一日中雨予報で、ちょっと自転車で進むのが不安だった。
そこにちょうど、息子のニコラがバニャ・ルカ(進行方向にある街)の借りているアパートへ行く用事があるタイミングだったので、彼の車にぼくの全荷物を載せて進んでくれることになった。
バニャ・ルカはボスニアヘルツェゴビナで2番目に大きな都市。彼の卒業した大学も現在の勤め先もそこにある。
実際に車で送ってもらっている途中から大雨になった。助かった。。🙏
この日は彼の借りているアパートに泊まらせてもらった。ニコラはとても優しい青年で、サンドイッチを作ってくれたりビールを振る舞ってくれたり、自分の寝る部屋まで暖房を回してくれたり、ぼくにベッドを用意して自分はソファーベッドで寝たり、色々と気遣ってくれた。海外が好きで留学も住んでた経験もあるし仕事でも英語を使うしとにかくもう英語が流暢でコミュニケーションには何も問題なかった。
ニコラは村上春樹が大好きなので「ノルウェイの森」の映画をお互いに初鑑賞した。日本人として生まれて33年、初めて村上春樹に触れた。うん、面白かった。けど、なるほどなあ、これはきっと20代以前の自分では面白みを感じなかっただろうなあ。出会うべきタイミングで出会った気がする。こんな風に海外に身を置いているからこそ出会う日本のものというのもあるのを実感した。
・・・
昨日仕込んだパンを薪ストーブのオーブンで焼き上げる。
やっぱりホームメイドのパンは質量が段違いだと思う。ずしっとくる。
スポメンカさんはセルビア語だけを話すけれど、単語ひとつ+指を差したりジェスチャーを加えてくれるのでわかりやすい。
トルコ式コーヒーを淹れてもらった
洗濯物はストーブのおかげでばっちり乾いた。スポメンカさんが丁寧に干してくれてました。
昼食の用意もしてくれている。
家の中のものを色々と見せてもらった。もうすぐクリスマス。セルビア人でセルビア正教会の家庭。クリスチャンスタイルだ。ちなみにセルビア正教会ではクリスマスの本番は1月7日。正教会全体なのか、セルビアだけなのかわからない。
正教会のご家庭はどの家にも決まった聖人をこんな風に祀っている。その聖人ごとに記念日があり、その日は豚の丸焼きとかご馳走をご近所さんや親戚で囲むそうだ。この絵は「シモン」の絵。
この辺りの国の民族衣装
家の全景。
玄関
思わぬ出会いでこんなお宅に入れさせてもらえるなんて奇跡のように感じる
朝食ということで用意していただいた。ありがたい😊
メサにアイワルをパンと一緒にいただきます。
鶏肉の入ったブレク。これももちろん美味しい。
・
この日は一日雨予報で。夜にはさらに雨がひどくなるとのことだった。家族みんなで何か話し合いをしている。
しばらくして、ニコラが英語で「よかったらバニャルカまで自転車ごと車で送って行こうか」と申し出てくれた。それは助かるのでお願いすることにした。
車にうまく自転車搬入完了。
ニコラとアナの兄妹は同じシステム管理の会社で働いていて、レストランの電子注文のシステム管理をしているそうだ。今日はアメリカの吉野家の注文システムの故障を直したそうだ。へえ〜!
・
出発前に昼食。ポークとじゃがいもとスープ。じゃがいもホクホク肉が厚くてたまらない。スープは庭でとれたカボチャ。わあ〜〜〜〜!
チーズケーキもご馳走になった!
お世話になりました😊
家族みんなで笑顔で迎えてくれて、一晩フカフカのベッドでリラックスして、シャワー浴びて、しばらくできなかった洗濯も完了して、とにかく美味しいご飯をいただいて、さらに差し入れも色々持たせてくれて、とにかくたくさん応援してもらった。
昨日ミロさんがぼくを路上で見つけてくれて、英語もほとんど話せないのにそんなこと意に介さず、積極的に関わってくれた。おかげでこうして豊かな時間を過ごさせていただくことができた。フレンドリーにきっかけを作ってくれる人がどれだけ人を救っていることかありがとうございました🙏
・・
ニコラの車でバニャ・ルカへ。途中に山があってそこを通るのがきついことも考慮してくれたようだ。
バニャ・ルカに着く頃ににわか雨。よかった本当に。あれが勤め先だよとかあれが卒業した大学だよとか教えてもらいながら進んだ。さらにはバニャルカのおすすめスポットも教えてもらった。
アパート着
部屋は兄も妹も使うことがあるらしい。デコレーションは妹のアナ担当。ちょいちょい日本らしいものが置いてある。
こちらは妹アナの漫画シリーズ。
バルカンっぽい(滞在が長いのでなんとなくわかってきた)音楽だけが流れるミュージックチャンネル。下にゆっくりと文字が流れて最後に国旗がついているのは視聴者からのメッセージだそうで、視聴者からの曲のリクエストや出会い系のメッセージが流れているのだそうだ。
後者の方はびっくり。「私は〇〇歳です。〇〇にいますのでどなたか会いませんか?」という感じで流れているとニコラが教えてくれた。このチャンネルはヨーロッパ中に流れていて、各地にはこのバルカンの主に旧ユーゴスラビアのスラブ系の人たちがたくさん住んでいるようで、彼らの心をつなぐ役割をこのチャンネルは果たしているそうだ。
・
この後、ノルウェイの森を見た。ニコラは英語字幕で観る。眠らないか心配だったけどちゃんと全部見れた。
・
本日もフカフカベッドを貸していただいた。雨なので荷物も全部避難させてもらっています🙏