴のようだけど彼の体一つで一生分はきっと足りないだろう。そして何故にそんなビッグなGが描かれているのだろう。

まあ語るのが好きな男である。聴く方よりも圧倒的に語る方。とにかく語りたいから7ヶ国語もすぐにできるようになったのだろうなきっと。

鶏たちは卵を産んでいた。そのうち新しいクルーが誕生するのか。

夕食