HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

踊ってみよ(Terjit→Akjoujt اكجوجت)

モーリタニアの首都ヌアクショットに向けて148kmを移動。この日は後発のクリスタが181kmという距離を余裕でクリアし追いついてきてメンバーは4人になった。自称「自転車がパートナー」のこの女、只者じゃない。

町のスーパーで買い物がてらイヴァンが現地の人に寝場所を紹介してくれて近くの敷地を案内してもらい、そこで夜を明かすことができた。

ロッコの小さな町で13〜15歳くらいの子供3人組に自転車で追いかけられて物を盗られそうになった時から自分の中の現地人に対する不信感がずっと心の奥底にこびりついていて、それから特に何か悪いことをされたわけじゃないけれど基本、壁を作ってきた。もちろん助けてくれる人は全然違う次元。これは路上ですれ違う人のこと。

走っている最中、挨拶をされてもほとんどスルー。目を合わせるのも基本は避ける。そしてものを売りつけられそうになったり、小石を投げられたり、物をねだられたり、とにかく何かされそうになったらたらかさず心の中で警戒度をマックスに上げて一触即発、攻撃準備OKの状態だった。でもここまでの期間、一緒に旅する仲間たちの現地の人に対するフレンドリーさを見て、余裕を持てるようになり、見ている景色を意識的にズームアウトしぼーっと見るように心がけ、そういう攻撃的になる状態を脱するように意識した。

モーリタニアでも物乞いの人たちとか、お金を払わないとヒッチハイクしてやらないと言う人たちとか、小馬鹿にしてくる子供達とか、やたらと多いパスポート検問所の係官とか、小さなレベルでイラッとする存在はたくさんあるけど、そういう人たちのことが許せるようになってきた感じがした。この人達にも事情がある、という、普通に考えれば当たり前の感覚を持てるようになってきた。

今日、マーケットの前で仲間の買い物を待っている時に集まってきた子供たちをなんだか笑わせたくなってきて踊ってみた。拙い踊りだけど子供達は笑う、大人達も笑って動画を撮る、自分も体を動かすのが好きだと今まで次元の深さの理解を得る。踊りはサッカーにように共通言語的。何も話せなくても笑ってもらえる。人を笑わせる力はすごいんじゃないかと思う。

経済的後発国を見ているとパンを売り歩いている中学生くらいの子供や、列車に乗っていた炭鉱で働く14歳の青年や、小さな缶を持って物乞いをしている7歳くらいの子などたくさん働く子を見かける。みんなきっと家族の誰かにそう言われてやっているのだろうと思う。お金が絶対的に必要だから自分の外の物質を動かす、社会の運営に必要な活動、仕事と一般に認識される動きを強制され、そこに従う。

今の自分は社会の運営に直接的に寄与していない。お金の入りは安定していないけれどその分動こうと思えば好きなだけ自由に動ける。自分の外側の物質世界がどうなろうが別に知ったこっちゃなく、自分の底から放つことのできることを放とうとしているだけ。この姿を、世に現していたいと思った。

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朝の出発

朝のマーケット

途中通った川

何やらスイカのようなものを売っている場所を発見して購入してみる。ひと玉50ウギア=200円

味はきゅうりとスイカの間。。という感じの奇妙な物だった。

道端にはそのスイカと思しきものが勝手に育っていた。

販売していたおじさんが焚き火で沸かしたお茶をも振る舞ってくれた。

豪傑クリスタ到着の瞬間。

イヴァンはなんと股関節が固すぎて胡座をかくことができない

町中のスーパーマーケットにて。フェデリコはここで自分の夕食の調理を始めた

今日の泊まり場所