HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

帆船ベオママ(Dakar)

長らく滞在させていただいたモルのクリーニング屋「Mamou」から出立。お世話になりました🙏

パピーに動画を撮られながら走り去った。

セイリングクラブで待ち合わせした"海賊"ロニーは顔は険しい。彼は英語をバンバカ話す。しかし言い回しがトリッキーというか、自分のゆっくりの速度に合わせてくれない。なので断片的にしか理解できない。とりあえず彼曰く「お前をタダで乗せてやるわけにいかない」ということは分かった。

「これは自転車とは違うゲームだ。海に出たことのないお前を船に乗せることには大きなリスクが伴う」と言っていてそこには納得し、乗せてもらうことがなんだか悪い気がしてきた。経験のない自分が大西洋を横断する船に乗せてもらうということ自体浅はかな考えでその自分が恥ずかしくなって縮こまる。「お前は何を提供できるんだ」とひたすら問い詰められて答えられない沈黙時間が長かった。

確かに自分は浅はかだったろうが、何も知らないからとにかく話をしたかったというだけなのに、やたら強く速い口調で捲し立てられるこの感じはちょっと違うなと思った、普通に教えてくれれば良いのに。同席していた紹介者のモルはずっと黙っているだけだった。こんなに大らかな青年のブラザーなのだから良い人かと思いきや全然だった。「助けてくれ〜」と内心思っていたがそこは彼を責めることなどできようはずもない。

最終的にロニーは「とりあえず船に招いてやる。なぜならお前がプリティフェイスだからだ」という冗談でブリーフィングは締め括られた。いや、断られるのかと思ったがとりあえず船に連れて行ってくれるのね。

下手な態度は取れない気がして写真もろくに撮れない。

桟橋につけていた彼の小舟に荷物を全て乗せて奥の本船に向かった。というかアレ?荷物を乗せるということはもうこれ、泊まらせていただけるということですよね?

桟橋で見送ってくれるモル。俺とこの凶暴な男を二人きりしにしないでくれ〜。

小舟を運転するロニーは何かまた捲し立てている。小舟のエンジン音が大きくてあまり聞こえないがこの船で過ごすコストの話をしているらしい。なんだかよく分からなかったが「1日30ユーロかかる」と最後に言っていたのが聞き取れた。船に乗るならその分の働きをしろという釘刺しなのだろう。

船の名前はBUONA ONDA。ロニーはこの船に「BOMAMA(ベオママ)」という愛称をつけていた。

船に到着。いやもう色々とすごいなあと思うけれど、厳しいリスクや金の話の後なので何も汚してはいけないような気になってただ縮こまってしまう。とにかく金がかかるので何にもタッチしてはいけないというような。

ダカールからカーボベルデへ向かうプロジェクトのようなものが彼の中で立ち上がっているらしい。

船の上では鶏を飼っていたロニー曰く「生き物と一緒に生活することが精神衛生上よい」らしい。

ロニーはキッチンでピザを用意してくれていた。彼のおもてなしなのだがやっぱりあんな話の後だとどこまで油断して良いのか測りきれず手放しに喜べない。

それから船を一通り見せていただいた。

テントは階段を降りた広い部屋に下部に張らせていただいた。陸から離れた場所ではあるがそれでも蚊が船内に入ってくる。