HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

山間のホテルの方に助けていただく(Tizi N'Tichka تيزي نتيشكا→Tikaabine تيكعبين)

寝袋の収納袋が破れていて、このままではどんどん裂けていってしまう一方だった。以前から何度か糸のみで修繕はしていたのだけど、寝袋を収納する度に破けてしまう。そこで今回は、もう使わない服を切って当て布とし、縫い付けた。

この作業に思ったよりも随分時間がかかった。収納袋の裏か表、どちらの面につけるのが良いのかしばらく考え込んだり、再び壊れれないようなやり方がないか注意深く考えたり、ちゃんと服の切れ端を収納服の生地を余らせることなくピッタリくっつけて縫うのに神経を使った。そもそもぼくは裁縫スキルなんて皆無、そもそもぼくはなんでもかんでも不器用。単純な縫い方でもとても遅かった。

修繕作業をしながらお鍋に火をかけ久々自炊をしたりする。米にパスタにレンズ豆にバーベキューソースをかけるだけ。相変わらず夢がないけど、恐ろしいことに当の本人はこれで美味いと感じながら食べているのである。

結局、修繕作業は午前10時から始まり、出発準備が整ったのは午後3時だった。ご、5時間!

自分の手でなんでもかんでも直すというのは節約のメリットよりも時間のロスのデメリットの方が大きいかもしれない。その時間を使ってお金を稼げる何かをやって新しいものでも買う方が効率的で早いのかもしれない。それでも、自分はこうやっていくんだと心の深いところで納得している。

その理由は、お金を節約できるというのもあるし、環境負荷を無くすとか、古き良き時代への回帰とか、物には神様が宿っているから大切にとか、そういうこともまあ賛同できるし、ちゃんと素晴らしいと思っているんだけど、どれも自分のど真ん中からはちょっとずれている感はある。

本当のところ、そういうわかりやすいメリットを全部超えて、ただ「こうなんだ」と思っているから。それだけだと思う。そういったことをわかりやすく他人に伝える時に「まあ趣味なんですよ」と表現したりもする。

今日もアトラス山脈中に整備されたアップダウン多めの国道を辿っていきます。嫌いじゃないよ。ただ、今日は下り坂多めだったので夕方までの短い時間でもそれなりに進めました。

景色の写真をばーっと、いきます。

夕方になってお鍋を昨晩の泊まり先に忘れていたことに気が付く。取りに行こうかどうか、判断が難しい。とりあえず今日はこの辺りで眠る。

村の人たちはフレンドリーだった。客びきの為に声をかけてきたカフェのおじさんに寝場所の相談をすれと「ぼくの店の前でも良いよ」と言ってくれた。

とりあえずWi-Fiを求めてそのおじさんのカフェのすぐ近くにあったファンシーな感じのホステル兼カフェに。ここで作業をした後におじさんのカフェの前でキャンプしよう。

お店の人はとても旅行者慣れしていて英語も結構話せる。パソコンで作業をしたいぼくに合った室内の席を案内してくれてジュースひとつしか頼まないぼくにも「ゆっくりしていって」とウェルカムしてくれた。

カフェが閉まるまで作業を続けた。家族経営の宿泊所なのだろう、店の奥からは子供やお母さんたちの温かい温度感の笑い声が聞こえてくる。

「そろそろ閉店するよ」と声をかけてきたオーナーさんは寝る場所の心配もしてくれた。「近くのカフェの前にテント張ります」と答えたぼくに彼らの方から「うちの駐車場を使って良いよ」と言ってくれた。

街頭のない真っ暗闇の中ヘッドランプを点けてテントの準備しているとオーナーさんが歩み寄ってきて「ここでのキャンプは警察から取り締まられることが分かった」と伝えてくれた。

そしてオーナーさんは「今晩はうちの敷地の中でキャンプしていくと良い」と申し出てくれた。結局、めちゃくちゃ素敵な場所で安眠させていただけることに。。

宿泊所備え付けの綺麗な温水シャワーやトイレも使わせていただいた。久々に服の洗濯もすることができた。いや、こんな突然、夜遅くまで滞在していた客に料金も求めず柔軟に丁寧対応していただけて、ありがたさを通り越して申し訳ない気持ちが湧いてきた。

ちなみに最低気温は一桁になる。

こうやって冷え込むのが山間部、ちゃんとあったかくして眠るように心がける。

宿の方のご厚意によって安全に眠ることができたので、お礼としてお金を落とすべく、いつもは注文しない朝食を頼んだ。本当にささやかなお礼だけど。

ベルベルサラダ(25ディルハム=350円)とオレンジジュース(15ディルハム=150円)を注文。

ベルベルオムレットに続きベルベルシリーズ二つ目、「ベルベル」の特徴はトマトとちょっとだけ辛味があることかな。あとは、オリーブの実と、黒いオリーブの実をすりつぶしたもの、玉ねぎにピーマン、パプリカ、そこにビネガーがかかった美味しいサラダだった。サラダの写真を撮っていたらオーナーさんはサービスでヤギのチーズを乗せてくれた。貴重なエナジー源、ありがとうございます!

食べている間寄ってきた猫を見て「どうせ餌目的だろ」と斜に構えていたら割と戯れてきたので遊んだ。こんなに顔を触らせてくれるやつは珍しい。

その他、ホテルレストランの写真。

お世話になったスタッフの皆様。ありがとうございました!最後まで丁寧に接してくれる素敵な方々だった。