HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

三度パンクを修理する(Torres del Carrizal→Peleas de Arriba)

地獄に堕ちたら地獄を漫遊します。今と変わらずに。

死なないで元気に生きていられるように日々手を尽くしているけど「生きているか死んでしまうかということは本当はどうでも良い」と定期的に思い出すようにしています。

生きて何か為さねばならない、誰かを愛さねばならない、後世に何かを残さなければならない、人類に貢献しなければならない、そういう発想はもちろん尊いでしょうが絶対ではないはず。自分はなんとなく蔓延ってる価値観にただフォローするより、ただ一つの存在として、まっさらに動くだけ。

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3回。これまでで一番多くパンク修理をした。40kmにも満たない移動。

こういう道でパンクをしたら日陰と壁を求めて彷徨い歩く。タイヤが潰れてなお走るとホイールやタイヤにダメージが入るので、自転車から降りてゆっくり押して歩く。

日曜日で閉まっているガソリンスタンドで修理。

夕方になってたどり着いた村を彷徨って聴き込みをするけど成果はなし。「スペインでは公式には野宿が禁止されている」というのが住人の方々がよく言う見解。こんな社会の中でも人によっては良いアドバイスをしてくれるので粘り続ける。

で、またパンク。一度修理して荷物を積み終わるとまた別のタイヤが柔らかくなっている。小さい穴が空いていてゆっくり空気が抜けていたみたいだ。

チューブはすぐに交換しないで5回、6回と何回も自分で修理しているので以前貼り付けたシールが剥がれてしまっていることもある。今回はそれだった。

修理をしているうちに真っ暗になった。修理を終えて荷物を積むとまたタイヤが柔らかくなっていた。もう気力がない。寝る。

修理中に通りがかった人が声をかけてくれて、その人が教えてくれた村の中の公園に行った。「ここの村の人たちはいい人だから野宿してても大丈夫だよ」とのこと。野菜と果物を分けてくれた良い人だった。

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大きな壁打ちテニス用の壁の前にテントを張った。近所の住宅から丸見えだったけど大丈夫そう。夜のうちは星がものすごくよく見えた。

村の少年三人組が談笑しながら歩いてきた。

もしかするとここは彼らの溜まり場か。こう言う時に平穏に事態を切り抜けるコツは自分から話しかけてしまうこと。緊張するけど話しかけてしまってとりあえず危険人物でないことを理解してもらうのだ。

寝場所の質問をアプリで見せると少年たちは「ここでも大丈夫だと思うよ」的な答えをして別のところに歩き去って行った。

何か危ないことが起こらないかと警戒していたけれど結局何も起こらず朝を迎えることができた。