HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

また会える(メスィ Mezi 〜 フシャ・アラス Fushë-Arrëz)

早朝4時ごろ。ふとテントから顔を出して空をみてみると、太い一筋の光がスーッと一の字を描いて爆ぜた。流れ星、だと思うけれど自分の知っているそれよりもゆっくりと流れ、火花のようなものを散らして爆ぜた。そもそも流れ星なのかも定かではないけれど、自分が今までみてきた流れ星の中で一番印象的なものだったと思う。

本当に心に残る景色というものはほとんど写真に収まらないものだ、と思うのだけれど、あの流れ星はまさにそういうものだった。

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旅の中で出会った方の告別式が行われた。連絡をくれた友人のお誘いに乗っかり、あたりに咲いている花を摘んで拙いながらもブーケを作ってその人の告別式が行われている方角に向けて献花、黙祷を捧げた。

亡くなった方と自分はほんの数分間の直接の関わりだったけれど、とても思い出深い方で「また会いたいな」と思っていた。けれどそれはこの世では叶わなくなった。

自分はこの旅のことを「地球規模の挨拶回り」だと思っているから、現地で素晴らしい人と出会うことが大切な時間になる。その出会う人の多くは自分よりもだいぶ年上の人。ぼくが普通に人間の平均寿命を全うするとしたら、その出会う人たちの多くは自分よりも先に亡くなる可能性が高い。その時が訪れたら寂しさを感じると思う。

人は死ぬ。本当に、いつも、それだけが揺るがない真実だといつも確認させられる。

けれど自分の死生観はかなり楽観的かもしれない。

「いずれまた会える」ということを信じているから。

死後の世界とか生まれ変わりとか輪廻転生とか、世間でよく言われているようなものを心から信じているかというとよく分からないし、そもそもあまり詳しくない。ちゃんと調べたわけでもないからもう本当に「ただの勘」でしかない。

そう前置きした上で言っちゃえば、この世界で肉体が終わっても、なんらかの形でたましいは続くんじゃないかなあと。この世での記憶を持っているかいないかはまたそれぞれで、それでも「まあなんか分からんけどまた会えちゃったね、わっはっは」みたいなことが、そのくらい長い目で見ていればやってくるんじゃないかと。

別れの度に寂しい思いを感じることはあっても、その「わっはっは」が待っている気がするってくらい適当な部分が自分の中にあるからこんなにいろんな人と関わっていく旅ができるのかもしれません。その態度が「軽い」なんて言われたりもするけど、結構真面目な思いでこの「軽」さを信じていたりします。

出会ってくれてありがとうございました。またお会いできたら嬉しいです。

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この日もひたすら山沿い道路を登りくだり。やっと終わった頃には夜、辿り着いた町でまた良い出会いがあって良い眠りにつきました😊

5時間ほどかけて50km弱の道のりを進んだ。 

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ゆっくりコーヒーを飲みながら自転車を眺めていたら気がついた。

後輪パンクしてる。

タイヤを外して内側をぐるっと触って確認したら薔薇の棘が見事にぶっ刺さっていた。。この敷地には薔薇が沢山あって、踏まないように気をつけていたけれどヒットしてしまったんだろう。

というわけで久々の修理。記念撮影(笑)

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修理は幸いすぐに完了。軽傷だった😊

豚がいる。

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この豚がペットなのか家畜なのか家畜だとしたらなんのためなのかはっきりしなかったけれど、歩き回っている豚を見てなんか分からないけれど注目してしまった。笑

昨晩ここでのキャンプを許可してくれたマーケットのオーナーのおじさんが「食べる?」と合図を送ってくれた。

食べます😊

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いただいたのはこんな感じ😊

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ソーセージの味はとてもしっかりしていたし、チーズは羊乳の独特な匂いと濃い味が合わさって美味しかった😊

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突然の訪問だったのにありがとうございました😊

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出発。午後1時くらい。今日も良い天気、17度くらいまであがって暖かい😊

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山間道路は春色が楽しめます。

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山からの水も至る所で流れているのを目にする。

こんなんが道路脇にすぐある。

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広めに撮ったらやたらいろんな光が差して神秘っぽくなる。笑

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松林も通って行きます。

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途中追い越した車が止まった、と思ったら中から人が出てきて笑顔で挨拶。

一緒に記念撮影しようと誘ってくれた。歩いているだけで面白がってもらえるなんてなんと光栄なことか😃

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特に意味なんかなくても一緒に写真撮ろうってだけで楽しいもんだ😊

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18時を回ったのでそろそろ寝場所を発見せねばならない。近くのマーケットの人はぶっきらぼうに「この先に行け」と答えたけれど去り際にビスケットをくれた😊

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日が暮れていく。。

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フシェ・アラスという街に辿り着いた(写真を一枚も撮っていない。。!)。

道がおしゃれに整備されていて観光客用のホテルやレストランも並んでいるようなちょっとわいわいした場所だった。寝場所探しを助けてくれる人を発見するのにはちょっと難しそうに感じられる場所だった。

この日の寝場所探しのポイントは明日の朝に予報されている雨を回避することだった。フリーに眠れるけれど屋根がついている場所。

カフェの前で挨拶してくれた20代くらいに見える人に話しかける。英語が通じる。近くの友達とも何か話しつつ「屋根付きというのはこのあたりだと難しい。変に郊外に眠ると犬が危ないし」とのこと。しばらく考えた後、街中の廃屋に連れて行ってくれた。

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これが本当にセンター通りにある。隣はレストランで向かいのバーではテラス席で客がビールを飲み交わしている。ちょっと恥ずかしい。

自分の基準で言えばこんなところでもありがたいのだけれど、ここは床に大量のビールびんの破片がそこかしこに散らばっていた。

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自転車を入れたくない。そもそも危ない気がする。だんだんこんなところで過ごすのが寂しく感じられてきた。案内してくれた彼には悪いけれど別の場所に移ろうと決めた。

 

街の中心部を出た。そこでパン屋を発見。

「そういえば夕食を買おう」と思ってパンを買いに入った。

店内のテーブルを4人くらいの若者が囲んでいる。

その中の1人が英語が達者で軽く自己紹介する。

パンを買いながらついでに寝場所の相談をした。

すると彼の叔父さんが経営しているカフェの前の屋根に連れて行ってくれた。

叔父さんはとても気前の良い人で「良いよ良いよ、明日7時に開店するけれど寝てても大丈夫」という若者からの通訳をいただいた😊

いや、やっぱりこんな感じがありがたい。誰かの繋がりがある中で夜を過ごせること。

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このカフェは叔父さんの他に14才の娘さんがお店のお手伝いをしていた。娘さんはは英語が話せる。

彼女の通訳でおじさんから「ご飯食べたか?」と尋ねられた。二つ返事で答えた。

なんとビールまで開けていただいた😊

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夕食いただきます😊

首都の名前を冠するティラーナビールも美味しかったー!😊

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おじさんはジェルジさん、娘さんはチェサラ。

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座っている間、チェサラにちょいちょい話をする。少しアルバニア語を教えてもらったりもした。チェサラはアルバニア語の微妙に難しい発音も踏まえて教えるのがとてもうまかった。以前、スペインからの旅行者がこの街を訪れたことがあったけれど、郊外の落ち着く場所を求めてこのカフェにやってきて、彼らを家に招待したこともあったらしい。とても優しい人たちなのだ😊

朝食とモーニングコーヒーまで約束してもらってこの日は別れた。ありがとうございました😊

大きな山の見える静かな場所で静かに夜を過ごした。