HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

大皿を囲む文化(Dakar)

ダカールクリーニング屋に滞在しながら南アメリカに行くボートを運転する人が現れるのを待っている。ずっと暇でやることがないし、元々の性格が出不精なので街を見にいくのも「忙しそうだし暑そうだし嫌だな」と思って控える。テントの中で蚊を避けながらフランス語の単語集を眺めたりネットサーフしたり運動したり。毎日モルが家から持ってきてくれる奥さんの作った昼食をいただいて少しだけみんなと話をしてまた引きこもっていた。

セネガルはほとんどが米食。これまで食べてきたものはチェブジェン、チェブケチャ、ドモダ、スプカンジャ、あと他にもあるけど名前は忘れた。どれも米を使っている。使っている食材によって名前が異なるのだけど自分はまだ違いがよく分かっていない。

米の質は日本の米とはだいぶ違う。細長いタイ米ともまた違ってセネガルは小粒だ。炊き方も日本の土鍋とは違って鉄の鍋を使っていて、ふっくらとした出来栄えにはならない。自分は全然気にならずに美味しく食べているけど日本の米にこだわりがある人にとっては物足りなく感じるかもしれない。

野菜がいろいろ入っているのがありがたい。人参、大根、じゃがいも、長ネギ、長芋、ナス、キャベツ、カボチャ、あとわからない野菜がいくつか、そしてメインの白身魚。それらがまるごと一個そのまま入って柔らかくなるまで長時間煮込まれる。タマリンドという甘い梅干しのような木の実やかぼす汁が合う。見た目が緑や黄色の小さなピーマンのような唐辛子も入るのだけどこれは辛くて食べすぎるとお腹が緩くなるので自分はできるだけ避ける。

味は結構さっぱりしている。トマトベースだったり、ピーナッツのペーストが入っていたり、醤油っぽかったり、酢っぽかったり、チャーハンのようだったり、いろいろある。いずれにしても美味しい。

一つの大皿をみんなで囲んで食べる。伝統的な食べ方は手づかみなので都会でないところではそういう姿が見られる。大きな肉がある時なんかは誰かが小さく切って他の人のところに分けてあげたりする。

みんなで一つの皿を囲んで食べるとちょっとしたお祭り感が出てくる気がする。仲間と他人の区別が薄まって、人が出入りしやすくなる気がする。自分がセネガルに入った初日も知らない人たちが囲んでいるチェブジェンの輪に入れてもらった。みんなで食べるから良いんじゃないかという文化を感じる。アフリカらしいのか、セネガルらしいのか。いずれにせよ旅人としての自分はその文化に助けられることが多い。

従業員のアチール先日テントのチャック修理に貢献してくれたおじさん。名前はアリウAliou。アリウはいつも明るい。今日も明るい。

ドモダという料理。

チェブケチャという料理。これはチェブジェンとは違う魚が使われている。「ジェン」と「ケチャ」で違う魚のようだ。

ミントを裏庭に植える。