HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

チェコから移住してきたカップルに助けてもらう(グラヴァティチチГлаватичићи→リェシェビッチЉешевићи)

雨は小降りだけど一晩中続いたみたいだった。朝になっても続いて時折ものすごく強くなったりした。そんな中でもこうして濡れたものを干して乾かせる。それくらいしっかりした場所だった。本当に助かる。

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昨日のレストランのオーナーのお父さんが朝はコーヒーでも一緒に飲もうと誘ってくれていたのでレストラン近くの彼の家に赴いた。石の階段を登った古いお家だった。庭には野菜畑やオリーブの木が植っていた。

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トルコスタイルのコーヒーと、名前を忘れてしまったけれどカステラにミルクを浸したようなおやつを振る舞ってくれた。朝にコーヒーを飲めるだけでも幸せなことなのに、おやつまでいただけるなんてなんとすごいことか。。

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そして、ラキアも一杯。こちらはやっぱり好きになれないけれど、ここの人たちは日常的にこのめちゃくちゃ強いお酒を飲むのだ。

民家に入れてもらう。それだけでたくさんの新鮮なものを見ることができる。

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少しゆっくりさせてもらって、お別れした。ありがとうございました。

出発をしたかったけれど雨が全然止まない。走り出す気になれない。屋根の下でしばらくぼーっとした。結局14時くらいまでその場で待機。小降りになったタイミングを見て荷物を積んで走り出した。

坂を登ったり降ったり、漁村のようなところを通っていった。雨が降っているのでスマホだけで簡単に写真を撮る。人はほとんどいない、ゆっくりできそうなレストランもカフェもない。

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かなり暗くなってきたところで寝る場所を探そうとすると、キャンプ場への案内板らしきものが目に飛び込んできたので行ってみることに。

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途中、道に迷ったような気がして、目についた家の人に声をかけた。英語の話せる40代くらいに見える白髪混じりの男性と奥さんらしき30代に見える女性だった。

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彼らによれば「確かにキャンプ場はあるけれど、今は営業していない」とのことだった。ああ、やっぱりこのシーズンはどこも営業していないのだな。

そのまま彼らに寝場所の相談を持ちかけた。すると家の上にテントを張っても良いと言ってくれた。テントを張ると彼が「一緒にお茶でもするかい?」と誘ってくれたのでありがたく乗ることにした。よく吠える犬と猫も家族の一員だった。

彼らは数ヶ月前までチェコプラハに住んでいて、そこからここに越してきたカップルだった。事実婚状態だという。彼のガブリエルさんはスェーデン系アメリカ人。彼女のヤナさんはスロバキア人だった。彼らは7〜8年くらい前にオーストラリアの写真学校で出会い、お付き合いを始めたという。いろいろと国境を越えまくっていてすごい。

ヤナさんが作ったというココナッツのクッキーやおやつと暖かいお茶をいただいた。

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二人とも写真家だという。言われてみれば芸術家然とした落ち着きが漂っている。家を見回すと素人の自分でも見入っちゃうような家具がたくさんあった。

この家は、初めはほとんど作りかけのような状態で現在、自分の手でリフォーム中だそうだ。ゆくゆくはご家族も招待して一緒に暮らすための増築もしているそうだ。建築の技術はYouTubeで独学で学んで取り組んでいるという。新しい土地でほぼゼロから暮らしを整えているようなタイミングなので、仕事どころではないそうだ。

ヤナさんからお腹が減っているか尋ねられて、チーズとパンをいただいた。

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興味深かったのは彼らは以前、ヴィーガンだったけれど現在はそれをやめて再び動物性のものも食べているということだった。ヴィーガンスタイルを続けていった結果、ヤナさんの膝の関節に何か問題が(うまく英語で理解できなかった)発生したらしい。動物性のものも食べる生活に戻ると彼女の膝は良くなったという。

ガブリエルさんは「結局は一羽の鳥の両翼に過ぎないんだよ」ということを語った。曰く、動物性のものを食べようがヴィーガン食にしようが、どちらの意見も、「それがたった一つの真実」というわけではなく、一翼に過ぎない。全体を捉えなければならない。

そして「結局、動物だろうが植物だろうが、意識が存在している」という話に心から同意した。他の生物の命を奪うことを嫌ってヴィーガンを選ぶ人を見たことがあるけれど、命があるのは何も「動物」だけではないなあとぼくは思っている。確かに動物と植物は分かれているのかもしれないけれど、本質的には同じ生きているもの。「なんでもおんなじじゃねえか」と思う。だから動物の命を奪うことだけを嫌うというのは、気持ちとしては分かるけれど、本質的な部分ではピンとこない。

「肉を食べると波動が落ちる」的な話も聞いたことがあるけれど、これも人によるんだろうなと思う。

それに「何をいただくにしても"波動を上げる"ということが最も大切なことだ」とガブリエル氏。曰く、感謝の気持ちを持って消費することが、結局この宇宙の循環に貢献する最良の方法だそうだ。

自分はただ相槌を打って話を聞いているだけだったけれど「本当にその通りだなあ」としっくりくる感じを心地よく思いながら聞いていた。いつも感謝の気持ちに満たされているわけではないので身が引き締まる思いもした。

お茶をしているうちにガブリエルさんが「もし君がよければお茶をしているうちに、家の中の作業スペースにテントを持ってきても良いよ」と提案してくれた。今宵も雨予報だったのでとてもありがたかった。暖かいシャワーも使わせていただいた。これも長らく浴びていなかったのでまたありがたかった。

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閉まっているキャンプ場に足を運ぶという失敗から、結局は破格の環境に身を置かせてもらえることになった。自分はこのカップルの醸し出す雰囲気や根底に流れている価値観のようなものに惹かれたし、貴重な出会いをいただくことができた。

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