HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

2年に1度の赤い砂嵐(Boujdour بوجدور)

今日も引き続き作業のために滞在させていただいた。途中ふといい考えが思い浮かぶ。

ぼくは高校球児だった頃に憧れていた人から能力のない人間だという烙印を押され、実際に何も結果が出なかったあたりからずっと自分で自分を能力のない人間だという自己認識が強かった。以来、色々な頑張りどころで「自分にはできないのだろう」という諦めムードと共に生きてきた。こうしてものを書いて表現することもまた然り。

でも今日、ふと、この自分の中の無力感は頭でこね上げている虚像でしかなく、そんなこと関係なく自分の感覚に集中すれば良いじゃないかと思った。

能力の有無や成否の概念は社会や他者、物理法則とか数字という、自分の感覚ではない、実はとても闇雲な根拠で構成されている。それらはどこまで行っても自分の感覚そのものではなく、無視して手放してしまう自由と権限はいつも自分にある。

誰になんと言われようと、過去の経験や実績がなんであろうと、全て今この瞬間感じることとは無関係とすることもできる。ならばいつも、ただ感じること(今)に集中。それはとても美しいことだと思い、自分はそういう生き方を選んでいたいと思った。案外、実は自分には能力があったのだと気付くこともあるかもしれない。

書くことに対するコンプレックスやブレーキもずっと大きかったがこうしてじっくり取り組むことで浮かんでくるそれらネガ感覚を確認して手放しにかかるのが面白い。少しずつ自由になっていくと思う。

・・・

朝、アブドがお茶を淹れてくれる。とにかく何度も入れ直し入れ直し「カシュクシャKachkcha」と呼ばれる泡を作る。10分くらい時間をかけていた。

もう見た目はビールである。アブドに尋ねるとこの泡の目的は温度低下を抑えることと、砂漠の砂や小さな虫がお茶の中に侵入するの阻止することだという。

朝食。

ガススタンドの全貌。

釣り禁止の看板があるがたくさんの地元の人が釣りをしている。

モハメッドと交代の時間、アブド夜勤お疲れ様。

この日衝撃だったのは砂嵐。まだ16時(日の入り19時)なのにこんな景色に。

真っ赤に染まっていって夕焼けのように。というかもっと異質な、全体がオレンジ色に染まる。

とんでもなく砂に覆われた。

ハサン曰く、この現象は2年ぶりだという。なかなかすごいタイミングにぼくはサハラに訪れたようだ。

動画も録った。

今日もまたハサンがおやつを買ってきてくれた。

アブドに変わって夜勤に入るヤンキー風のモハメッドが夕食のガミラを作ってくれた。