HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

160km走るショッピング(Malikounda↔︎Dakar)

困窮した生活環境にあるセネガルイスラム学徒「タリべTalibe」の支援に取り組むイタリア発の非営利団体La Maison De Enfants」の施設に滞在している。日曜日の今日は完休日。

昨日アダプターが壊れてしまい、新しいもの購入するため首都のダカールに買いに行った。走行が長丁場になるので最低限の荷物だけを携行した。

こういった電子機器は日本にいればネット通販で安く買うけれど、こういった国では首都圏まで出向いて割高のものを買わなければならない。そこがデジタルノマドの厳しいところ。

今日は日曜日。Googleマップで検索してみる限り、ほとんどの店は休み。そんな中で一軒だけ空いている店を発見した。しかしこの表記が間違っている可能性は十分にある。確認のために電話をして出てきた男性と片言の英語でコミュニケーションを取ったところ確かに「開いている」と言っていた。開店時間は「12時」だと言っていた。Googleマップには「10時半」と書かれているがまあアフリカだしそんなものだろう。これが昨日の話。

そして今日、実際に行ってみた。朝の7時半に出発し、途中通った小さな店でパンとカフェ・トゥーバで腹ごしらえ、狭い道路で道のギリギリ右側を走っていても大型車両はスレスレの距離を追い越していく。クラクションは何度も鳴らされる。都心に近づくにつれて交通量が増えていってもう危なくてしょうがない。そんな中をノロノロとおよそ80kmの道を走り12時半現地着。店は

閉まっていた。

出たよ。アフリカ。。

片道80km5時間の道ですが、なんの成果もないまま帰っちゃいますか?

とりあえず店の前に座り込んだ。すると身長200cmくらいの長身の男性が小さな子供と散歩をしていて、ぼくに話しかけてきた。アメリカに住んでいたことがあるそうで片言ながら英語で話ができる。

彼の住まい↑の写真左の家。その家の一部のようになっているこの店の店主とは友人であり「彼は寝ているだろう」とのこと。待てばそのうち現れることがわかった。

またパンとカフェ・トゥーバで一服し、時間が余っていたので、これから向かってみたい南アメリカ行きの船について調べてみようと思った。

とりあえず一番大きな港に行ってみる。誰が係員なのかとかどの窓口に行けば良いとかもう一切のことは分からないのでとりあえず突撃。目があって話しやすそうなスタッフに話しかけ、尋ねてみると「貨物船ならあるかも」とのこと。

貨物船は前々から想像していたルートだった。まあ旅行者一人乗せて他国に入るのは手続き上、関係会社に不都合がありそうだからハードルが高いかなと思ったが試してみる価値はある。しかし、貨物船専用の港に入ろうとしたら警備員がいて、一般人である自分は門前払いだった。ぼくが警備員と話している様子を見ていた人が話しかけてきて教えてくれたことによれば2000フラン=435円の賄賂をお支払いすれば通してくれるらしい。が、とりあえずその作戦は保留にしておいた。入れたところで貨物船の人が乗せてくれるとは限らないし。

港を出ようとしたら路上でアクセサリーのようなものを売っているおじさんが話しかけてきた。こういう人はいつも何かを売ろうとするだけだから相手にしないでスルーするのだけど、今は南アメリカに行く船についての情報が欲しくて尋ねてみることに。

おじさんはすぐに「CVD」というセイリングクラブ(船舶クラブ)の存在を教えてくれた。ここは個人の船が停泊する場所であり、旅行者はここで航海する人を見つけるのが定石だという。

電源アダプターの待ち時間の間に南アメリカ行きが少しだけ進展した。

電源アダプターのお店の人から電話がかかってきたので店に行って無事にアダプター購入。ビザカードが使えず、現金もなかったが、イギリスポンドで購入させてくれた。セネガルのセーファーフランとイギリスのポンド、本来のレートでは67ポンド=10988円のところ71ポンド=11644になったのでおよそ650円、普通の両替商と変わらない手数料は取られることになった。このくらいの手数料でも勿体なく感じるがやむを得ない。

お店のお兄さんは「日曜日だったけれど君のために店を開けた」とおっしゃっていたけれど、Googleマップには開店とあったしメッセージのやり取りでも開いてると言っていたし約束の時間には遅れているというツッコミどころ満載だったけれど、いちいち言及するのも疲れるだけだと思ったのでやめておいた。

それから例のセイリングクラブ「CVD」へ訪問。行ってみると普通にキャンプもできそうな、海の目の前の気持ちの良い場所だった。そこに何艘も船が停泊している。

ここでヒッチハイキングのように目的地に向かう船のオーナーと交渉して乗せていってもらう。良い人に出会えるかどうかは運次第ということになる。

その間できればこのCVDの敷地でテント泊しながら待っていたいけれど、ここはキャンプ場のようなもので、テントを張るのは一泊につき3000セーファーフラン=652円だった。

普段から無料野宿で生きる自分にとっては辛い金額。うーむ目の前にはビーチがあるしどこか付近で無料で泊まらせてくれる人を見つけるしかないかと自分の中でシミュレーションする。

ここに滞在しているフランス人のおじさんと知り合いになり連絡先を交換した。「南アメリカに行きたい」という目的を伝えると「ああ、行く人いるよ」と不可能ではなさそうだったのでそこに一番安堵した。船を得るためには基本的にここで待って直接交渉するのが一番良いとのことだった。とりあえず今はここを出航する人は一人もいないので急ぐ必要もないらしい。少し時間を置いてまたここに来ることにした。

シーズンを逃し、雲行きが怪しくなっていた南アメリカ行きが地味に前進した。はじめ電源アダプターの店が閉まっていたこと、港を見回ったこと、おじさんに質問したこと、自分の中でなかなか偶然うまくはまった良い流れだった。そもそも昨日電源アダプターが壊れたところから始まっていたのかもしれない。自分の足で動けば道が開かれる感が思い出されてきた。

それからなかなか危険な道をまた引き返す。ダカールでの滞在時間が長くなったせいで2時間くらいは真っ暗な中を走行し、凸凹の道から受ける振動で自転車にダメージが入る。バスからは何度もクラクションを鳴らされながらスレスレを追い越される。

帰宅まであと残り10kmくらいというところでお腹がものすごく減ってマーケットで自分的には散財するくらいの食べ物を買って食べた。死んでも良いなんて言っても空腹の苦しさには耐えられそうにないなあと思った。

今日購入したアダプター(左)と壊れたアダプター(右)。

コソボからの二年弱、お世話になりました。