HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

疾走150キロ(Tagant→Tantan طانطان)

今日は150kmを走った。モロッコに入って一番長い距離を走った。快走だった。

走っている途中と走った後の感想動画。

長い距離を走れたということはそれだけ環境が楽だったということでもある。この日の道は平坦だったし、風も少なかった。かけた労力としてはここ最近の約60kmの前進と同じくらいだと思うけれど、やっぱり疲れ方が異なる。「やったった感」とも言えるような爽やかさだった。

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今日、たどり着いたのは入り口のラクダのモニュメントが目立つタンタンTantan。

その町外れのガソリンスタンドに助けを求めた。

売店の店員のおじさんに翻訳文を見せると、外でお茶をしていたオーナーさんに伝える。そのオーナーさんは自分の所有している車の座席を提案してくれた。あまりよく考えずに大丈夫そうだと思ってそれを受け入れた。

それからはカフェで作業(Wi-Fiは先にチェックしていた)。今日はワールドカップ勝戦。みんなテレビ画面に釘付けだ。

天井に飾ってあるバルーンを見る限り、モロッコvsフランスの準決勝は大いに盛り上がったに違いない、このブログの写真には写ってないけれど壁に観戦会のポスターまで貼ってあった。

22時くらいに威勢の良い感じのお店の男性が「何か食べるか?」と尋ねてくれたので遠慮なくお願いをすると、お茶にホブズ、オムレット、そしてりんごとバナナまで持ってきて下さった。ありがたいです!

さあ、車で寝るか、と思ってカフェを出ると、ガススタンドのスタッフさんが車庫を開けてくれて、中に停めてあった従業員のバイクを表に出して、そこにテントを張らせてくれることになった。ありがとうございます!今日も安眠。

翌朝はまたカフェで少々作業。ホブズをもらおうとカフェのスタッフさんにお願いしたらそのまま2枚を差し出してくれた。ありがたいです。

昨日到着した時に最初に話をしたハサンHassanというスタッフと一緒に写真。昨日はあまり話さなかったけれど翻訳アプリで積極的にコミュニケーションをとってくれるニコニコフレンドリーな方だった。Facebookを交換してお別れ。ありがとうございました!

<150kmの道中の写真>

途中、みかんを買うために立ち止まった街で、全然知らない青年に頼まれてツーショット。笑

ちなみにこの時、八百屋のおじさんにみかんを3個、サービスしていただきました。ありがとうございました😊

もうすぐタンタンに到着する、というタイミングでトラクターの前に座っているおじさんが大声で「こっち来い」のジェスチャーと共に「テ!(お茶)」と呼びかけてきた。(おじさんの写真NGだったので撮っていません)

最初は「ごめんね」というジェスチャーだけ送って先を急ごうかと思ったのだけど、なんとなく気がかりで引き返してお茶をいただくことにした。

おじさんの名前はアブドアラAbd Alaさんといった。会話はお互いフランス語がちょっとだけできる。

地面の上に毛布を敷いて、もう一枚の毛布を膝掛けにして座っている。周囲に家らしきものは全くない。このトラクターの前で寝泊まりしているそうだ。完全に路上生活者だ。アブドアラさんは焚き火の残り火によって沸かしたお茶を入れてくれた。

近くには料理用の鍋も置いてあって、大きなペットボトルに生活用水も完備してあった。

アブドアラさんからお茶をいただいて、ホブズもいただいた。

うっすら遠くに建物があって、「そこが家なのだ」と教えてくれた。その建物も、荒野にぽつんと建っているだけの住めるかどうか心配になってしまう佇まいだった。

家族はいるのか、なぜここに寝泊まりしているのか、翻訳アプリを使ってまで質問してみるがはっきりとした答えはわからなかった。

そこであまりあれこれ尋ねるのは終わりにした。ただゆっくりお茶とホブズをいただいてそれに喜んだ。別れ際にメッセージカードを渡すとそれを笑顔で受け取ってくれた。写真はNGだった。

20分間くらいの短い時間だったけれど、彼の姿は印象に残っている。