山を降りたらものすごく広い草原だった。
日も沈んだのでどこか人に頼ってテントを張ろうと店を探すけれど、ずっとこの草原だけが続いて何も見当たらない。空き家が数軒あったくらい。
しばらく走ると一件建物が見えた。
車の修理屋だと思ったけれど、中を見てみるとカフェっぽい気がする。
遠くから様子を伺っているぼくの姿を見つけた若者が「カフェ、カフェ、ウェルカム」と言ってくれたのですかさず泊まれる場所の相談を持ちかけた。
中にいたおじさんたちの視線を浴びながら何人かの人が翻訳文を眺め、読み終えるとすぐに笑顔で大丈夫だと言って中に入れてくれた。あ〜助かった!!
タバコの煙が充満している室内。まさに男の溜まり場という感じの場所だった。
みんなで何やらちょっとしたパーティみたいにテーブルに食べ物を並べて囲んでいて、写真を撮らせてもらうと、勧めてもらった(我ながらあざとい動きだなあと思う)。
↑の真ん中のスープのようなものはソーセージとじゃがいもをじっくり煮込んだもののようで、中からソーセージとじゃがいもを取り出して食べるものだった。
味はついていないけれど、ソーセージがもう、とろけてしまいそうになるくらい美味しかった。寝場所が見つかり歓迎してもらった喜びも乗って、至福だった。。
他にもチーズや生ハム、オリーブの実、パプリカやキャベツのピクルスをいただいた。パンと一緒に食べて、満腹になるまで食べさせてもらった。
みんな英語は話せない。時々ぼくに何か言ってくるけど相槌を打つしかない。
こちらの方は「セルビア!セルビア!」とサムズアップしていた。多分セルビアを愛しているのだろう。
ぼくがかぶっていた黄色い帽子を譲ってくれと言われた。黄色い帽子は嫌だけど、泊まらせてくれる恩返しに何かあげたいのでニット帽を見せるとそれでいいと言ってくれた。5ユーロで買い取ってくれた。黄色い帽子は気に入っているのでそれを手渡すことにならなくてよかった。。こういう時に予備の装備があると便利だなあと思った。
その他、色々みんなの写真を撮らせてもらった。
壁にかけてある民族楽器らしきものを発見。これはなんだろうという感じで眺めていたら一人の人が手に取って演奏してくれた。グスレという楽器だそうだ。
演奏してもらった(動画)
カフェの店主のおじさんはどんどんビールを持ってきてくれた。最初からずっとニコニコしている人だった。
寝る場所には写真左のソファーベッドを用意してくれた。
自転車は入り口のあたりで安全に停めさせてもらった。
就寝中もセルビア語の音楽チャンネルを流しっぱなしにしていた。しばらく我慢して眠ろうとしたけれど、かなりうるさいので消してもらった。
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朝を迎えて、コーヒーとトーストとラキアをいただいた。
みんなの詳しい素性は全然わからずだったけれど、その場に居させてもらって体力回復。本当にありがたかった。
↓の左に飾ってある肖像は店長のお父さんの肖像だそうだ。合掌。