HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

砂漠のラクダツアー行ってきた(Merzane→Merzouga مرزوكة)

メルズーガ砂漠という美しい砂漠地帯でラクダツアー1時間を体験したので写真と動画をまず並べます。綺麗かったー!

動画は1分半程度にまとめました。

今日の移動の地図。メルズーガ砂漠は右下のオレンジ色の砂地です。この場所だけ異質なのがわかりやすい。

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メルズーガMerzougaは前々から複数の人から推されていた観光スポット。そもそも砂漠というものに行ったことのない自分としては興味深かった。

自分の足で砂漠に入ってしまうこともできそうだったけど、もちろん自転車も荷物もただ砂まみれになって全く進めないので、ラクダに乗らせていただくツアーを利用した。

ラクダツアーは旅行会社や宿泊施設が所有しているラクダに乗せてもらい、地元のガイドが付いて砂漠に入ることができる。砂漠の奥の方にある宿泊施設までラクダに乗って行って何泊かして戻ってくる、というディープなツアーもある。

自分は一番手頃な1時間ツアーにした。

利用させてもらったのはこの宿泊施設「Lahmada」。進みにくい砂漠の中を自転車で押し進む自分の元にターバンを巻いたバイクのおじさんが近づいてきて英語で案内してくれた。ここは旅行客がたくさん訪れるのである。

メルズーガの中にたくさんある宿泊施設の中、ここを選んだのは理由がある。数日前に偶然出会ったメルズーガで働く人、その人の同僚が日本のレストランで12年間も働いていたそうで、ぼくが日本人だと知るとメッセージを繋いでくれた。サレムSalemさんという人だった。プロフィール写真を拝借。

サレムさんと電話したところ、とても上手な日本語で丁寧に案内してくれた。生憎サレムさんの勤めている宿泊施設は砂漠の真っ只中にある、ラグジュアリーなタイプだったのでそこでお世話になることはできない。

そこでサレムさんは代わりに安い施設を教えてくれた。それがこの「Lahmada」だった。お礼を伝えるとサレムさんは「日本人の皆さんにはとてもお世話になったので」と言っていた。

が、しかし、ここでは嫌な体験をした。

出てきたオーナーさんと挨拶し、ツアーの料金を確認すると「サレムはなんと言っていた?」と尋ねてくる。何も聴いていなかったのでそう答えると500ディルハム=7000円と言ってきた。高すぎると直感した。おそらくふっかけてきている。「ちょっと待ってくれ」とオーナーに伝え考え込むとオーナーは何も言わずにどこかへ行ってしまった。あのサレムさんと明らかにテンションが違って冷たい。

一か八かホテルのWi-Fiをもらってサレムさんに電話、幸い彼は出てくれた。ラクダツアー1時間の値段はいくらくらいか尋ねると「300ディルハム=5200円で済む」とのことだった。

やっぱり。

200ディルハム=2800円は私にはでかいです。

500ディルハムを提示されていることをサレムさんに伝えて、サレムさんからオーナーさんに連絡してもらった。するとあっさり、300ディルハムになった。サレムさんには大変感謝である。しかしこの最初の500ディルハム。これ。こういうの。これは本当に辛かった。

嫌な体験はもうひとつある。

砂漠ツアーを終えた後。担当をしてくれたイディールIdirとのやりとり。

写真左がイディール

ラクダから降りて、お礼を伝えて行こうとするとイディールは「ぼくの仕事を見せてあげる」と言ってぼくを引き止めた。自分のバッグを持ってきて、中からアクセサリーやサハラ地域に飛来した貴重な隕石だという石を取り出して説明しながら見せてきた。

ぼくにはもうオチが見えていた。ただ話を聴いているだけのぼくに痺れを切らしたイディールは「ぼくを助けるためだと思って買って欲しい」と言ってきた。

「ぼくからできる助けはこのラクダツアーに支払ったよ」と伝えると「ノー、オーナーは給料を渡してくれないんだ」とちょっと荒唐無稽すぎる設定まで持ち出してきたので閉口してしまった。

その場で膠着しているとイディールの方からわりとさっぱり「行っていいよ」と言ったので立ち去った。「いや、お前が決定権を握っているわけじゃないからな」と突っ込まずにはいられなかった。

ホテルのオーナーが最初に吹っかけてきた500ディルハムにイディールの「買ってくれ」。

やはりここは観光地。旅行客から少しでも多くお金を稼ごうとする意識が溢れているように感じられてとても息苦しくなった。

旅を始めたころからずっと観光地が苦手なのだけど、それは人と人との関わりがお金を前提としているからだと思う。もちろんぼくがもっと一般の旅行客くらいお金を持っていたらこんなことも気にならないのかもしれない。実際、チップ感覚で多めに支払ったり、進められた品を買う人はたくさんいるのだろうし、それが彼らの生活を助けていたりもするのだろう。

でも、今の自分にはお金が全然ない。だからこの、お金を前提とした関わり方の世界は息苦しい。英語でコミュニケーションができる人も日本語をたくさん知っている人もたくさん居る。みんな笑顔でフレンドリー。メルズーガ砂漠は美しい。でもこの自分にはそれら全てがお金を前提としたものでしかない。しからば離れるしかない。

かくしてぼくはラクダツアーの後、早々に立ち去ることにした。

ぼくを乗せてくれたラクダのチェ・ゲバラ(イディール命名)、ありがとう。君は自分の生活をどう思っているの?

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地図で見つけたカフェを頼ることができそうだと思い、暗くなっていく道を走っていく。

たどり着いたカフェ。

ここのオーナーの若い男性はとても気さくで、相談をしたらすぐに店の前のスペースを使って良いと言ってくれた。イスマイルIsmailという青年だった。イスマイルは作業をしているぼくにコーヒーを差し入れしてくれた。そして「明日の朝は朝食を用意するから食べる前に行かないでくれよ」とまで言ってくれた。

これ、これこれこれ。こういう感じですよ私が体験したいことは。

翌朝の朝焼け。

オープンしたカフェで再び作業。

用意してくれた朝食。可愛らしく並んだタジン鍋型の小皿の中は

ハチミツとオリーブオイルとバター。それぞれ、パンにつけるものたち。それにクミンスパイスが美味しいオムレット。

お茶にはこちらの苦味が深まるハーブが付いていた。

嬉しや、嬉しや、良い人に会えると嫌な思い出が吹き飛びます。

旅の応援をしてくれたイスマイル、ありがとう!!