バシルの家には1週間も泊まらせてもらった。「泊まりたいなら好きなだけ居て良い」とも言ってくれたおかげで心置きなく居心地よく過ごさせてもらった。ぼくのパソコンでの作業の事情とか理解してくれてそっとしておいてくれたおかげでご自己紹介のページを更新することもできた。
自身は食が細いのに「ぼくの周りでお腹は空かせない」と言っていつもパイを買ってくたり、カフェでは必ずなにか飲み物をご馳走になった。彼がいろんな人にぼくを紹介してくれたおかげでカフェにいたいろんな人とほのかに繋がりを持つこともできた。
バシルはイスラム教について語り始めると止まらなくなった。一の質問に百くらいの勢いで答える。物心がついた時から感銘を受けまくり、イスラムこそがほんとうの教えなんだと心の底から信じるようになった。ぼくと会えてなにより嬉しかったのはイスラムの素晴らしさをぼくに伝えることが出来たことだというくらい。ぼくもいずれムスリムになることを選んでくれたら嬉しいらしい。ギリシャではバプテスマを受けてほしいと言われ、今回はムスリムになってほしいと言われる。無宗教をキープするよりもいっそ全部に入信する方が面白そうだなと思う。ひとつの信仰を固持するより全部を本気で信じる、なんてやつがこの世界に誕生したらそれは面白そうだ。
なんにせよ、また素晴らしいハートの持ち主と出会うことができて嬉しかった。感謝🙏
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朝7時に仕事に向かうバシルと挨拶してお別れ
1週間泊まらせてもらった家
カフェの人にもご挨拶。思えば最初になんかローカルっぽくて良いなと思った場所を選んで良かった。
町を出る。
山の上には雪。
天気が良くて体調も回復してぐんぐん進めると思っていたけど、なぜかしんどい。身体の疲れとか病気なんかとは種類が違うしんどさ。かと言って気持ちか、といわれるとそれだけとも言い切れないような。
イスラム式のお墓
しんどさはだんだん放っておけないレベルになってきたので、見えてきたちょっとハウルの動く城っぽいレストランに落ち着いてコーヒーを一杯飲んだ。お金を払って行こうとしたら笑顔で支払いは無料でいいよと言ってもらえた。とても助かった。
まだ昼過ぎだったけど思い切ってここで泊まれないか尋ねてみた。すぐにオーケーしてもらえた。空き部屋を用意してもらってそこに荷物を突っ込んだ。
ある程度自己紹介をしてこの旅のことを伝えて、珍客のことを面白がってくれたのか、店に来るいろいろな人に紹介された。まあなにも話せることなんてないのだけど、笑って握手を交わして、カンフーとかジャッキーチェンは日本じゃないことを指摘したりする。
そのあとはパソコンに向かって時間を過ごす。夕飯をご馳走になった。
自分のことを写真家だと知ると店内をいろいろ撮るように頼まれた。送った写真は彼らのSNSに流れた。
先日カンボジアの写真をアップしたときに写真へのモチベーションは上がっている時だったので頑張ったけど、まあ技術が足りんなぁ。そうやって己を追い込むうちにまた疲弊しちゃって撮るのが嫌になっちゃうから気をつけないとなぁと思う。
昼間感じたしんどさの正体がよくわからないのだけど、この旅そのものに対するしんどさを感じ始めているのだとしたら嫌だな。好きでやってるつもりだけど、いつだって次の瞬間のことまではわからない。早とちりせずにゆっくり様子を見てみる。