HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

旅の話をうまく伝えられるようになりたい(ポドゴリツァ Подгорица)

朝、テントから出るとダヴィッドが管理人さんからトゲトゲしい剣幕で何かを言われていた。モンテネグロの言葉だけど、ダヴィッドが何を言われているのかは想像できた。

「ごめん、君はここから出ていかなければならないみたいだ。いつも庭は自由に使わせてもらっているから、まさかダメと言われるとは思わなかった。本当にすまない。」

そうだったのか。それなら去るしかない。というか管理人さんにあんなトゲトゲした雰囲気で言いがかられたダヴィッドに申し訳ない。

タヴィッドはこれ以上サポートができなくてとても申し訳ないという気持ちからモンテネグロの友人よりお裾分けしてもらったという肉の缶詰を手渡してくれた。

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お別れだ。彼と過ごした時間は短いけれど、とても印象深かった。

ぼくは「どうか申し訳なく思わないでください。ご飯に観光案内に買い出しの協力に一晩の寝場所で本当に助かりました。そして、あなたの貴重な体験談が心に深く残りました。この話は日本をはじめとした僕の友人に伝えたいと思います。」と伝えた。

ダヴィッドは「はじめにね、ポンプを貸してくれた時から心が開けている人だと感じていたよ。君のようなフレンドリーな友人ができて嬉しいよ。」と言ってくれた。

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先程の管理人さんのトゲトゲしい剣幕。ダヴィッドはきっと、まさにあんな感じの、あるいはもっとひどいやりとりをたくさん経てきたのだと思う。

そんな気がしたのは、ぼくの身に覚えがあるから。

旅を始めたばかりのころ、寝場所を探すために人に尋ねて回ってもつっけんどんな対応をされ、たまたまそれが続いて、世界中の人が心を閉ざしているように感じられて、人に話しかけるのが怖くなったことがある。

そんな時に笑顔で話だけでも聴いてくれる人が現れた時の嬉しさは震え上がるほどだった。

見ず知らずの困っている人にどんな対応をしたってその人の勝手だ。

一つの視点で言えば、ぼくは旅人で、人の場所に勝手にお邪魔させていただいている立場なのだから、どんなに冷たくされても自然なことだと言える。

自分だって生まれた時から今日までたくさんの人にそういう対応をしてきた。

でも、この時、

何気なく向ける笑顔が、時に人を救うことになるかもしれないことを、ダヴィッドとのやりとりから、自分の体験を想起しつつ、実感した。

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最後に撮らせてもらった写真のピントはズレてしまったのだけど、ダヴィッドは最近始めたと思しき自身のインスタグラムにアップロードしてくれた。

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〜〜〜〜〜〜〜〜

今日はまた作業に取り掛かるつもりだけど一つ予定が入っている。

 

話は遡ること昨日。

ダヴィッドと一緒に街をサイクリングしていた時。

 

おや、あのストリートベーシストは。。。!

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4月にアルバニアで会った日本の旅人、ヒーローズあさひ君だ!

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「いや〜全然(投げ銭)入らん!」

日焼けして、汗をかいて、でも目はとても力強かった気がする。暑い中よく頑張っているな〜!

この時は行くところがあったのでちょっとしか話せなかった。

あさひ君の方から誘ってくれて、この日ちょっとお茶することになった。

人と会えるのは基本、面白いし貴重だと思ってはいるのだけれど、自分からお誘いをすることはほとんどない。なんというか、そういう習慣がもともとない。なのでこうしてきっかけを作ってもらわないと会うチャンスが作れない。

ポドゴリツァの街を走り抜けて

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あさひ君が待ち合わせ場所のファンシーなカフェに到着。自分ではこういうカフェを選んで入らない気がする。こういうところもセンスの違いが見えて面白いなあ。

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久々に再会したあさひ君は動画編集作業中だった。

PC上の作業が必要な人間同士、一緒に居やすいと思う。 

あさひ君とはこれまでの旅路や情報のシェアをしたり

Youtuber的な発信者としての心得とか、どんな基準で行き先を選ぶのかとか、これからの展望とか、面白い話を聴かせてもらった。

同じ日本人で、似た環境の生活をしている分、自分との違いがくっきりよくわかる感じが面白い。他人から見ればきっとぼくらは同じ「旅をしている人間」だけどその中身は全然違うのだ。

あさひ君は休憩で表に出たついでにスピナッチ(ほうれん草)のパイ「ブレク」を買ってきてくれた🙏

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関わる人全てに丁寧に心配りしながら旅をしている人だと思う。

自分のことで精一杯なぼくからすると眩しい人柄だ。

日が暮れてきた頃にあさひ君は演奏に出かけて行った。 

 

自分は、ここ最近で予定しているライブ配信関連の準備が必要だと思った。

予定しているのは

起業塾の主催するオンライン番組でのインタビュー

・小学生に向けてzoomで旅の話を伝えるオンライン学童

・自分のライブ配信

この中で特に準備が要るのはオンライン学童。

自分のことを知らない他人、それも小学生を相手に自分のことを話すにあたり、どんな内容が良いのか、どんな写真や動画を使うのか、めちゃくちゃナーバスに考える。

自分はきっと母親が小学校の教員をしていて、自分が何かを他人に教えたり伝える状況になると(特に自分よりも若い人相手だと)真剣になりすぎてめちゃくちゃ力むようなところがある。

準備次第で内容の良し悪しが雲泥の差になるような気がしてならないのでとにかく頑張る。

自転車で旅していることがわかる写真、キャンプしながら生活していることがわかる写真、日本では見られない風景の写真、料理の写真、現地でできた友達の写真。

自分にとって当たり前になりつつある生活だからどこを切り取って伝えたら相手にとって面白いのか、謎は深まるばかり。

とにかく膨大な写真の中から選ぶのはとても時間がかかる。写真を見返しているうちに忘れていたことを思い出して伝えたいことが変わったりもする。撮りすぎると後が大変なのだ。

「自分はどんなことを伝えたいのだろう」と若干哲学的な領域にまで踏み込んで考えたりもする。なかなかスムーズに進まない。

そんな風にちまちま進めているうちにもう閉店時間になった。

腰がいたい。頭も回らない。キャンプポイントに行ってテントを張ってご飯を炊こう。

とにかく時間とエネルギーを使う作業だけど、まだ初めての挑戦。スムーズに行かないのは自然なことだ、思い詰めないの大事。

何より、いつかどこかで誰かに、特に自分よりも若い人に対して、自分のやっていることを伝えて、それが何かに繋がっていくようなことをしたいと思っていたので願ったりの良い機会である。

今はとにかく経験してきたことの棚卸しだと思って粘れるところまで粘るのだ。

 

先日キャンプした場所に移る。

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ダヴィッドと泳いだモラチャ川のすぐそばのホテルのようなところから歌声が聞こえてくる。ライブイベントをやっているようだ。

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翌朝

この日は演奏を終えて後からやってきたあさひ君と並んでテント泊だった。

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キャンプしたもの同士、記念撮影😊

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