キャンプ場から追い出されてクリーニング屋のモルに拾われた昨晩。
テントのファスナーが壊れてしまってテント内に蚊が大量に侵入してくるのでテープで止めてなんとか凌いだ。
今日はこのチャックをまずなんとか直したい。
先日までボランティアに行っていたタリべの子供たちが通う施設には子供たちに裁縫を教えているおじさんがいた。だからその方面のプロがたくさん小さな店を構えていることは予想できた。そういう人に出会えるまで誰彼構わず壊れたテントのファスナーの写真を見せて質問すればいけると思った。
このクリーニング屋の近所はずいぶんと陽気なおじさんが住んでいた。クリーニング屋のすぐ前を歩くそのおじさんに質問をすると、そのおじさんの親戚だか、家族だかがこれを直すことができる、とのことだった。おじさんの案内で彼の職場があるダカールで一番大きな「キャラバンマーケット」という市場に行くことに。市場はとても狭くて人がたくさんいて一人では立ち寄る気になれない。案内人がいてくれて本当によかった。
たどり着いた場所はこんな建物。大通りから入り込んだところにあった。
周囲の様子はこんな感じ。
ゴミだらけの狭い路地に入り込んだローカルすぎる立地に物置のようにしか見えない営業所の外観。こりゃもう、自分一人では絶対に辿り着けない。
中の様子。
おじさんの兄弟は確かに仕事をしていた。しかもファスナー専門なのか、たくさんの金具が置いてある。
いくつもの部品の中から合うスライダーを見つけるまでいくつか試した。なかなかちゃんと閉まらない。
そして最後に一つ、ちゃんと閉まるスライダーを発見した。何度開閉してもしっかり閉まる。テントのファスナー事件はこれにて一見落着。お値段は1000フラン=217円。ありがたい価格だった。
そして新しいスライダーはなんと偶然、YKK。
ファスナーが壊れ、なかなかちゃんと直せなくて本当に困った直後。日本ではなんとも思ったこともないこのロゴが今、燦然と輝いて見える。手を合わせて拝むような心地がした。
テントのファスナーは最初に壊れ始めた時からずっと気にしていたことだったのでこれがなんとかなったことは本当に嬉しい。ずっと体に張り付いていた地味な肩こりが治ったような。これでこれから毎晩発生する大量の蚊への対策もバッチリ。
連れ出してくれたおじさんはずっと陽気な良い人だった。普通に話しているとどんどんこちらに近づいてきて何度も体がぶつかってくる、パーソナルスペースの概念がないおじさんだった。修理に向かう道中「Mon ami!(マイフレンド)」と言って何度も握手して、デーツの実やカフェトゥーバもご馳走してくれた。
「セネガルのプレジデントだと紹介しておいてくれ」と頼まれて撮った一枚。ありがとうございました。
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行く途中で撮った写真
セネガルの女性のきているものはカラフルだ。
車の飾りを路上販売している人。
マーケットに入り始めたところ、人と物が多い。
今日修理してくれたおじさんの兄弟が住んでいる場所の近く。
このボトルはなんのために束ねておいてあるのだろう。
サッカー盤で遊ぶ青年たち。
おじさんが買ってくれたデーツ。
おじさんはおじさんで携帯電話のバッテリーを買う用事があった。必要なものを見つけることができたようである。
壁の落書きより。セネガルってこうやって描くとキャラクターみたいになるんだね。
クリーニング屋のモルが用意してくれた昼食。ヤッサ・セ・ボンと言う色々な野菜と肉が乗ったご飯、甘を抑えた酢豚のような味わいでとても美味しかった。
ファスナーが直ったおかげでどこでも快適ステイ。クリーニング屋のボロボロな裏側には蚊がたくさんいるけどそれも大丈夫。