HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

ひとり(Boujdour بوجدور→ Fishing Village L'Bir قرية الصيادين البير)

ガススタンドに滞在させていただいた一週間が明けて移動再開。更に海沿いの道を南に進む。ほぼ何もない道を150km近く走った。

警察に止められてパスポートチェックが入る。迂闊に警察官の前で写真を撮るのはお咎めがありそうなの控えているけれど、こっそり詰所の壁を撮った。とてもこじんまりとした建物の中で仕事をしている。

遠目だから分かりにくいけれど、今日の大西洋は波が強そう。

途中、ヒッチハイク中のフランス人の青年を見かけて、少しだけ話をして更に進んだ。西サハラに入ってからは旅行者が気軽にアクセスできる道路はこの道一本になるので他の旅行者と出会いやすくなる。

しばらくして、後ろからキャンパーバンが追いついてきた。先ほどのフランス人の青年が助手席に乗っているのでヒッチハイクが成功したのだと理解した。

運転手はイタリアからの男性旅行者だった。フランス人の若者が何か欲しいものはある?と尋ねてくれたので正直に「パンはありますか?」と尋ねるとイタリア人の男性は親切にパンとバナナを差し出してくれた。とても親切な雰囲気が漂っている素敵な人だった。

それからはずっとひたすら漕いでいく。気温は思っていたよりも暑くはない。空気が乾燥しているので汗は乾きやすくてそこまで不快ではない。

100km以上走行。

トンボがたくさん飛んでいた。

辿り着いたカフェの敷地でテントを張らせていただけることになり、ネットも電源もないので店の席に座ってのんびりした。

すると、別の席に座っていた地元のおじさんが何も言わずに近づいてきて、自分の注文したお茶を分けてくれた。

先週一週間はまるまるたくさんの人懐こい人々に囲まれてご馳走してもらったり仲良くしてもらったりしていたので、その分今日は余計に静かに感じられた日だったけれど、こうして何も言葉を交わしたわけでもないのに無言でお茶を分けてくれる人がいるあたりモロッコのウェルカム精神は濃いと感じる。

昨日は優しくしてくれる人との出会いが自分の旅では最も印象的なことであるということを綴ったけれど、それでいながら、というか、だからこそ、一人でいることの心地よさや大切さもまた深く実感している。星空を見ながら深呼吸をしていた。

野宿中、テントは野良猫からの小便を複数箇所浴びていた。テント生活故に時々こうして実害を被るぼくはやっぱり猫を手放しに好きにはなれない。笑