HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

鍵はこのガラクタだった(Talbanine تلبانين→Douar Egmire)

気合、根性、という我が初期装備。それを10年間くらいの間、私はただのガラクタでしかないと思い続けていました。ここで「気合い、根性」と呼んでいるものは、才能や能力に恵まれていなくても泥臭く頑張ることとか、大声を出して心のエネルギーを補充することとか、熱苦しさとか、熱血とか、スポ根とか。広く言うと、愛嬌とか、人柄とか、応援されやすさとかも入ります。そういう数字には出ないチャームポイントになりうるものの総称のことです。

10年前というのはつまり、僕が学生時代を終えた時です。その前、つまり、学生時代。特に高校、大学の頃は気合いでなんでも乗り越えようとしていました。一番大きかったのは部活動の野球です。ぼくは小学校4年時から合計10年間野球を続けたのですが、その時が一番、気合いで全てに打ち勝とうとしていました。元々ぼくは運動神経とか器用さというものが他人よりも圧倒的に欠落していて、おまけに性格的にも勝負事にめっぽう弱い。能力や技術の面で圧倒的に劣っていたのです。それでも「努力は才能を凌駕する」という昔の少年漫画的信仰のようなものを頼りに継続してきました。

結果は惨敗でした。高校野球で試合に出たことはなかったし、大学で準硬式野球という硬式野球よりもちょっと遊び寄りの世界でもほとんど活躍することはなかった。全てに対してひたすら上昇志向で臨んだぼくの視野は狭窄していて、周囲との関係もうまく構築できず、なんとなくフェードアウトしていく感じで野球の世界から身を引きました。

野球以外の諸々、例えば学外のボランティア活動だとか、就職活動(2留を含んだ3年間内定なし)だとかでも、同じような形の失敗を繰り返し、自分はこの気合いというものが人生において全く役に立たないものであると結論づけました。出会う人の中には「そういう部分が素晴らしい」的なことを伝えてくれる人も確かにいたけれど、自分が最も欲しかった結果が得られなかった事実がある以上、その好意的解釈を受け入れることはできなかった。「そんなの気持ち悪い」的なテンションの人の反応にばかり目をつけ、時代もまた暑苦しいものを嫌う傾向にあると受け取る、つまりは自分で自分の中のこの「気合、根性」に「役に立たない」というレッテルを貼り付けて封印しました。

で、それが、ここ最近、「気合がぼくの人生の原点であり、鍵である」と、直感的に浮かんできたのでした。ただのガラクタだと思っていた我がアイデンティティが実は最強の武器だった。「君が生まれ持ったものは宝物。君が生まれてから集めたものも宝物。そのまま全てを丸ごと持って行ったら良いよ。」と、何か大きな存在から言われた心地がしました。これは自分にとってとてつもなく大きいことでした。他人の人生でも映画でも小説でも、ほとんど泣いたりしないぼくが泣いたので、とても重要なことなのだと受け取りました。

このことを受け入れることができるようになったのは、気合いから遠ざかっていた10年間で学び知ったことを踏まえたからこそです。その中身もちゃんと書き起こしたいと思うのですが尺がとんでもないことになるのでうまく編集してから著したいです。

とにかく、自分の中に広がる世界観全て、もはやあの頃と今では違う惑星とか違う時代とか言っても良いくらい何もかも変わってしまいました。当時のぼくを知る人が今のぼくを見るともう、なんか分からんけどヤバくなっちゃってなんと声をかけたら良いかわからずサーっと引いていく「触らぬ神に祟りなし」的な反応しかできないんじゃないかと思います(今も繋がっている少数精鋭の「強者達」には救われています)。もちろんそれは全然構いません。ただ、こうして自分の直感が指し示すままに目の前に広がる世界を泳いでいくことが気持ちよくて仕方がない。

そんなことがあり、最近自転車付きのセルフィーを撮っていなかったこともあり、気合のセルフタイマーと、気合の象徴、声出しを撮ってアップロードするに至ります。

『絶対くたばらない宣言』。気合いの声出しを久々にやりました。

不特定多数向けに公開するものはエチケットを考えてマイルドな言葉遣いになってしまいますが、本当に旅の最中リアルに使う言葉はバリバリの放送禁止用語です。「死ねェ!」とか「ぶっ殺す!」を中心に破壊系のスラングガンガンです。とても良い感じに身体に力が入っていきます。

<今日の写真>

テントを張らせていただいたカフェで朝食。

奥からホブズ、ハチミツ、オリーブオイル、オリーブの実、そして真ん中にお茶です。

ホブズは焼きたて。焼きたてと冷めている時とで美味しさが天地の差。それがパンというものです。

ハチミツもエネルギー出ますね。ありがたいです。

カフェのスタッフさんから「これからどこに行くんだ?」と問われて目的地を答えると近くで聞いていた人がその目的地に住んでいるという。宿を経営しているようなのでもしかしたらお世話になるかもしれない。旅行者との付き合いが多い人で日本人については「とても礼儀正しく、ゴミを散らかさない、素晴らしい人たちだ」とのことでした。旅行者は現地の人からよく見られている。

アトラス山脈をメインロードに沿って登っていきます。下りは合間に少々。

今日はワールドカップロッコ戦。パブリックビューイングの盛り上がりは尋常じゃなくなります。日本はコスタリカに負けました。

ロッコは買ったようで通りがかった村では車やバイクに乗った人がクラクションを鳴らしまくってパレードの様相でした。モロッコにおけるサッカー選手はヒーローその者だと感じます。

山間の暮らしを眺めながら少しずつ進みます。

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今日はこちらのカフェの方に宿泊の相談をして、

お店の奥の方にあった小部屋へ案内していただき

こんな感じのソファを使わせていだたきました。

Wi-Fiを貸していただいて作業している間、お茶をサービスしていただきました。ジンジャーが入っていて身体が温まりましたスタッフのおじさんがにこやかでとても良い雰囲気だったのが印象的です。

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翌朝に用意していただいたお茶、普通のお茶に加えてハーブが好きに加えられるアレンジ付き。ローズマリーと、この手前の葉っぱはなんだっけ?

全入れ

こんな景色を見ながら用意していただいたホブズとハチミツが朝食。

近くで鶏が絶叫します。笑

ちゃんと景色を見るとこう

座席と景色が見える感じはこう

お茶に追加で入れたハーブ、ローズマリーは自家製でした。

カフェのオーナーさんのモハメッドさんは言葉が通じないながらもジェスチャーで色々伝えてくれてとても癒される思いがしました。英語がとても上手な従業員のナジュアさんには名前の由来を教えてもらったりぼくの旅のことをみんなに翻訳して伝えてくれたり、助かりました。ムスリム圏で女性の方がフレンドリーに接してくれるのは結構珍しい印象です。大変お世話になりました😊

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作業だとかゆっくり自撮りとかしつつ上り坂をひたすらプッシュしていたからちょっとしか進んでいないのです。笑