HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

やっぱアマズィア違う。。(Marrakesh مراكش→Talbanine تلبانين)

自分は国際的な話題になるとよく出てくる「○○人は優しい」とか「△△人はケチくさい」とかいう国籍で人を括る話は基本的に個人の感想を域を出ることは絶対にないと思っていて、自分が語ることを求められた際にはその大きすぎる主語を語るに足る経験は持ち合わせていない思うので基本コメントしない。どの国にもどの民族にも良いやつも悪いやつもいる。それだけのことだと思う。

なんだけど、今日は正直、それを強く感じてしまった。モロッコ国内でも親切さに定評のあるアマズィア、所謂ベルベル人である。これまでもメクネスで出会ったユスフやぼくを泊まらせてくれたアブドにワリッド等、彼らの人柄の良さは実感していた。

この日、ぼくはアトラス山脈というモロッコの砂漠地帯に入る前に越えなければならない山に差し掛かった。

通りかかる村の建物の素材は土ベースになって、ネットでみたことがあるような砂漠の暮らしを感じる景色になってきた。

日が暮れて、いつものようにガソリンスタンドのカフェでキャンプのお願いをすると、お客さん対応に慣れた様子のスタッフの方々が二つ返事で「ここで休んでいきな」と了承してくれた。その態度はとても素直、いい意味で素朴で純粋な温かみが感じられた。彼らは「自分達はベルベル人だ」と自己紹介をしてくれた。「あ、アマズィア?」と行ったらちょっと笑って「イエス」と答えてくれた。

キャンプの許可をいただいた後、彼らはすぐに「何か飲む?」と尋ねてくれた。スプライトをお願いした。疲れた体に染み入る炭酸よ。。

スプライトアラビア語バージョン。

続いて「何か食べる?」と尋ねてくれて、「ベルベルオムレット」というメニューをご馳走してくださった。

程よいスパイスとトマトソースの組み合わせ。そこにパクチーっぽい香草も混ざっている。胃腸と心が温まる。

それから快く繋いでいただいたWi-Fiでネットしてゆっくりしていた僕にスタッフの方の方から自身のスマホの翻訳機を利用して「寝る場所に行く?」と尋ねてくれて、テントを張るポジションを教えていただいた。

そして「明日は出発前に朝食とコーヒーを出すよ」とまで笑顔で言っていただいた。彼らからはずっと、素朴な優しさが滲み出ていた。

自分はこの彼らの親切な対応にものすごい嬉しさと共に懐かしさを覚えた。ヨーロッパ、特に東の旧ユーゴスラビア圏やアルバニア、そしてトルコのたくさんのカフェレストランの人たちの惜しみない親切さを彷彿とさせたからだ。

以下は本来自分の立場で言えることではないことなのだけど、まあ本心を共有するためにこのブログがあるのだから、と、足腰に力を込めて書いておく。

こんな風に素朴にナチュラルに親切にされるという雰囲気が、モロッコに入ってからは激減したように感じられた(もちろんブログに登場しているようなすごい人たちもいる。ここではもうちょっと一般的なモロッコで出会った人々の様子を受けての感想)。

例えば昨晩、テントを貼らせていただいたガソリンスタンドでは、テントを張る許可をいただいてから寒い外に座らされ、そのままカフェが閉店するまで4時間近く待ち、閉まってからもいつになったらテントを張れる場所を教えてもらえるのかなあと待っていた。

痺れを切らしてスタッフルームに様子を見に行くと彼らは6人くらいでトランプのようなカードゲームに興じていた。ぼくが「あのー、寝る場所は?」と尋ねるそぶりをすると空気が一瞬カチッと固まり、その中の一人が笑いながらぼくを追い払うかのように片手を振っておそらく「どっかその辺に張れ」という旨のことを伝えてきた。それを受けてみんな笑っていた。ぼくはそこに目を合わせず、彼らの中の真面目な対応をしてくれた人に目線で回答を求め、ちゃんとした場所を案内していただきその場を終えた。

ぼくは基本的に誰にとっても余分な邪魔者でしかない存在だと思うことにしている。野良犬のような扱いを受けても文句は言えないと思うことにしている。それでも、野良犬は野良犬なりに、というか野良犬だからこそ、人々からどう接されるのかが鮮明に見えてしまうものだ。だからどうしても、この対応の違いを認識せざるを得ない。

ロッコ前までの旅では今回のアマズィアの人たちのような温かい対応をしてくれる人たちが圧倒的多数だったから、余計にモロッコに入ってからの、そのどこかひんやりした感じを常に感じずにはいられなかった。

「いや、やっぱりアマズィア違う。。」と普段の自分の偉そうなポリシーなんかぶっちぎっちゃったことをしみじみ思いながらふかふかの芝生にマットレスを敷いて暖かく眠った。星がとてもたくさん見える夜だった。

<他、写真>

ざっと確認してみたところ、行ってみたい気がするところに全部行こうとするとおよそ2500km走らなければならない。1日50km計算が安全に移動し続けることのできるペース。つまりあと50日はかかる。自分のモロッコ滞在の持ち日数は残り52日。なかなかギリギリである。この状況と、昨日感じた感想を受け、マラケシュは早々に発って砂漠の地域に進路をとった。