HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

歩けばそれで良し(Akchour أقشور→Derdara دردارة)

日の登らぬうちからハイキングしてゴッドブリッジという岩の橋を見に行きました。すごかったです!青い青い水の流れを見ながらタジン鍋のある野外キッチンを通り過ぎて岩を登ってずっと川の音が聞こえる30分程度の軽いハイキングで行けます。とても良かった。

次はモロッコの古都、フェスへ向かって出発(距離およそ200km)。

ここはリーフと言う山地だそうです。オリーブの木がたくさん生えていて村や家がぽつりと立つ大きな岩山を眺めながら登り坂はゆっくり歩いて、下り坂はブレーキを握りしめながらゆっくり進みます。アスファルトの地面がところどころぼこぼこなのでスピードを出すと自転車が揺れて荷台が壊れそう。

アフリカ入ってから飲み水どうやって手に入れるのか心配だったけれどモロッコはまだ水道水が飲めるしここは山なので水が沸いてくるポイントもたくさんあります。

カフェで見つけたアラブ風トランプ。。かな?

ぼくの旅はあと8年間は続けたい。でもそれが叶う具体的な見通しは全然立っていないし、それが自分の人生を満たすのかすらわからない。考えても答えが出ない問いです。不安になってしまうからといって立ち止まって考えているとアウトです。

歩いている時はすごく気持ちが良い。車とぶつからないように自転車を壊さないように道を間違えないように気をつける。もちろん体力的にどんどん疲れていく。答えのない問いを考える余裕もなくなっていく。

これが良い。疲れるけれど良い疲れ。スッキリとします。

今でも自分の指針となっている亡き友人によく相談事をしていたとき「そんなことよりお前今日はなにしてた?」と聴かれて「今日は歩いたよ」と伝えたら「イェーイ!」とガチ喜びしていた。「歩いたって事実が大事じゃない?」とも言っていた。

当時の自分は「そんなことよりわたしの人生の舵取りプランどうすっか教えてよ」という疑問ばかりで意味がわからなかったけど、あれはこういうことなのかなと思う。

自分はは2年以上海外を旅しているけれど、海外の歴史や文化に関心があるわけではないし、自然を愛してやまない人間でもないし、人々との交流や良い景色や美味しい料理も嬉しいけれど切望しているわけでもない。「歩きたい」が最初にあって、この形がいちばん自分的に生きやすいから旅をしている。仮に舞台が日本になっても同じことをしていたい。だから、歩くこと以上、歩くこと以外のことはオプション。その時々0〜∞までお好きなように、で良い。

そのはずなんだけどこれまで自分は人様の期待に応えるべく、旅先での面白体験やお役立ち情報や写真や映像といったウケてもらえそうな企図をいろいろ盛り付けようとした。本来それらは遊びの範疇、おまけで良いはずなのだけど、それをマスト事項として仕事のように深刻に捉えていた。それがマルかバツかのジャッジに繋がるのである。

「人様の期待」というやつからそもそも全て自分の想像で創造しているだけ(というのが自分の好きな考え方なのですが)だから虚構なのだけど、虚構も入り込んでいる時はリアルに感じられて抜け出せない。どんどん飲み込まれて気分が激しく上下し消耗する。

そのようなエネルギーの非効率動員は丸ごと辞めてもっとこの異国を歩く特別な体験に身を浸せる喜びを感じていようと思う。歩ければそれで良し。

ガソリンスタンドのおじさんが大声で呼ぶので近づいていって自己紹介、ついでに夕方だったので寝場所を尋ねて洗車用車庫の中にテントを張った。

アブドゥルさんというおじさんと雑談。この地域はやはり大麻が安く手に入るらしく、マラケシュカサブランカで高く売り捌く人がたくさんいるのだそうだ。ぼくもしきりに勧められた。やろうと思えばできるんだろうね。やらんけど。笑

お腹がとても空いている。食べ物も持っていなくてカード払いできるお店がなくて現金も下ろしていなくて近くに銀行もなくてピンチだったのだけど、不食でも耐えられるように空気を吸って栄養を取ろうと徹していたその時、アブドゥルさんがパンと豆のスープ(うっすらとカレーのようなスパイス味がする)を差し入れてくれてとても救われる思いがした。合掌です。

あるがとうございますアブドゥルさん🙏