HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

アメリカ大陸へ渡りたい(Nouakchott نواكشوط)

昨晩から泊まらせていただいているフランス人とイタリア人のカップルの方のお宅にもう一泊させていただけるので、一日引きこもって作業をしていた。

ふと余裕があるのでここから先、訪れる予定の国の入国要件を軽く確認した。数えてみると15カ国でビザの取得が必要だった。大雑把な計算で各国入国のための必要な書類を揃えるのにかかる費用は実質およそ1万円。それが15カ国なので15万円必要になる。今の自分の所持金の大半を持っていかれてしまうことになる。ここで改めて自分の旅程について考え直した。

旅行者として滞在する以上、どの国でも必ず滞在期限があり、そこに違反しないようにするために一定期間内に他国へ移る。欧州圏ではただ生きるだけならほぼ文無しでも希望があった。それは何より入国に際してのビザ代が不要だったことが大きい。

が、アフリカは全然勝手が異なる。ほとんどの国での入国にビザが要る。もちろんこれはアフリカ圏に来る前からわかっていたことだが、一定期間モーリタニアに滞在し、入国ビザに加えて生活コストも上がり、基本的な生活の全てが困難になる現実を目の当たりにして気力が落ち、その厳しさがくっきり感じられるようになった。

アフリカでもビザ代が不要なら全然問題ないのに。世間知らず故の疑問かもしれないが「そもそもなんなのだこの制度は?」と思ってしまう。ここはただの地球なのについ最近住み始めた人間が勝手に決めたルールの中で生きなければならない。ただ生きることにも条件がつきまとう。

加えてアフリカでは現状、主に中央部で紛争地域が多くそこへの訪問も避けざるを得ない。個人的にはこの命はどうなっても良いような気がするのだけど人から応援してもらって旅をしている以上、その人たちに後味の悪い思いをさせるのではないかと思い、できる限りそういった場所には近づかないようにしている。

逆に現地での生活の不便さタフさといったソフト面は気力こそすり減るものの許容できる。というかそれを冒険として楽しみたくて来たのだ。それは変わらない。

社会情勢や査証の条件といった自分の工夫の余地の無さそうなハード面が厳しい。これが最も辛い。

ここでスイスからの旅人、ジュリアンの言っていた旅程が気になり始めた。次の国セネガルから南アメリカ、ブラジルへ誰かのボートに乗せてもらって渡る作戦。

軽く調べたところ南北アメリカでは全ての国で査証代を支払わずに滞在ができる。アルゼンチン、ボリビア、ペルーにバックパッカーとして旅したことはあるが、自転車での旅はまだやったことがないので自分の中では実質まだ未開拓。例えばアメリカ大陸を5年くらいかけてゆっくり旅をしている間にアフリカの国々がどんどん旅行しやすくなり、それからブラジルからまたボートでセネガルに渡り、アフリカ旅を再開するのはどうだろうかと考えた。もちろんアフリカは長年厳しい状況が続いてきているのだろうけれど、今は少し先の未来ですらどうなるかわからない時代。良い方に転ぶことを祈りながらまずは好条件の中を旅するのが良さそうだと感じた。アメリカ大陸に渡った自分を想像したらワクワクしてきた。念じてみよう。

クリスタがおでかけついでに持ってきた花びら。少年たちに囲まれて軽く襲われそうになってきたらしい。

それでもケロッとモロッコの彼と楽しそうに電話をして楽しそうにする彼女はタフである。

イヴァンの自転車の不調をみんなで直す。