タジンに感動して結局出発したのは15時くらい。それから日が暮れるまでの3時間を脇目も振らずかなりのペースで疾走したら51km。ノルマ達成してしまった。
時間は少ししかないのでどんどん飛ばす。
途中通った村は子供がたくさんいて、まあ声をかけてくる走り寄ってくる、けれどもほとんどスルーして前に進んで行った。
・・・
流れ着いたガソリンスタンドのカフェのお兄さんは自転車を停めた瞬間から「ハウアーユー」ととても柔らかな物腰だった。相談をすると快く受け入れてくれた。
彼らの調理キッチンとお茶の葉と砂糖を使い放題にしてくれて、昨日いただいた手持ちのローズと一緒にお茶をたくさん作らせていただいた。
さらには夕食もご馳走してくださった。パスタとホブズを一緒に食べる。昨日みたいな手の込んだやつも好きだけど、これもまた幸せを感じる。。
今回助けてくれたジャメルJamalとバドルBadre。従兄弟同士でヒッピー感の心地よい二人だった。
英語が少し話せる彼らと少し話をする。印象に残っているのは彼らの1日の売り上げの入った箱だった。多く見積もっても200ディルハム(2800円)くらいしか入っていない。「一日働いてもこのくらいだよ」と言っていた。自分は世界的には裕福な日本国に親しい人や応援してくれている人がいて、その人たちからお金を助けてもらって旅をしている。それでも無期限の旅をするには現状ぎりぎりいっぱいだけど、現地の人々の暮らしのリアルを知れば知るほど自分は裕福だと実感するし、これからもっとその実感は深くなっていくだろうと思う。
・
野外でテント泊の予定だったけど、バドルが寝泊まりしている部屋の一角を使わせてもらえることになった。マットレスの上に寝袋を敷いてあったかく眠りました。
・・・
翌朝、遅めに起き出すぼくに彼らは朝食を用意してくれた。オムレットとホブズ。
メクネスで若者たちが歌ってくれたアマズィアの民謡、「アヒドゥスAhidus」の話になったら彼らもやってくれた。
どこに行っても歌と踊りは人を良い顔にする。どんな暮らしの上にも、歌声は響き渡る。
きっとぼくは、普通の旅行者と同じようにモロッコへ観光に訪れていたら、こんな人たちと話すことも歌う姿も見ることはなかったのだと思う。華やかな場所でのひとときよりもぼくはこういう瞬間を心の中に積み重ねていくことが好きだ。
良いバイブスの人たちと出会えて嬉しい。ありがとう。