HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

テントのすぐ横で眠る男(Akhfennir أخفنير→Tarfaya طرفاية)

いつも出発前にグーグルマップで夜に作業ができそうな5~60km先のカフェやレストランやガソリンスタンドに目星をつけてそこに向かうのだけど、このあたりは道路上にぽつんと建っているような建物の中にWi-Fiがない。結局100kmくらい走って大きな町まで行かないと作業ができる環境にありつけない、という流れが続いている。今日もまた然り。

今日たどり着いたガススタンドのカフェは快適に作業ができる場所だった。カフェの人に尋ねても寝場所はノーアイデアだったのでガソリンスタンドのスタッフさんに相談して、ガススタンドのすぐ横の空きスペースにテントを張らせていただくことになった。

テレビではサッカーモロッコ代表の凱旋パレードの中継が行われていた。首都のラバトで選手たちがモロッコ国王と謁見しているようであった。

今回のW杯でのモロッコ代表は世界ベスト4の快進撃を魅せた。ぼくはその最中このモロッコを旅し、その中でモロッコ人が熱狂的なサッカーファンであることを実感した。

広野や村の路地裏でサッカーに熱中する子どもたち、ずっとサッカー中継を見ているカフェの男たち。仲良くなった友達もいつもサッカー中継を見にカフェに通い詰めていた。これだけサッカーがホットなモロッコにおいて代表チームの彼らは間違いなくヒーローだろう。彼らもまたあの子供たちのようにサッカーをしていたのかもしれない。

夜にホブズ(パン)を売っていないかとカフェの人に尋ねると「待っていなさい」と合図され、スープとデーツとゆで卵のセットを運んできていただいた。ほとんど会話は交わさなかったけれど気遣ってくれて用意してくれた。嬉しいです。合掌です。

・・・

夜な夜なテントを張った時、近くに先客がいた。男3人に女1人。焚き火をしていた。彼らはぼくと目が合っても特に何も反応はなく、彼らの間で話をしていた。見た感じ悪意らしきものは感じられなかったので、ぼくは煙の匂いの届かない場所にテントをずらして横になった。

しばらくすると、彼らのうちの一人がぼくのテントのすぐ近くに段ボールを敷いて横になって眠り始めた。彼らもまた路上生活者だろうか。何かしてこないかと警戒していたけれど結局何事もなく朝を迎えた。

テントから出ると、彼らは昨晩と同じ場所で火を起こしてお茶を沸かしていた。女性はどこかに去り、男三人だ。彼らのうちの一人がぼくと目が合うと。お茶に誘ってくれた。

辿々しい英語やらフランス語やらで話を聞いたところ、三人組は一人がラバト、一人がマラケシュ、もう一人がこの村に住んでいて、皆漁師だという。彼らは友人同士で、これから漁に行くところらしい。

辿々しい英語で「足がたくさんある魚を釣る」と言っていて最初、魚から足がたくさん生えた異形の生物を想像したけれど、これまでに収集した知識と合わせてそれがタコだと推測できた。このあたりの海域ではタコの漁が盛んで、日本のスーパーにもモロッコ産と表記されたタコが並んでいると思う。

なぜ昨日彼らは野宿だったのかとこうして書きながらも疑問に思うことは出てくるけれど、ゆっくり話す前に彼らは行った。

朝に少しだけ作業をしていると。昨日差し入れをしてくれたおじさんが笑顔で挨拶してくれた。

そしてちょっとした朝食も用意してくれた。ありがとうございます😊

<道中の写真>

大西洋沿いの道、そしてそこに住んでいるのか、漁師さんの小屋か何かか、気になる小屋がちらほら。