HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

食べ残しのパンを貰えないか尋ねてみると(Derdara دردارة→Ouezzane وزان)

ロッコを12の地方に分けた場合、ぼくが今いるのはタンジェ=テトゥアン=アル・ホセ地方というそうです。海に面しているのですが、ぼくはずっと内陸部を走っていて、ここではオリーブの木々がたくさん見られます。オリーブオイルやオリーブの実が主な産業の一つ。で、ここに限らずオリーブのある地域ではどこかで独特な異臭が漂っていて、大抵そこには工場があります。インターネットで調べてみるとオリーブの実の発酵臭だそうです。ぼくはオリーブオイルもオリーブの実も好きなので「お、作ってんなー」って感じが好きですね。

製造所。モロッコは小規模な工場が多かった。

道路上でたくさん見られる屋台

ロッコの人々はロバの力をたくさん借りて生きます。

タジン鍋を売っているお店もたくさん見かけます。

モスクは質素な印象です。

国道を南下。60kmの移動でした。

水をもらうために入ったカフェのテーブルに食べ残しのパンが乗っている。ぼくはお腹がとても空いていて、ついそのパンを食べても良いかカフェのお兄さんに尋ねた。普段から食べ残しは自分の食欲と廃棄食品への罪悪感から自分が食べてしまいたいと思っていて、でもマナーとか見栄とか気にしてできなかったことだ。だけどこの状況。お腹が本格的に空いていると本当になりふり構わなくなる自分に感心した。

その人は「いやいや」とぼくを制して新しいチョコパンを差し出してくれた。また、それを見ていた別のお客さんがパンを差し出してくれた。わあ〜〜〜!ありがてえ!何度もお辞儀した。生き返る心地がした。

Ouezzaneという街についてWi-Fiをもらおうとファーストフード店に立ち寄った。そのお店では提供していなかったのだけど、店の奥に座っていたおじさんが声をかけてきて、Wi-Fiを貸してくれた。さらにサンドイッチをご馳走してくれた。またまた生き返る心地がした。

この具材たちを

いろいろ挟んだサンドイッチ。フライドポテトが一緒であることも高得点です。ジャンクな美味しさが飢えた旅人には響きます。

Wi-Fiと食事をご馳走してくださったおじさまはタクシー運転手さんだった。ありがとうございます🙏

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日が暮れる。街の中心からは外れたところでキャンプかな。

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もう暗くなった頃、男たちがたくさんたむろしているカフェで寝場所を尋ねた。

こんなアジア人がいきなり現れるんだから注目の的である。緊張するけれど話は早いのがありがたい。そして店員さんに尋ねる前テーブルに座っていた、アヌアールさんという、とてもフレンドリーなおじさんが呼び止めるので、翻訳機を見てすぐに彼の家に招待してくれた。わあ〜ありがたい!

ぼくの隣がアヌアールさん。

それからどんどん紹介される(名前を紹介されるがすぐ忘れる)周りの男たちに囲まれる。次々にアラビア語で楽しそうに何か言われるけれど全く理解できないのでとりあえず彼らの言うことを復唱する。それがたまにウケる。アラブ系の人たちだとこういう楽しみ方もできます。西ヨーロッパじゃほとんどなかったね。言葉が通じなくても強引に話す、みたいなことはしないから。

コーヒーにサンドイッチにパンをご馳走になり、

街から離れたところにポツリと建ってる小さなアヌアールさんの家ではポテトサラダやレンズ豆のスープ、パンにオリーブの実をご馳走になった。

もう満腹だった。久々に満腹になった。わあ〜幸せだ。用意していただいたマットレスと掛け布団に自分のマットレスも使って快適に眠れた。

いやあー今日はたくさんの優しい人たちに恵まれました。合掌!お腹が本格的に減って食べ残しのパンまでついいただこうとしちゃったところからだったから、「地獄から天国へ」感が圧巻だった。。

ロッコに入ってから観光地続きだったからか、お金を使わない自分はあまり地元の人たちから歓迎していただくことはなかったように感じていたけれど今日は違った。

この感じ、結構久しぶりな気がする。西ヨーロッパの人付き合いはなんだかんだ日本のそれと似ていて、人々はあちらからフランクに積極的に関わってこない。それに社会のインフラは整っていて孤立して生きて行くことも簡単だったし、自分も一人で居たかったから一人でいることに慣れしていたけど、やっぱり関わりを持っていくと助かることは多いし印象深い思い出もできる。

アラブ系の人が自分は苦手だった。言葉が全然通じないのもあるけれど、顔つきとか雰囲気的に何を考えているのか分からない感を受け取っていて。でもこうして関わる機会があると愛おしさが沸いてくる。アラビア語も覚えたくなる。かなり難しそうだったので敬遠気味だったけれど、こういう体験を通して言葉に親しんでいくものだと思う。

翌朝7時から仕事に向かうアヌアールさんにお礼を伝えてお別れ。ありがとうございました🙏