HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

コトルの夜景と真っ暗な山道(リェシェビッチЉешевићи→ニェグシNjeguši)

出発の朝、ヤナさんが"vajickova pomazank"という卵を潰してパンに塗るやつを作ってくれた。中国っぽい鉄器にはオレンジの皮とりんごを煮出して作ったお茶。ありがたくいただきました。とてもとても美味しい。

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ドキドキしたが二人に写真を撮らせてもらった。ガブリエルさんはモデルの仕事もしていたそうだ。ヤナさんも自身を被写体にした作品を作ったりしていたそうで、もう美し夫婦だ。カメラの前での安定した立ち姿に惚れ惚れする。

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こんな突然現れてただ飯食ってお世話になって立ち去っただけの日本人にとても良くしてくれてありがたかった。彼らはこれからじっくり時間をかけてこの家を作り上げて、チェコに住む家族も迎え入れ、他のゲストも気軽に立ち寄れるくらいにするそうだ。またおいでと声をかけてもらえてとても嬉しかった。

キャンプサイトに行こうとして偶然、忘れ難い出会いをいただいた。また旅の素晴らしさを実感する。

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コトル湾を見下ろすことができるポイントまで登っていくことにした。山の上。また自転車をゆっくり押して歩くことになる。

村を通り過ぎていく。

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道端で目があったおじさんとお互いにカタコトの英語で立ち話が始まった。おじさんは何やら葡萄の収穫か、ワインを作るのための道具を作っているらしい。

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おじさんは昔船乗りで貿易船に乗って日本の佐世保まで来たことがあるという。やっぱり昔船乗りだったという人がとても多い。

おじさんの農場。

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話ついでにやっぱりラキアを勧められた。バルカン半島の国民的飲み物。「いや飲めませんよ〜」とか言いながらも渋々いただいた。f:id:tajimax-tj:20211117025733j:plain話をしているとおじさんの友達も集まってきて自己紹介やらなんやらでわいわいした。この先の景観の良いおすすめの道も教えてもらった。モンテネグロの人々はアルバニアよりも落ち着いているけれど、旅行者慣れしている印象がある。

ゆっくり手押し。小降りだけれど雨も降っている。ヨーロッパのこの季節は毎日のように低気圧。

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この写真の真ん中がコトル。

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なかなか良い眺めのポイント

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とにかく高い山だ

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岩の山。これぞぼくの中でのモンテネグロの印象

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泊まる場所が欲しい。地図上でレストランがあるのを把握しているのでそこを目指す。坂道を上り切ったところになりそう。

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暗くなってくる。高度が上がって気持ち寒くなってくる。

道のすぐ横に見事なコトル湾を見下ろせる。

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距離にすると10kmもないけれど、とにかくノロノロ進んだ。何回も立ち止まって深呼吸した。もう真っ暗になって街灯のない道は真っ暗闇になった。月明かりだけが道を照らした。時々前と後ろから走ってくる車。来る度に立ち止まって道の端に寄る。突然鳴らされるかもしれないクラクションが怖いので身構える。

すぐ下を見下ろすと夜景がすごい。ゆっくりゆっくり動いていく。とても不思議な場所を歩いているような気分だった。

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コトルとティヴァトを一緒に望める場所を見つけたので三脚を出してゆっくり撮った。暗闇の中、岩の上に三脚を置いて風に吹かれながら写真を撮っていたのだけど、ドラマの中にいるような感じがした。

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えっちらおっちら坂を登ってレストランがあると思しき場所に到着。

が、閉まっていた。

モンテネグロの観光地はほとんど夏季のみの営業みたいだ。Googleマップには営業中って書いてあったのに、とほほ。

安心して眠れそうな場所がない。さらに進んだ。暗い場所にいると明るさと温もりが欲しくなる。とにかく営業中のレストランかカフェを見つけたい。

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次に現れたレストランも休業中だった。ああ。

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さらに進む。岩でゴツゴツのトンネルを抜けたりした。かなり怖かった。

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歩くしかないから歩くのだけど内心ドキドキでこういうところは通る。

灯りのない中を進むのはちょっと損だと思う。自然の見事な景色が広がっていても真っ暗で何も見えない。山も森も洞窟も何も見えない。できるだけ明るい時に進もうと反省。

21時ごろ、営業中のカフェを発見。灯りだあ〜、灯りは希望だ。

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中の人たちは観光客慣れしていて、英語でキャンプをしたい旨を話すとすんなりと店の裏手のスペースに案内してくれた。

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柔軟な対応もまた観光客慣れしている感じがする。遠くで鎖に繋がれた店の番犬が吠える。「あの子は大丈夫だから」と説明してもらったので安心して山上の森の中の空気に包まれながら眠った。

距離にすると25km弱。果てしなく長く感じられる道のりだった。。