HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

6週間2000kmの疾走(Merzouga مرزوكة→M'ssici إمسيسي)

目的地のメルズーガを終えたので旅は次のタームに入る感じがするので状況を再び確認します。

2022年10月19日にモロッコに入国したぼくは、2023年1月17日までにモロッコを出国しなければなりません。滞在期間の延長手続きというものができると思われますが、基本的に1万円くらいはするし、色々な場所を駆け回りたい気がする自分にはひとつの国に90日の滞在というだけでも長すぎる印象なのでわざわざ延長することもないと思っています。

従って、今日から43日(約6週間)で以下のルートを走り切る必要があります。

その距離、2076km。

2076÷43=48.3km

つまり1日48.3km、1日およそ50kmを走らなければ滞在超過になります。

ちなみにこの他のルートを考えることも可能ですが、モロッコアルジェリアの国交は現在断絶していて陸路は完全閉鎖、西サハラではこのルート以外だとモロッコ西サハラの紛争による武装警戒状態であるという情報を現地の人から掴んでいるので、それを信用すると旅行者にとって唯一確実安全な国境が上記地図のゴールポイントだということになります。もちろん情報は不確かですが、生存が最も重要な仕事なので、少しでもきな臭い場所は避けながら進む方針で運行します。

1日50km。もちろんこれは仮に毎日元気に走ることができると仮定した場合です。現実にはいろいろな悪いイベントが想定できます。パンク、自転車破損、物の紛失、現地の人とのトラブル、交通事故、体調不良、気分が悪い、雨、風、砂嵐、アップダウン、あるいは猛暑。反対に嬉しいイベントがあっても移動はできません。すごく面白い人や仲良しの友達と出会い、彼らの元で何泊も泊まりたくなることもあるかもしれません。1ヶ月半も毎日コンスタントに50kmなんてぼくにとっては過信です。

従って、最初の方は走れるだけ走る。50kmとは言わず100km目指すくらいの気持ちで走る。

理想的な1日の過ごし方は明るいうちは走り込み、暗くなったら眠れる場所を見つけ、その場でネットを取得して作業。これができれば1日50km以上走りつつ、日々の報告も可能であるとイメージしました。

日のあるうちに走って夜に書く。自分にしてはかなり忙しくなりますが、スポーツで勝つために厳しい練習に臨むような、そういう妙なワクワクを感じています。こういう時はぼくの中のスポ根成分が便利だなと思います。

今日は91km走りました。かなり疲れます。

道中の写真。

何もない道路

村が近くなると建物やデーツ(ナツメヤシ)の木を眺めながら走り抜きます。

ちなみにデーツ(ナツメヤシ)の実はこちら。イスラム教における最も重要な預言者ムハンマドもよく食べていたと言われています。クセのないシンプルな甘さが良いです。鉄分たっぷりだそうです。

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途中、水をいただくために立ち寄ったカフェにて。カフェの中はワールドカップのモロッコ戦で盛り上がっている中、外でのんびりお茶していたおじさまに誘っていただき、ご馳走になりました。「日本人です」「これからアフリカ巡ってきます」というくらいのレベルのことしか伝えられず彼らが自分達の言葉で話している中ゆっくり甘いお茶を啜りました。ご馳走様でした!

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そろそろ落ち着かなければ、というところでグーグルマップを開き、カフェやガソリンスタンドがあるポイントを確認します。今日も一つ村があってそこに落ち着くことができそうだという見通しを立てて走る。暗くなっても走る。

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ガソリンスタンド付属のカフェに到着。ガススタンドのスタッフさんやカフェのオーナーさんが集まってきて英語がギリギリ話せる常連さんが対応してくれた。アラビア語で「Marhaba=ウェルカム」と笑顔だった。

案内していただいたのはカフェのとなりの空き部屋。ネット環境はないけれど電源をいただけたのでオフラインで作業した。

自転車は別室の倉庫に入れていただいた。案内をしてくれたユセフYoussefさんという強面のオーナーさんが「ここなら安全だよ」と親指を立てて笑ってくれた。

ホブズ(パン)売っていないかな、と思って尋ねると譲ってくれた。ありがたいです😊

対応してくださったユセフYoussefさん(中央)とサイードSaid(右)さん。ありがとうございました!

自転車を入れていただいた倉庫

お世話になったカフェの建物