ボスニア・ヘルツェゴビナではボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人を主要3民族としていて、政治でもこの三つの人種からそれぞれ大統領が選出されて大統領評議会なるものを構成しているそうだ。
昨日ぼくを家に招き入れてくれたアニツァさん一家はクロアチア人。
この日は一日中家に滞在させてもらった。洗濯物を乾かすのを待つのと、休ませてもらうのと、作業と。パンやスープやハムにチーズ、フルーツもご馳走になった。服も洗濯させてもらい、シャワーも浴びた。旦那さんは身体の大きな人で強面だったのだけど、ゆっくりしていけ、と手で合図を送ってくれた。
翌朝、去る前に寒い中での旅を心配してくれたアニツァさんは寝袋やジャケットを渡してくれようとしたけれど、自分の装備との兼ね合いで、遠慮しておいた。あたたかい靴下を一足いただいた。
さらにはブレックやパン、フルーツをたくさん手渡してくれた。とてもとてもありがたかった。自分の子供に対して向けるような愛をこんな他所からの旅人にも向けてくれるその優しさを自分はよく覚えておこうと思う。
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ぼくは長らく、この人生では自分が思い描いた理想に行動して向かっていくようなイメージを持っていた。これでも、ずいぶん楽になってきた方なのだけど、もっと新しい時代的な感覚はおそらくそれよりももっとずっとリラックスした心地で居られるものであることをなんとなく得心した。
簡単に言うと自分の核にもともと何かの模様が刻まれていて、そこにチューニングされていく。自分の足で頑張っていろんなところに行く、と言うよりも、行ってしまう。もともと持っていた自分の模様はそういう感じ。これがいろんなレベルで起こる。
だから、必要以上に自分を追い込む必要がない。何かを為しても為さなくてもいい。ただ、他ならぬ自分の元々持つ流れに逆らわないでいるだけで物事が進んでいく。それはまるで自動的に進んでいる感じ。側から見れば精力的に動き回っているのかもしれないけれど、当の自分は全く努力らしい努力を行っているように感じない。
生まれた時から持っている感覚の模様がどんな形なのかより興味を持った。より居心地の良い境地に進んでいけそうだ。
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〜写真〜
洗濯していただいた。ありがたい。
キッチンに立つ姿。
柘榴ジュースを作っている。
お昼ご飯にはチキンスープとパンをいただいた。味はとても薄いのだけど自分にとっては体に優しい良いメニューだった😊
燻製ハムは小さくても味がとてもしっかりしていて美味しかった。
さらに晩御飯も用意してくれた。
10マルク(5ユーロ)も渡してくださった。