HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

海賊によるちゃんとした授業(Dakar)

昨晩約束した通り、朝7時に起床し、コーヒーのためのお湯を沸かすことから始まった。船長ロニーが起床してくるのは7時過ぎだった。

昨日の話でとりあえずは一週間、このベオママに泊まり込みながら働いてみるということになった。カーボベルデへの出発は4/6。約3週間。長い期間に感じられたけれど、頑張ってみようと思った。

昨日の詰問だらけのやりとりからロニーはただの凶暴な輩かと思っていたら全然そんなことはなく、機嫌よく自分の見た夢の話や昨日の出来事とか自分の見たインスタグラムの話をしてくる。しかし相変わらずスピードゴリゴリでトリッキーでおしゃれな表現が多いので自分は理解が追いつかず、概要までしか掴めない。楽しそうなので話の枝葉の部分に細かい質問を挟んで流れを止めさせるわけにもいかない。ましてや自分は今試されている期間なので彼の機嫌を余計に伺わなければならない。

「海賊のコーデック」なるものを強調された。曰く命令されなくてもどんどん主体的にチームのために動けるクルーになれと。自分はかつて勤めていた小さな事業所を思い出して「ああ、ベンチャー企業的なアレね」と整理をつけた、ついでに理想型は麦わらの一味みたいな感じだろうなとイメージした。しかし鈍臭い自分にはなかなかハードルが高いぞ、このコーデック。でもできるようになったらかっこいい。

まずは授業。船の各部位の名称を覚えることから。ロニーは自称海賊なのでヤンキーかと思いきやその逆でしっかり体系立てて分かりやすく教えてくれた(途中にちょいちょい入るトリッキーな表現はやっぱり難しかったけれど)。教えるのが好きなのだと思う。これは楽しかった。日本でも全然知らなかった知識を英語から教わるなんて面白い。

ベオママの造船は100年前になるそうで帆やエンジンや水道などのメカメカしい部位が壊れていて交換する必要があり、このダカールで色々と整備をしなければならないらしい。立派な船に見えてその中身はもうボロボロなのだ。確かに、各所にロニーが一人奮闘したであろう修理の形跡が見られる。

今のロニーにはベオママの準備が十分に完了させるだけの費用はない。だからカーボベルデまでのツアーを企画しているという。一人1850ユーロ≒277,500円のチケットを13人分集め資金を調達すという。わあすごい。普段の私からすると途方もないゴールにしか見えない。これからの三週間でお客さんは集まるのだろうか、そのために自分も頑張らなければならないとしたら気が重い。営業とか広報とか頑張るんかな。やだな。金が絶対的に必要な世界は難しい。いつもの引き寄せパワーでなんとかならないだろうか。ひたすらお祈りだ。

船上で迎える早朝の景色は美しかった。

ダカールの様子。コンクリートジャングルである。

ロニーはぼくのインスタからいつも写真につけている「ひろまる」ロゴまーくを気に入ったらしく、彼の作ったマークも見せてくれた。少年時代に創ったものを今も使っているらしい、船内のあらゆるところにこのマークが描かれていて、彼の情緒の豊かさを垣間見た気がした。

鶏小屋は彼が自分で溶接して作ったという。このペイントも彼の作品。

朝日

ロニーの授業

ノートとペンを渡されて彼の板書を書き写した。こんな授業みたいなことを旅先でやることになるとは。笑

船の各部屋の名称。

続いて帆の名称。専門用語でこの船は「トップセイルスクーナー150フィート(47m)」という分類のものらしいです。長さは船首から船尾までの長さが47メートルあるということ。

帆の詳細な名称

この船における電力供給の仕組み。

昨晩作ってくれたピザを頬張るロニー

小さなダイスを振ってダブルシックスが出るまで振り続ける彼のゲン担ぎがある。

鶏がいつも船内に侵入しようとしてくるが船長は拒否する。

船全体を撮影。

このディンギーという小舟に乗って陸地まで出かける。

ブリッジというエンジンの制御ができる船尾にある部屋。

本日のタスクをリストアップする黒板。

エンジンルーム

近日にダカールの友達を招いてパーティをするので甲板に日除けを張った。ロニーは集客やドネーションを得るチャンスと意気込んでいた。

トイレとシャワーの壁に描かれた「Could you be love ?」色のチョイスといい、洒落ているなあ。