HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

日本からギリシャへのカメラ配送、受け取り料10万円(ポシュジェリェПошћење)

 

朝、昨日登った山へ。今日もビュービュー風が吹いている。

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よく友人から「お前は風」と言われていた。

風のように生きる。でも実際それはどんな感じだろう。

旅をして生きるということは風のように生きてるように見えそうだけど、やっている自分は、何かを心配して立ち止まってあくせく考えたり、苦しくなるまで「仕事」を抱えたり、遠くからみて「風」っぽいかもしれないことを続けるのにジタバタし続ける。風っぽくない気がする。泥っぽい。

ここでたくさんの風を浴びておこう。風が体を触れていく感覚を感じた。

ぼくは風を思い出すとき、この場所の景色を思い出すのかもしれない。

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来月に結婚式を控えているギリシャの友人から連絡が入っていた。

ぼくは彼らの結婚式の撮影を任されていた。ここまで持ってきたカメラ装備だけでは十分な写真は撮れないと思い、日本に置いてきた装備、フリーのカメラマンをしていた頃に使っていたカメラ装備を友人に頼んで送ってもらっていた。カメラ本体2台とレンズ4種類。

日本から郵送された小包は無事にギリシャに到着した。が、その小包は税関でストップ。720ユーロを支払わなければならないという。およそ10万円。とりあえず何がどうなってそんなに高くなったのかわからない。思い当たるのは配送物品が高額な一眼レフカメラだからということ、そしてギリシャEU圏であること。

盲点だった。以前トルコで寝袋(7万円くらい)を送ってもらった時は2000円程度で済んでいたから。

流石の高額に立て替えはできないと友人。そりゃそうだ。ここまで持ってきたカメラは壊れてしまったので、そのカメラがないと結婚式の撮影そのものができない。

状況をいろいろ確認して、おそらく自分が直接集荷センターに行って取りに行くのが最善だろうと判断した。荷物はアテネで止まっているので自分でそこまで向かう。もともとは16日に友人の家に到着予定だったので、これを1日すぎるごとに取り置き料9€が発生するという。なるべく急がないといけない。

ルートで確認すると900kmほど。

自転車だけでどんなに急いでも9日はかかるから、もう100€くらいの上乗せは覚悟しなければならない。

手持ちのお金は10万円とちょっと。きっと入国前のPCR検査とか道中に使うお金やらで1万円は飛ぶだろうから、足りなくなる。直前まで投げ銭を期待するけど、本当にダメだったらもう動画でも文章でもありとあらゆるところで頭を下げてお金をいただく。これしかない。

とりあえず簡単にFacebookで状況説明だけしておく。過不足なく情報を伝えて、深刻になりすぎないように、困ってはいるんだけど、すぐに助けてくれってほどでもない、とりあえずこんな感じですよっていう、微妙なラインを言語化して伝えるのに時間がかかった。猫は邪魔をしてきた。遊んで欲しそうに見えた。猫萌えなんてしないから相手しねーよ?でも撮る。

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発信を済ませて落ち着く。

そんなわけで、明日、アナとデイヴィッドとはお別れだ。

二人に状況を伝えると先述のヨーロッパの国際配達の現状を教えてくれた。ギリシャは関税がとても高い。というかヨーロッパ全体高いのだそうだ(スペインなんかも高いとデイヴィッドが言ってた)。「国は金が取れると分かっているからがっぽり取ってくる、嫌な話だよ」と同情してくれた。

二人のアドバイスから考えられた、とは。カメラはもしかすると新品としてみなされて高い税金がかけられているのかもしれないということ。2台ともたくさん日本で使ったカメラだからもうぼろぼろなのに。だから説得すればもっと税金は安くなるかもしれない。なるほど、それは希望の光だ。

デイヴィッドは交渉の力になってくれるかもしれない、とヨガの生徒の一人を紹介してくれた。アテネに住んでいる若者。心強い。普通こういうことで力になれる知識を持っている人なんて一般にほとんどいないと思うから、そんなに期待をしても良くないと思うのだけど、今は藁にもすがる思い。

とりあえず今日はこんなところで落ち着いた。協力してくれる二人に頭を下げるしかない。

明日に備えてこの日はゆっくりした。

愛犬ステファニーは妊娠中。出産に備えてありあわせの道具でのスペースづくりを手伝った。小屋はこの借家にもともと置いてあったものらしい。

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夕飯の準備、今回はデイヴィッドがパイを焼いてくれる。

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続いて発酵させた葡萄の葉っぱにお米や野菜を混ぜたものを包んでいく。ギリシャやトルコでお馴染みの「サルマ」。f:id:tajimax-tj:20210730163525j:plain自分もお手伝いした。餃子パーティみたいにみんなで集まって作る会ができるんじゃないかな、サルマパーティ。

 

蒸し上がったサルマ

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デイヴィッドのパンとごまのペーストのソース。今日も、幸福😊

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人間じゃない家族にカメラが向くね。

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状況は一気に悪くなったっぽいけれど不思議とワクワクな方向でドキドキしている自分がいる。この長い距離を目的を持って走るのはもちろん疲れるし辛いと思うけど、その分すごく楽しいことが待っていそうな予感。