メクネスに到着。世界遺産の遺跡もある人口50万人くらいの都市。
路上の屋台で1ディルハム(14円)のパンを3枚買ってどこか公園に座って食べようかな、と、スマホで地図をしばらく眺めて走り出そうとすると青年に呼び止められた。英語が上手い。彼はモロッコ人で女性の友人(恋人ではない)と2人で旅をしているところだという。「お茶でもどう?」と誘ってくれて、彼らの滞在先に案内してもらった。連れてきてもらったのはユスフのお父さんが仕事で泊まり込みで警備をしているという土地。廃屋が建っていてその中の電気が生きている部屋を使って寝泊まりをしていた。
彼の名はユスフ。モロッコ南部の砂漠の村でベルベル人の家庭に生まれ20年間遊牧生活をしていたという。
キレキレのアメリカ英語で迎えてくれたのはベロニカ。ベネズエラ出身で、アメリカで長くバリバリ働きながら生活していたこともあり、現在は旅暮らし。これまで南米やヨーロッパを旅し、モロッコに来たところだという。
お互いにモロッコを旅している最中、カウチサーフィンを通じて出会い、ここ1ヶ月間ほどモロッコの南部の砂漠地帯にあるユスフの家族を訪問したり、観光地をヒッチハイクで旅してきたそうだ。2人は気が合うし、旅の時間が安全かつ豊かになるのでこれから更なる二人旅を計画中だという。メクネスではそのための準備をしているところで、主に資金面の対策を立てているところだった。旅の発信アカウントを準備したりクラウドファンディングのプロジェクトも立ち上げようとしているところだった。
彼らの身の上話は興味深く、メクネスの観光地を見て回る予定はさらっと手放してこの彼らのアジトに滞在させてもらうことにした。
1人は生え抜きモロッコ人、もう1人はモロッコを旅行した外国人、2人とも英語が堪能なので、彼らの体験からのモロッコを教えてもらってとても勉強になった。
ベルベル人という呼び名は昔々ローマ人から付けられた蔑称が由来だそうです(ウィキペディアに書いてあったけど)。「ベルベル人」と呼ばれる彼ら自身は自分達のことを「Imazighen(アマーズィーグ)」と呼ぶ。彼らの言葉、ティフィナグ文字(Tifinagh)で表記すると
ⴰⵎⴰⵣⵉⵖ
(↑自分の目から見るともはや魔法の呪文だ)
彼らの言葉をいくつか教えてもらったけれどアラビア語ともぜんぜん違くて覚えられなかった。
ベロニカ曰く南の砂漠地帯はとても美しくアマーズィーグはとても親切な人が多いので断然オススメだそうだ。写真や動画も見せてもらって訪問するのが楽しみになる。
土地の警備を泊まり込みでしているユスフのお父さん、モハメッドさんが黙々とお茶を用意してくれました。モロッコではお茶を入れるときは高く上げていきます。
近所の軽食屋さんで働くユスフのお友達と一緒にアマーズィーグの旗を囲んで。
・・・
で、なんと、今晩はこの辺りの友達を呼んでBBQパーティをするのだと!
扱う肉は羊の臓物。ホルモン系の肉。ユスフが腸を洗ってくれます。
今日のラインナップは
こちら。どこがどこだかわからん。。
これは心臓。
これは皮かな?大腸かな?使い古した雑巾みたい。
敷地内に落ちている木々を拾って焚き火。
いえーい!
アマーズィーグ組が食材をうまく準備してくれます。
ベテランアマーズィーグがどんどんダメ出しをして場を整えます。
食べる前につけるスパイスと塩。
レバー焼いてます。
焼けてきた。
アジトの全体像
ぼくも一本だけ串刺しに参加しました。
うまかったよー!!
美味しかったー!!ホルモン焼きのような感じ。道端でユスフが声をかけてくれなかったらこんなにハッピーな夜にならなかったでしょう。彼をはじめ、この場のいろいろな人たちに感謝です。
BBQは始まる時間が23時近かったので、ずいぶん遅くなった。眠りについたのは午前3時半くらい。ユスフの寝ている部屋でテントを張った。