HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

カスバ街道バラのご縁(Idelsane إدلسان→Kalaat M'Gouna قلعة امڭونة)

昨日からは1日50km以上を意識し始めて、どんどん走っていきます。旅らしい体験よりもただノルマの達成を第一に求めて、進む進む。

その中でセルフタイマーも週1、2回くらいのペースで頑張ってみようと思いつく。

場所を見つけてカメラや構図をゆっくり設定して、とまあ1時間くらいは時間がかかる。その間付近の住民に見られたりして気まずいが挨拶しておけば大丈夫。

にしてもこれまたすごい建物。様式には何か名称があるのかな。

撮ったらすぐ移動。ポツンとコーヒーショップ。

砂の壁の家のドアのカラーリングに目を引かれる。

バイクパッカーが向こうから走ってくるのが目に入った。

スイスからの自転車旅人。彼の名前はジュリアンJulienと言った。36歳。

半年前に旅立った彼は僕と同じく無期限旅の途中。これからモーリタニアセネガルと南下して行って、なんとセネガルからブラジルに渡っていくという。方法は南米に向かう誰かの船に乗せてもらう「ボートハイク」というヒッチハイク海上版。自分もやろうと思えばそうやって南米に渡ることもできるんだよな。夢はどこまでも広がっていくなあ。

ジュリアンもまたいろんな人にお世話になりながら寝泊まりをしているそうで、現地の人の家でタジンやクスクスをご馳走になったそうだ。自分はまだクスクスはご馳走になってないなあ。自分よりもずっと柔らかくフレンドリーな印象の彼はこれからも良い旅をしていくような雰囲気がある。インスピレーションを得ました。グッドラック。

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空の青色がいつもより印象的な美しさだった。

道路横の風景。

途中の町に。こういった使われているのかわからない遺跡のような土の建物はたくさんある。

バラの香水やらエッセンシャルオイルやらを売っているお店がちらほら見えてきた。

昨日通ったサハラ砂漠の入り口、ワルザザートOuarzazateからのこの道路は「カスバ街道」と言って、ここではダマスクローズというバラが名産だそうだ。カスバ街道沿いにはこのダマスクローズの製品がたくさん売られていて、とても安いという噂を耳にしたことがあったのでどんなもんだろうと、たくさん並ぶお店の中から一軒、見に行ってみることに。

店員さんがこれまた明るく非常に親切で「飲んでいきなよ」お茶とおやつをご馳走してくださることに、椅子とテーブルを用意してくださって一休みです。中央の男性はマダニMadaniさん、右の女性はサイダSaidaさん。英語が結構話せる。

乾燥されて小さくなったダマスクローズ、色々な製品の材料となる。

ロッコではよく見かけるデーツ(ナツメヤシ)の実。甘いしちゃんとお腹も膨れる優れもの。ぼくの乾燥としては味が何気に餡子に似ている気がする。お茶にはサフランが入っていて健康に良いそうです。

出発前にお二人がお餞別を差し出してくださった。

余ったお茶菓子を丸ごととホブズとオリーブオイル、お茶用のバラを差し入れにいただいた。貴重な食糧、ありがとうございました!

ちなみに当初の目的だった製品の値段は聞き忘れた。。

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今日はモロッコがW杯でグループリーグを首位で通過したそうで、町はもうパレードの様相。人混みの中を恐々ゆっくり通り抜けていった。

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さあ、今日も良い寝場所に辿り着くぞ。

こちらのカフェレストランの方に相談したら快く受け入れていただいた。

案内してくれた青年にひたすらお礼を伝えると「ドントウォーリー、ウィーアーモロッカン=心配するな、俺たちはモロッコ人だ」と爽やかに返してくれた。

最初は外でテント泊の予定だったけれど、お店の方の計らいで隣の空き部屋、それこそバラ製品のお店だった場所を使わせていただいた。わざわざ鍵も渡していただいた。ネットと電源もこの部屋からカフェのものを使うことができてありがたかった。

室内なので文句なしに温かい。ありがとうございました。

夜にはバラのお店の店員さんたちが心配してくれてメッセージを返しておいた。バラに良い思いをさせていただいた1日だったなあ。